土曜プレミアム・世にも奇妙な物語 ’20秋の特別編【ストーリーテラー:タモリ】30年目を彩る珠玉の新作4編…
出典:EPGの番組情報
土曜プレミアム・世にも奇妙な物語 ’20秋の特別編【ストーリーテラー:タモリ】[字]
30年目を彩る珠玉の新作4編「コインランドリー」濱田岳、「タテモトマサコ」大竹しのぶ、「イマジナリーフレンド」広瀬すず、「アップデート家族」高橋克実
番組内容
■「コインランドリー」
橋本学(濱田岳)は作業着を洗いにコインランドリーに来ている。待っている間ふと「ビール飲みてぇ」とつぶやくと、なんと乾燥機の中にビールが入っている…そこへ清掃員(コロッケ)がやってきて、「この乾燥機はお願いをすると、欲しいものが何でも手に入るのだ」と教えてくれたのだが…
■「タテモトマサコ」
文具会社に勤める志倉楓(成海璃子)は同じ会社の近藤雅也(佐伯大地)から
番組内容2
ある日プロポーズされたのだが、その翌日、近藤がビルから飛び降りてしまう。自殺だと噂されるが前日の様子を知る楓は信じるはずがない。そして近藤が飛び降りた日の夕方、総務部員の館本雅子(大竹しのぶ)ともめているのを見たというが…
■「イマジナリーフレンド」
原田早希(広瀬すず)は大学の講義で、幼少期に見られる空想上の友達“イマジナリーフレンド”について学んでいる。早希も幼い頃ユキちゃんという
番組内容3
ぬいぐるみの友達がいたことを思い出す。帰宅後、自宅の部屋にぬいぐるみのユキちゃんが再び現れるのだが…
■「アップデート家族」
三世代家族の黒崎家。幸せだったのもはるか昔。家族揃っての朝食も今では殺伐としている。父親の睦夫(高橋克実)は家族からも相手にされない。「このままではいけない」と考えていた矢先、一枚の折り込みチラシに目が留まる。それは「ファミリーアップデーター」という新製品だった…
出演者
【ストーリーテラー】
タモリ
【「コインランドリー」】
濱田岳、岡崎紗絵、コロッケ ほか
【「タテモトマサコ」】
大竹しのぶ、成海璃子、森高愛、小松和重、佐伯大地、浦まゆ ほか
【「イマジナリーフレンド」】
広瀬すず、堀内敬子、岐洲匠、横田真悠、夏子 ほか
【「アップデート家族」】
高橋克実、吉川愛 ほか
スタッフ
【「コインランドリー」】
〈原作〉
『ロッカールーム』鈴木祐斗(集英社『少年ジャンプ+』)
〈脚本〉
遠山絵梨香
〈演出〉
松木創
【「タテモトマサコ」】
〈脚本〉
山岡潤平
〈原案〉
荒木哉仁
〈演出〉
小林義則
【「イマジナリーフレンド」】
〈脚本〉
荒木哉仁
〈演出〉
植田泰史
スタッフ2
【「アップデート家族」】
〈原作〉
『アップデート家族』チョモランマ服部(集英社『ジャンプルーキー!』)
〈脚本〉
向田邦彦
〈演出〉
北坊信一
【編成企画】
渡辺恒也、狩野雄太
【プロデュース】
小林宙、中村亮太
【制作】
フジテレビジョン
【制作著作】
共同テレビジョンジャンル :
ドラマ – 国内ドラマ
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(橋本)美人の彼女が欲しいです。
(清掃員)お願いしたね。
(飯田)館本さんに殺される?
(雅子)あいつ…。
(早希)ユキちゃんは
私が幸せになることが 嫌なの?
(睦夫)わが黒崎家は
アップデートすることにした。
(夏海)元に戻せ!
♬~
(ストーリーテラー)皆さん こんばんは。
ここに 5つの箱があります。
この中の一つが
あなたを幸福にしてくれます。
どの箱を選びますか?
私なら…。
♬~
古代ギリシャの詩人 ホメロスは
こう言いました。
「人間は 幸福の2倍 不幸に遭う」
かつて 狩猟生活をしていた
人類は
やがて 農業を発明し
豊かになります。
その結果
土地を巡り 部族同士で争い
戦争が始まってしまったのです。
欲しいものを手に入れれば
それ以上に 失うものがあります。
そして こよいも また
特別な何かを手にした
4人の男女が ここにいます。
果たして 彼らが手にしたのは
幸福なのでしょうか。
(ブザー)
(ブザー)
♬~
(橋本)壊れてんのかな~。
♬~
あ~ ビール飲みてえ。
≪(物音)
ビール?
冷たい。
≪(清掃員)君 お願いしたね。
(清掃員)この乾燥機の前で
お願いをすると
何でも
欲しい物が出てくるんだよ。
はあ。
(清掃員)ホントだよ?
本物だ。
♬~
♬~
(亜美)あの…。
(橋本)はい。
いつも ここ 使ってますよね?
あ~ はい。
まあ いつでも 空いてるんで。
何か 落ち着きますもんね。
ここが 落ち着く?
(亜美)はい。
え~
若いのに それは ヤバいでしょ。
そうですかね?
(橋本)あ~。
(亜美の泣き声)
えっ 何で?
えっと… どうしたのかな?
あっ…
就職試験
全然 うまくいかなくて
もう 40社も落ちてるんです。
何だ。
(亜美)何だ?
いやいや… ごめん ごめん。
つい…。
でも 偉いよ。
えっ?
40社 落ちたってことは
40社 受けたってことでしょ?
いや それだけで偉いよ。
でも 派遣 切られて
フリーターになった男に
褒められても
うれしくないだろうけど。
えっ
派遣 切られちゃったんですか?
(橋本)うん。
(亜美)大変じゃないですか。
(橋本)うん。
でも 焦っても
現状が変わるわけじゃないし。
まっ 肩の力を抜いた方が
うまくいくかなって。
君は 真面目そうだし
君のことを必要としてくれる
会社が きっと あるよ。
俺が面接官だったら
絶対 採用する。
(ブザー)
じゃあ。
あの!
私 近藤っていいます。
あっ 俺は あの… 橋本です。
橋本さん。
(橋本)…って 他人のこと
励ましてる場合じゃないよなあ。
(バイブレーターの音)
はい。 もしもし。
うん。 まっ 何とかやってるよ。
仕事も順調だし。 うん。
父さんが検査入院…。
えっ 大丈夫なの?
うん。 いっ いいよ。
幾ら必要なの? うん。
30万…。
30万 欲しい… です。
≪(物音)
マジで出た。
どう? 楽しんでる?
あっ… まあ はい。
じゃあ。
あっ…。
(清掃員)ここから出した物は
一日で消えちゃうから
気を付けてね。
橋本さ~ん。
(橋本)あっ どうも。
(亜美)この前は
ありがとうございました。
(橋本)いえいえ。
(亜美)実は 私
橋本さんに言われたとおり
肩の力 抜いてみたんです。
そしたら
初めて 2次面接 突破しました。
おっ すごいじゃん。 おめでと…。
(バイブレーターの音)
(バイブレーターの音)
ちょっと ごめんね。
もしもし?
あっ 振り込み 確認できた?
よかった。
うん。 はい。 じゃあね。
ごめんね。
(亜美)あっ…。
振り込みって…。
(橋本)ああ…。
今 うちの父親が入院してて
そのお金を 母親に頼まれてて。
そうなんですか。
いや そろそろ 俺も就職しないと。
橋本さんなら きっと 大丈夫です。
私が面接官だったら
100% 採用です。
ちょっと それ 俺が言ったやつ。
アッハハ。
すいません。 パクりました。
♬~
(橋本)御社を志望したのは
経営理念に感銘を受けまして…。
(橋本)資格は…
えっと 英検3級なら あります。
5年後の自分…。
取りあえず
元気で働いていたいです。
(橋本)はい。
♬~
いいよな こんな美人と。
幸せだろうな。
彼女…
あの みんなが うらやむような
すっごい美人の彼女が
欲しいです。
(扉の開く音)
マジかよ。
何か用?
うんと… あっ えっ?
これから 俺んち 来ない?
はっ?
(橋本)うっ…。
きつい女は やだ。
俺は
ただ 癒やされたいだけなんだ。
あっ。
えっと あの…
外見は グラビアっていうより
あの 清楚系で お願いします。
あっ あと あの…
俺のすること 何でも あの
「すご~い。 橋本君 大好き」って
言ってくれる
女の子で お願いします。
あっ あと あの もう
会話は もう
全然 楽しくなくていいんです。
もう ただただ
俺という存在を肯定してくれる
カワイイ彼女を お願いします。
♬~どちらかと言えば嫌いなやつ
♬~本当ならば仲良くならない
♬~なのに なのに
♬~なのに なのに
♬~デコとボコがハマれば
♬~楽しくて
<ひとのときを、想う。 JT>
こんにちは。
(橋本)こんにちは。
あの 今から デートしませんか?
うん。 するする。
(橋本)あっ やった。
あっ じゃ 行きましょう。
(女性)うん。
(橋本)その服 すごく似合ってる。
(女性)ホント? うれしい。
あの 欲しい物があったら
もう どんどん言ってね。
すご~い。 カッコイイ。
橋本君 大好き。
あっ あのさ…。
(女性)うん。
うち 来る?
(女性)うん。 行く 行く。
(女性)でね
パンケーキとホットケーキって
何が違うんだろうって思って。
(橋本)ああ ああ。 うんうん。
(女性)
味は おんなじだと思うんだけど
どうして 名前が違うんだろう。
あ~ うんうん。
あれ?
(橋本)あれ?
橋本君に 手が届く。
ホントだ。
(女性)ウフフフ…。
ねえねえ 手相 見して。
(女性)うん。 いいよ。
(橋本)あっ…
あっ これは 見事なモテ線だなあ。
フフフフ…。
ねえねえ 橋本君の手相も見せて。
いいよ いいよ いいよ。
うわ~。
(橋本)んっ?
橋本君 生命線 短~い。
あっ… アハハ。 ホントだね。
ねっ。 すご~い。
ヘヘヘヘ。 面白いね。 ねっ。
♬~
♬~
あれ?
(清掃員)《ここから出した物は
一日で消えちゃうから
気を付けてね》
ハァ~ そっか。
いや でも 楽しかったな~。
初めまして。
お~。
お~ そういう感じね。
学君って呼んでいい?
はい。 あっ はい。 お願いします。
あ~ん。
(橋本)あ~ん。
(橋本)うん。 うまい!
やった~。 よかった。
(橋本・女性の笑い声)
あ~ 幸せだ!
(女性)私も。
(橋本・女性の笑い声)
ハハハ…。
♬~
はい。 じゃ 手 出して。
(女性)あっ すてき。 ありがとう。
すいません。 じゃ これ 下さい。
(店員)はい。
ありがとうございます。
≪(亜美)橋本さん?
(橋本)あっ…。
(亜美)
そのお金 どうしたんですか?
いや 最近 あの…
競馬が ば~んって当たって。
いや よっ よく当たるんだよ。
(亜美)就活してないんですか?
女の人の影響ですか?
(橋本)えっ?
私 この前
橋本さんが 女の人といるところ
見ちゃったんです。
あの人 彼女さんですか?
いや… うん。
彼女っちゃ彼女だけど
まっ 違うっちゃ違うというか。
(亜美)
そんな いいかげんな関係…。
橋本さん どうして
こんな 変わっちゃったんですか?
いや 別に 変わってなんかないし。
(亜美)就活して
お父さんのお見舞い
行くんじゃなかったんですか?
さっきから 何なの?
君に関係ないだろ。
あの星と どっちが輝いてるかな?
すてき。
私 橋本君のこと
好きになっちゃいそう。
♬~
(橋本)さっ
次は どんな女の子にしようかな。
清楚系ばっかりだったから
たまには 違うタイプもいいよな。
よし。
露出度 高めの 積極的なタイプ。
どうぞ どうぞ お願いします。
これは…。
やあ。
(女性)最高 橋本って。
(橋本)
えっ 何? どこ どこ どこ?
(女性)全部。
(橋本)いや 君も
もう 下から上まで 全部 最高。
(女性)ホント?
(橋本)だからさ
これ あげちゃうよ。
(女性)何?
どれにしようかな。
いいよ。 じゃ これ あげちゃおう。
はい。 手 貸して。
はい。
(女性)いいの?
(橋本)うん。 いいよ。
(女性)ありがとう。
じゃあさ
これも… これも あげちゃう。
カワイイ。
(橋本)おう。 似合う 似合う。
(バイブレーターの音)
(女性)最高。
(橋本)はい。 もしもし?
うん。
(女性)ねえねえ。
ねえねえ ねえねえ。
(橋本)シッ シッ… ちょっと待って…。
早くしてよ。
(橋本)5分 5分 5分。
ちょっと待って。 ごめんね。
はい。 で 何? もしもし?
何?
(女性)ぴったり。 これは…。
いや 彼女? いや 違うよ。
で 何よ?
手術?
いや
そんな 急に戻るなんて 無理だよ。
俺にだってさ
予定があるんだから。
金なら 振り込んどくからさ。
いや… もう 切るよ。 じゃあね。
(橋本)どうも。
僕ね 君に
言い忘れたことがあるんだよ。
言い忘れたこと?
何よ?
(亜美)あなたなんですね。
橋本さんを唆してるのは。
(女性)はっ?
橋本さんを
悪の道に 引きずり込まないで!
何ですか? 言い忘れたことって。
あの乾燥機 何でも出せるけど
人は 出しちゃ駄目だよ。
えっ?
アッハッハッハッ…。
何が おかしいんですか?
あんた あの人が好きなんだ。
でも 残念でした。
彼が好きなのは 私なの。
ちょっと 何すんのよ!
(亜美)橋本さんに
目を覚ましてもらわないと。
やめてよ!
(亜美)貸して。
私の指輪!
人は 出しちゃ駄目って
どういうことですか?
だって その人 一日で
消えちゃうことになるでしょ?
ああ… 何だ。 そのことか。
それなら分かってますよ。
大丈夫ですよ。
(女性)やめてよ もう!
橋本さんは あなたみたいな人と
一緒にいたら 駄目です!
はあ? どういう意味?
こんな 面積の小さい服を
着る人なんか
信用できないからです!
何 言っちゃって…。
あ~ もう いいかげんにして!
あんな男 どこがいいのよ。
あれ? どこ行っちゃうの?
橋本さん 何で あんな人と…。
私は 今までの 穏やかで優しい
橋本さんが 好きなのに。
好きなのに…。
♬~
♬~
橋本さん…。
戻ってきて。
えっ?
まさか…。
(亜美)キャッ!
えっ?
橋本さん どうして こんな所に?
(キャスター)
東京 銀座にある 宝石店で
不可解な事件が起きました。
金庫に保管していたはずの
前日の売上金が
消えてしまったということです。
さらに
近隣のブティックでも同様に
前日の売上金だけが消えるという
事件が 起きています。
金庫が開けられた形跡はなく
犯行の手口は 不明。
警察は 同一犯による
窃盗事件の可能性もあるとみて
捜査を進めています。
俺が出した金だ。
橋本さん?
《その人 一日で
消えちゃうことになるでしょ?》
つまり 俺も…。
この世の中
何か 言葉を発することは
非常に リスクを
伴うことなのかもしれません。
発さなければ
誰かを傷つけることも
傷つけられることも
ないからですね。
そして ここに
言葉を発しない
一人の女性がいます。
彼女の人生を
試しに のぞいてみましょう。
(近藤)なあ。
あの…。
えっと…。
(楓)何? どうした?
(近藤)うまく しゃべれない。
何?
結婚…。
(楓)はい。
ホントに?
楓 愛してる。
(近藤)あ~。
緊張し過ぎて 頭 痛え。
(楓)大丈夫?
ちょっ…。
ごめん。 うれし過ぎて 鼻血 出た。
(近藤・楓の笑い声)
(近藤・楓の笑い声)
(近藤)《楓 愛してる》
近藤君…。
(部員)
自殺した営業部の近藤って…。
(部員)うちの志倉の彼氏だよな。
あれ きついな。
(飯田)何か
近藤から 聞いてなかったのか?
(部員)飛び降り自殺だって。
(部員)俺
見ちゃったんだよ。
(部員)鬱だったんですかね。
違います!
(楓)彼は自殺なんてしません!
絶対に。
(飯田)えっ? 館本さん。
(紗英)志倉さん。
(紗英)あの 私 近藤先輩に
お世話になってました
営業の笠原です。
どうも。
近藤先輩から 志倉さんの話は…。
あの 何か?
近藤先輩が こんなことになって
部のみんな
自殺だって言ってるんですけど
私は 違うと思うんです。
えっ?
昨日 夕方ぐらいに
私 見たんです。
そこで 近藤先輩と
総務の館本さんが 話してるの。
うちの館本さん?
(近藤)《これ
どういうことですか?》
《あなたが やったんですか?》
《何か言ってください!》
(近藤)
《何 言ってんだ あんたは》
《あした
先方にも確認しますから》
(紗英)
何か もめてるみたいでした。
館本さんって
最近 入られた方ですよね?
≪(飯田)館本さん。
(楓)半年くらい前だったと
思います 中途採用で。
あの 近藤先輩から
何か聞かなかったですか?
館本さんのこと。
何も…。
館本さんと近藤君が
何か もめてるのを
見た人がいます。
近藤君と 何か あったんですか?
教えてください。 お願いします。
彼
自殺なんてする人じゃないんです。
もし 何か知ってるなら
教えてください。
おはようございま~す。
(飯田)志倉。
もう 大丈夫なのか?
えっ?
(飯田)いや 大丈夫なら いいんだ。
何のことですか?
(飯田)えっ?
お前 今日 休んでいいよ。
ショックで あれだろ? なっ?
ショックって 何ですか?
何か あったんですか?
(部員)おいおいおい…。
(飯田)何かって…
昨日 近藤が…。
近藤君が 何か?
♬~
(近藤)《楓 愛してる》
(楓)《近藤君…》
(飯田)えっ… 大丈夫か?
(楓)何で?
何で
近藤君が死んだこと忘れて…。
(飯田)なっ? 帰って休め。 なっ?
≪(紗英)志倉さん?
(紗英)えっ… 大丈夫ですか?
あの
けさ みんなで
近藤先輩のロッカーを
整理してたんですけど
仕切りの裏に これが。
「タテモトマサコ」
総務の館本さんのことですよね?
やっぱり
近藤先輩と 何か あったんですよ。
(楓)彼に 何をしたんですか?
(飯田)志倉 どうした?
(楓)彼は 死ぬ前
館本さんに殺されるという
このメモを 残してました!
(飯田)館本さんに殺される?
お前 何 言ってんだ。
(楓)何で
何も しゃべらないんですか?
話してください!
何があったんですか?
(楓)何で 黙ってるんですか?
(飯田)館本さん 何か あったの?
志倉さん。
(紗英)昨日 館本さんの話
してたじゃないですか。
(楓)館本さんって うちの?
どうかしたの?
えっ… ちょっ…
志倉さん どうしたんですか?
えっ?
昨日 近藤先輩のロッカーから
メモが見つかって。
メモ?
渡しましたよね?
「タテモトマサコに殺される」って。
何? それ…。
志倉さん?
鼻血!
大丈夫ですか?
(近藤)《楓 愛してる》
まただ。
(紗英)えっ?
昨日は
近藤君が死んだことを忘れてた。
今日は 何で…。
あれ? 何だ? これ。
(部員)鼻血が…。
(部員)何で? 何で?
(紗英)館本さんの周りで
過去にも
おかしなことが起きてるんです。
おかしなことって?
(紗英)
館本さん ここに入社する前
もみじ出版で
経理やってたそうなんです。
たまたま 私の同期が
もみじ出版にいて 聞いてみたら
そこの経理課長
人の弱み握って 脅してる
嫌なやつだったらしいんですけど。
(経理課長)《君が
会社の金 ちょろまかしてること》
(楓)館本さんが横領?
(紗英)そんな噂があったみたいで。
それで?
(紗英)
その経理課長 死んだそうです。
突然 自殺して。
近藤君と同じ…。
おかしいですよね?
近藤先輩も含めたら
館本さんに関わった人が
少なくとも 2人 死んでるんです。
(楓)そんな…。
まだ あるかもしれない。
私 もう少し調べてみます。
(楓)私も 人事に同期がいるから
聞いてみる。
♬~
(奈保)
マジで バレたらヤバいからね。
(楓)ごめん。 ありがとう。
(楓)「不審死」?
「折井建設の社員 2名が
作業中に 突然
有毒性の塗料を 自ら飲み 重体」
「そのまま病院に搬送され
死亡が確認された」
また 自殺?
♬~
(飯田)志倉。
(楓)はい。
(飯田)お前 近藤が死んでから
おかしくなってるな。
しばらく 会社 来なくていいよ。
1カ月 病欠申請しといたから。
部長 急に どうしたんですか?
帰れ。
待ってください。
(飯田)帰れ。
さっさと帰れ!
(紗英)志倉さん?
会社 追い出された。
えっ?
館本 雅子が 何かしたのかも。
館本 雅子のことで
私も 話したいことがあります。
もみじ出版の同期が
思い出したって
私に話してくれたんですけど
館本 雅子は ヤバいです。
これ以上 近づいたら 駄目です。
(楓)えっ? 近づいちゃ駄目って
何か分かったの?
今から
営業部の会議室 来れますか?
分かった。
(紗英)志倉さん。
(楓)館本さんのこと 聞かせて。
えっ? 館本さん?
何の話ですか?
そんな…。
(紗英)何か 頭 痛くて。
大丈夫?
血…。
館本 雅子に 何かされたの?
えっ? 館本さん?
いや 別に。
あれ? これ 何ですかね?
こんなの いつ書いたんだろ?
あっ… 頭 痛い…。
何してるの?
(紗英)いや 頭 痛いし
死んで 楽になるの。
邪魔なんで
出てってもらえますか?
えっ?
(紗英)死にたいの!
笠原さん。
(紗英)出てって!
笠原さん! やめて!
ドア 開けて!
(営業部員)何やってんだ!
(営業部員)別のドアから回りこめ。
(営業部員)はい。
(営業部員)あっ…。
(営業部員)何やってんだよ おい。
そっち持て。
救急車! 救急車 呼べ! 早く!
(営業部員)
笠原さん! 笠原さん しっかり!
(営業部員)おい おい! 起きろよ。
(営業部員)笠原さん! 笠原さん!
(営業部員)おい!
(営業部員)笠原さん…。
(営業部員)笠原!
(営業)何で こんなこと…。
(営業部員)
何で こんなことに…。 笠原!
(紗英)《これ 何ですかね?》
(紗英)
館本 雅子は 記憶を消せる。
館本 雅子に 近づいたら
記憶を消される。
記憶を?
館本さんが
屋上に来てほしいそうだ。
♬~
(楓)呼んどいて
何も しゃべらないんですか?
館本さん。
(雅子)どこまで?
(楓)えっ?
(雅子)どこまで ご存じですか?
(雅子)あ~ 沈黙ということは
結構 ご存じなんですね。
分かりました。 沈黙は雄弁です。
では 知ってることを
話してください。 どうぞ。
今まで あなたのいた会社で
人が たくさん 死んでる。
たぶん
それに あなたが関わってる。
でも あなたは 人の記憶を消せる。
人の記憶を消して
全てを終わらせてきた。
人の記憶を消すなんて
ホントに そんなこと…。
合ってますが 間違ってます。
それは 必要条件であって
十分条件ではないっていうか
まあ 逆ですか? 十分条件であって
必要条件ではない。
よく分かりませんよね。
私 数学 苦手だったんで。
教えてもらったんですけどね。
でも これって
言葉遊びな感じ しませんか?
ネーミングの問題で 単純に
逆でも よかったんじゃないかって
私 言っちゃって
そしたら その数学教師
何か 「へ理屈こねるな 黙れ」って
怒っちゃって
びんたされたんです 私。
(楓)何の話をしてるんですか?
そしたら 普段 その数学教師の
悪口 言ってる クラスの子が
なぜか
その教師の味方したんですよね。
私 悲しくなっちゃって
思わず 言っちゃったんです
「死ね」って。
そしたら 死んじゃいました。
えっ?
自殺したんです その人。
私の言ったとおりに。
そしたら
クラスの子 ビビっちゃって
私のこと
避けるようになったんです。
で その教師
まだ 子供が小さかったみたいで
さすがに悪いなって思ったんで
高校で 一番 イケメンって
いわれてた 先生と
死んだ教師の奥さん
くっつけてあげたんです。
奥さんは ブスだったんだけど
「両思いになれ」って
言ってあげて。
いいことしたでしょ? 私。
なのに みんな
ますます 私を気味悪がって。
変ですよね。
いいことしたのに 私。
絶対 天国に行けんのに 私。
(楓)ちょっと 何 言ってるの?
意味が…。
(雅子)
記憶を消せるわけじゃないんです。
(楓)えっ?
言霊って 知ってますか?
言葉には 霊的な力が宿ってる
とかいうやつです。
人間は 多かれ少なかれ
言霊の力が備わってんです。
あなたにも それは ありますよ
多少ですけど。
みんな あるんです。
ほら 例えば 結婚式とかで
「切れる」とか「切る」って言葉
避けるでしょ?
あっ それに あれも そうです。
ネットの書き込み。
何も 口で言うだけじゃなくて
言葉 全般に 言霊はあるんです。
だから 自分の言葉には
ちゃんと 責任を持たないと
駄目ですよ ホント。
言葉っていうのは 残るんです
ちゃんと。
一度 残ったものは
消えないんです。
それでなんですけど
私は どうも 言霊の力が
異常に強いらしいんです。
あなたも さっき
私が言ったとおりに
べらべら話してしまったでしょ?
ちょっと待って。
じゃあ 言ったとおりに
人を操れるってこと?
そういうことです。
じゃあ 近藤君が自殺したり
私の記憶が消えたり
今まで 大勢の人が死んだのも?
私ですね。
(雅子)あれ? でも 変ですね。
あなたは 何度 記憶を消しても
私のこと
ちゃんと思い出しましたね。
何でだろ? 何でです?
声が聞こえた。
はっ?
(楓)近藤君の声が。
ハハハ! 何ですか? それ。
それも 言霊ですか? 愛の?
アハハ!
何が おかしいんですか!
(雅子)ハハハ…。
愛の力ですか? 偉大ですね。
偉大ですか?
こんな ちっぽけな石で
約束された 愛が?
知ってます?
このダイヤと 鉛筆の芯って
同じ成分なんですよ。
うちの倉庫に 鉛筆
いっぱい あるじゃないですか。
今度 持ってきてあげましょうか?
あっ 婚姻届は
鉛筆で書いちゃ駄目みたいですよ。
あっ でも 無理か。
死んじゃいましたもんね
あなたの愛する人は。
ふざけないで!
ふざけてませんよ。 真面目です。
だから 私
いつも黙ってるじゃないですか。
下手に口を開いて
皆さんが大変な目に遭うの
かわいそうだなと思って。
口は災いのもとって
言いますからね。
私は 平和主義ですから
平穏に生きたいだけですよ。
ただただ 平穏に。
だったら
何で 近藤君を殺したの?
たまには ぜいたくとか
したいじゃないですか。
(楓)えっ?
それで 少しだけ
お金が欲しかったんです。
そしたら それに
近藤さんが気付いてしまって。
で 仕方ないですよね。
平穏に生きるためには
近藤さんには
しゃべらないでいてもらうしか
ないですもんね。
(楓)自分の横領が
バレそうになったから 殺したの?
まあ そうです。
じゃあ 他の人は? 笠原さんは?
色々 私のこと調べてたんで。
そんな理由で殺したの?
(雅子)私にとっては
大きな理由ですよ。
あなたの価値観で
人の気持ち 測らないでください。
平穏に暮らしたいなら
一人で どっかで
暮らしてればいいでしょ!
人を操れるんだから 適当に
お金とか 誰かから もらって!
何で この会社に来たんですか?
何で 私たちと関わるの?
何で 近藤君を殺したの?
人の幸せって何か 分かりますか?
2つあるんです。
(楓)はっ?
1つは
愛する人に愛されることです。
2つ目は 自分が社会にいる意味を
感じることです。
あなたは いいですね。
どっちもあるじゃないですか。
あっ 「あった」が正しいですね。
(楓)はっ?
でも 独りでいると
何もないんですよね。
自分が いるのか いないのかすら
分からなくなっちゃう。
でも 仕事とかすると
誰でも 絶対に 「ありがとう」とか
言ってもらえるじゃないですか。
書類とか作ったりしたら。
あれ 良くないですか?
黙れ…。
(雅子)それに
やっぱり 独りでいると
自分より不幸な人 見て
「やった。 あれには勝ってる」とか
思えないじゃないですか。
黙れ!
すごいですね。
一瞬 黙っちゃいましたね。
あなたにも
言霊があるんじゃないですか?
同じですね。 私たち
友達になれるんじゃないですか?
はっ?
今度 ランチとか行きますか?
いいお店 知ってますよ。
ふざけないで!
誰が あんたなんかと!
誰かに 私のこと話しました?
最後に教えなさい。
人事の同期の 坂本 奈保に
あなたのことを話して
経歴書をもらいました。
坂本さん…。
あの人にも
消えてもらわないといけませんね。
安心して。 あなたは殺さない。
(楓)えっ?
これ以上
同じ部で 自殺者が出たら
また ここには 居づらくなるから。
あんた どこまで 自分勝手…。
館本 雅子のことは 忘れなさい。
会社にいると
近藤君のことを思い出すから
辞めて どこか遠くに行くと
いいと思います。
はい。
申し訳ありません。
彼の死のショックから 立ち直れず
辞めさせてください。
失礼します。
♬~
(雅子)
これで また 平和に暮らせる。
やったね 雅子。
どうして いつも
私の邪魔を みんな するの?
私は
平穏に暮らしたいだけなのに。
仕方ないよ。 雅子には
特別な力があるんだから。
ホントに 迷惑。
この力のせいで いつも独り。
仕方ないよ。
雅子は 選ばれた人間なんだから。
住む世界が違うんだよ。
仕方ないよ。
私は あなたがいてくれたら
それでいい。
大丈夫だよ 雅子。
ドアの内側を
掃除しておいてください。
そして
今 聞いたことは 忘れなさい。
はい。
♬~
びっくりした。 何ですか?
坂本さん 少し よろしいですか?
(奈保)えっ?
同期の志倉さんについて
お聞きしたいことがあります。
(奈保)志倉?
あっ まあ 同期っていうか
あの子
いきなり 会社 辞めたみたいで
聞きたいことあるの
こっちなんですけどね。
何か 変なメール 送られてきて。
あっ すいません。 あなたは?
総務の館本です。
館本?
中途採用の面接で
お会いしたことありますよね?
いや… えっ?
この会社に
館本なんて人 いましたっけ?
館本さん?
あっ すいません。
私について
何も知らないようでしたら
大丈夫です。
(飯田)おっ 何だ? これ。
(部員)何ですか?
(飯田)志倉からメール。
本文なしで
リンクだけ張ってあって。
(部員)あっ それ 俺のとこにも
来てましたよ 音声ファイル。
(部員)俺のとこも来てました。
(部員)俺も来てました。
会社全体に 送ってるみたいだな。
(部員)私も聞きましたけど
何か 女性と言い合ってる
音声データでした。
(飯田)女と?
(部員)うん。
何の話ですか?
(部員)あの どなたですか?
(飯田)お前 何 言ってんだよ。
館本さんだよ。
えっ? 館本…。
(部員)誰?
知ってる?
えっ? あっ…。
(楓)自分の横領が
バレそうになったから 殺したの?
(雅子)はい。 そうです。
(楓)
じゃあ 他の人は? 笠原さんは?
(雅子)はい。 そうです。
(楓)じゃあ 他の人は?
笠原さんは?
(雅子)
色々 私のこと調べてた…。
(雅子)今すぐ消して!
今 聞いたこと 全部 忘れて!
志倉 楓からの メールは
開かないで!
あいつ…。
《辞めさせてください》
(楓)
《「私は キオクを消されてる」》
《「会話を録音してある」》
《「それを
社員みんなにメールして」》
(雅子)人の幸せって何か
分かりますか?
2つあるんです。
(楓)はっ?
(雅子)1つは
愛する人に愛されることです。
2つ目は 自分が社会にいる意味を
感じることです。
(雅子)あなたは いいですね。
どっちもあるじゃないですか。
あっ 「あった」が正しいですね。
(楓)はっ?
(雅子)でも 独りでいると…。
(雅子)今すぐ消して!
(雅子)でも 独りでいると…。
(雅子)ねえ 聞かないで…。
聞かないで。
(雅子)何もないんですよね。
(雅子)聞かないで! お願い。
お願い。 音 止めて!
音 止めて。
邪魔しないで! お願い!
(雅子)でも 仕事とかすると…。
(雅子)聞かないで 聞かないで!
ねえ やめて!
音を止めて!
私は 静かに暮らしたいだけ!
ねえ! 私の邪魔しないで!
(雅子)
安心して。 あなたは殺さない。
(雅子)《屋上から飛び降りて
死になさい》
《喉を切って死になさい》
《塗料を飲んで死になさい》
《首をつって死になさい》
(雅子)これ以上
同じ部で 自殺者が出たら…。
(社員)何するんですか! あなた。
(雅子)放して! 放して!
(社員)総務の館本さん?
(雅子)
館本 雅子のことは 忘れなさい。
館本 雅子のことは 忘れなさい。
(社員)何なんですか? いったい。
だいたい…
あなた どちらさまですか?
私は 誰?
私は…。
教えて! 私 誰?
(社員)やめろよ。 誰だ? あんた。
(雅子)私 誰?
♬~
私は 誰~!?
ドラゴン フェニックス
ミノタウロス クランプス。
古代より 人は
実在しない様々なものを 空想し
恐れてきました。
しょせんは空想。
しかし 人間の想像力は
時として それを
現実化させてしまうパワーを
持っています。
(城島)
こういう体勢を取る相談者は
対人関係に 何か 悩みや不安を
抱えている場合があるので
防衛機制の軽減に配慮した
位置関係を取りましょう。
つまり 90度を取ってあげる
ということですね。
今日は ここまでにしましょう。
(一同)ありがとうございました。
(和泉)佳織 片付け お願い。
(和泉)
今日 私たち 合コン入ってて。
(佳織)あっ でも 私も 今日は…。
(佳織)分かった。 やっておくね。
(和泉)ありがとう。 やっぱ
持つべきものは 友達だね。
じゃあね。
(女性)ありがとう。
(和泉)早希 バイバイ。
≪早希。
(早希)えっ? 誰?
(ユキ)エヘヘ。
えっ?
(ユキ)久しぶり。
えっ 何?
(ユキ)もう 冷たいな 早希。
えっ?
(ユキ)エヘヘ…。
ユキちゃん?
(ユキ)正解。
(早希)[一人っ子の私は
いつも独りぼっちだった]
(ユキ)《早希》
(ユキ)《一緒に遊ぼう》
(ユキ・早希の笑い声)
(ユキ・早希)《「ものは 心で見る
肝心なことは 目では見えない」》
[そんな私の 唯一の友達が
ユキちゃんだった]
(ユキ・早希)《「と 王子さまは」》
(友里恵)《早希 もう帰るわよ》
(早希)《は~い》
《また あしたも
一緒に 公園 来ようね》
《1人で 何 言ってんの?
急いで》
[ユキちゃんは
私にしか見えない]
(早希)《バイバイ》
(ユキ)《またね》
(早希)《またね》
[母は
私が幼いころに 父と離婚]
[それから
毎晩 遅くまで働いていて
私に構っている余裕はなかった]
(早希)
《お母さん おなか すいたよ》
(友里恵)《ちょっと休ませて。
何か そこら辺にあるでしょう》
(早希)《ないよ》
(ユキ)《早希》
(早希)《んっ?》
《ユキちゃん》
[ユキちゃんは
いつも 私を助けてくれて]
《ありがとう》
《おいしいね》
(ユキ)《うん》
[独りぼっちの さみしさを
忘れさせてくれた]
(佳織)
《早希ちゃん 一緒に遊ぼう》
《佳織ちゃん》
[いつから ユキちゃんの姿が
見えなくなったのかは
よく覚えていない]
(早希)《じゃあ 玉入れしよう》
(城島)近年の研究では…。
[後で知ったことだけど
小さい子供が
空想の友達と遊ぶのは
発達の過程で
よくあることらしい]
(城島)空想の友達 いわゆる
イマジナリーフレンドは
一人っ子や 長男 長女に
多く見られ
同年代が多いんですが
中には 人ではない
イマジナリーフレンドを 持つ
ケースもあります。
(ユキ)まさに 早希のことだね。
(早希)うん。
(ユキ)エヘヘ…。
えっ 嘘!
(城島)原田さん どうしたの?
いえ… あっ ちょっと…。
(女性)早希 怖いんだけど。
(城島)
イマジナリーフレンド。 この…。
(早希)城島先生。
(城島)んっ?
(早希)あの… 大人になっても
イマジナリーフレンドが
現れることって
あるんでしょうか?
(城島)
うん。 そういう事例もあるわね。
ストレスへの防衛反応だと
いわれてる。
それって 治療が必要なんですか?
(城島)
見える空想の友達によるかな。
いい友達なら 問題ないけど。
そうじゃないことも
あるんですか?
攻撃的な
イマジナリーフレンドも いて
傷つけてくることも あるらしい。
(ユキ)早希。
エヘヘ…。
(城島)どうかしたの?
あっ… いえ…。
ありがとうございました。
(城島)また 聞いて。
(早希)はい。
(ユキ)話 終わった?
えっ 何で
今ごろ こんなものが見えるの?
かえって ストレスなんだけど。
(ユキ)
あっ 向こうから いい匂いがする。
ちょっと待って。
私 ソイラテって
お願いしたんだけど。
(佳織)えっ そうだった?
ごめん。 買い直してくる。
もう お昼 終わっちゃうじゃない。
早くしてよね。
(佳織)うん。
あっ 早希。 一緒に ランチ どう?
(早希)うん。
そこ 空いてるから 座って。
(ユキ)
ねえ。 何で 何も言わないの?
ねえ。
(早希)静かに。
えっ? 何?
(ユキ)この 意地悪女!
いや 何でも。
(ユキ)この この…! シュッシュッ…。
ハァ~。
(ユキ)ハァ~。
何て 私は 駄目な女なんだ。
友達も 助けられないなんて。
勝手に
人の心の中を アフレコしないで。
第一
佳織は 友達なんかじゃないよ。
幼なじみなだけ。
(ユキ)幼なじみで
大学まで一緒なら 友達でしょ?
そんなに単純じゃないの
大人の世界は。
(ユキ)ふ~ん。
それにしても あの女。
大人でも あんな意地悪なやつ
いるんだね。
あんな女
ぎったぎったの細切れにして
東京湾に沈めてやる。
その見た目で
怖いこと言わないでよ。
何か ユキちゃん
キャラクター 変わったね。
(ユキ)早希は変わらないね。
昔から
寂しがり屋で 1人が怖くて。
ユキがいないと
泣いてばかりいた。
そうかもね。
≪(チャイム)
≪(ノック)
ハァ~。
≪(ノック)
(友里恵)早希。
ねえ お母さん
また お酒 飲んでるの?
それよか
ちょちょちょっ ちょっと聞いて。
(早希)んっ?
(友里恵)近頃
不思議なことが起こっててさ。
なぜか
お金が どんどん 消えんのよ。
だから
少し お金 貸してくんない?
お酒に使ってるだけでしょ。
ねえ お願い。 あんた バイトで
結構 ためてんでしょ?
んっ。
(早希)えっ…。
あっ。
(友里恵)やっぱり あるじゃない。
借りるね。
(ドアの開閉音)
ハァ~。
(ユキ)そんなに落ち込まなくても
いいんじゃない?
(早希)ほっといて。
(ユキ)ほっとけないっていうか
だから ユキがいるっていうか。
まあ こんな日もあるよ。
元気 出して。
ありがと。
(ユキ)エヘヘ…。
(竹内)君 何学部?
(竹内)ねえ。 もしも~し。
飯でも行こうよ。
(竹内)ちょっと 無視しないでよ。
ちょっと やめてください。
(竹内)痛え。
(早希)あっ ごめんなさい。
暴力でしょ これ。 ねえ。
(二見)
ちょちょっ ちょちょっ…。
彼女 俺の連れなんで
やめてもらえますか。
何だ お前。
(二見)警察 呼びましょうか。
チッ。
ありがとうございます。
(二見)ケガはない?
(早希)はい。
(二見)よかった。
♬(早希の鼻歌)
(ユキ)何か いいこと あった?
まあね。
(ユキ)どうしたの?
困ってるところを
同じ学部の男の子に
助けてもらってね。
今度 一緒に勉強しない? って
誘われちゃった。
(ユキ)ふ~ん。
(早希)「ふ~ん」って ノリ悪いな。
(ユキ)
ちょっと優しくされたからって
浮かれちゃって。
あれ? もしかして ユキちゃん
やきもち焼いてる?
(ユキ)違うよ。
(早希)そうでしょ。
だって
私が離れたら ユキちゃんは…。
(ユキ)違うって。
(早希)ない。 ない。
(早希)ねえ
家の鍵がないんだけど 知らない?
ねえってば。
(ユキ)知らない。
(早希)もう 遅刻しちゃうよ。
♬~
♬~
(早希)依存性パーソナリティ障害
というのは
他者に対して 過度に頼ったり
すがったりする 障害だから…。
ところでさ 原田さん
臨床心理士 目指してるんでしょ?
(早希)
うん。 でも 私 向いてないかも。
どうして?
人と話すの 得意じゃないし。
(二見)そうなんだ。
(早希)うん。
こうやって ちょっと話すだけで
何か 緊張しちゃうし。
そっか。
(早希)うん。
原田さん
この後 ちょっと 時間ある?
(二見)どう? まだ緊張してる?
(早希)ううん。
それより おいしくって。
(二見)そっか。 よかった。
(男性)
お誕生日 おめでとうございます。
(早希)えっ?
どうして 誕生日だって…。
(二見)実は
原田さんのこと 知りたくて
周りの子に聞いたんだ。
は~。
原田さん
俺と 付き合ってくれないかな?
えっ?
もちろん 返事は
今すぐじゃなくて いいから。
何? 俺。
今 めちゃ 緊張してる?
カッコ悪い。
(早希)ただいま。
ユキちゃん?
(ユキ)どこ行ってたの?
ちょっと…。
(ユキ)今日 誕生日
一緒に お祝いしようって
約束してたよね。
ごめん 遅くなって。
(ユキ)こないだ言ってた人と
会ってたの?
いけない?
(ユキ)やめなよ そんな男。
何でよ?
(ユキ)とにかく 駄目なの!
(早希)
何? 勝手なこと言わないで。
大人には大人の付き合いが…。
(ユキ)ユキがいないと
何も できないくせに。
昔とは違う。
ユキちゃんこそ 私が いないと
存在できないくせに。
≪(物音)
私が必要と思わなければ
ユキちゃんは消えるんでしょ?
だから 私を離さないように
そんなに必死なんでしょ?
(物音)
何なの? ユキちゃんは
私が幸せになることが 嫌なの?
(ユキ)違う!
ユキは早希のことを考えて…。
(早希)わっ!
もう やめて。
ユキちゃんなんか 友達じゃない。
もう いなくなって!
(物音)
ユキちゃん?
うわ!
早希 どうしたの?
いや ちょっと…。
♬~
(城島)《攻撃的な
イマジナリーフレンドも いて
傷つけてくることも あるらしい》
ハァ~。
どうしたの?
悩みがあるなら 聞くよ。
実はね
最近 私の周りで
おかしなことが起きてて
鉢植えが落ちてきて
ケガしそうになったり
かばんの中に
人形の首が入ってたり…。
(二見)何か 心当たりはあるの?
(早希)二見君
イマジナリーフレンドって
知ってるよね。
(二見)うん。
大人でも見える人が
いるらしくて
私にも いるの。
(二見)えっ? 君に?
ごめん。 引くよね こんな話。
忘れて。
いや むしろ 興味があるよ。
どんな姿で見えてるの?
見た目は ウサギの縫いぐるみで
これくらいの大きさで
名前は ユキっていって。
そのウサギが 君に危害を?
このままだと 二見君にも
何か 悪いことが起こりそうで
心配で。
俺は 大丈夫だよ。
早希ちゃん 心配しなくて いいよ。
早希ちゃんのことは
必ず 俺が守る。
約束するよ。
二見君。
♬~
(佳織)早希。
佳織。
≪(チャイム)
ごめんね 突然。
あのさ 早希ちゃん。
そろそろ
返事 聞かせてもらっても いい?
俺と付き合う話。
(早希)うん。
早希ちゃんのことは
必ず 俺が守るから。
全部 二見君の仕業だったの?
えっ?
聞いたんだ。
《しつこく付きまとわれて
困ってるところを
二見に助けられなかった?》
《その後 早希の身の回りで
おかしなことが起きてない?》
《どうして そのことを?》
(佳織)《それが
二見の手口なんだって》
《知り合いから聞いたの》
《あの男 狙った女の子を
精神的に追い込んで
自分が助けるふりして
服従させるんだって》
《いや
二見君は そんな人じゃ…》
(佳織)《これ 見て》
(早希)この人
私に 付きまとってきた人だよね?
全部 俺が仕組んでたって?
そんなこと
するわけないじゃないか。
ごめん。 今日は帰って。
(早希)うっ!
惜しかったなあ。
あと少しで 新しい おもちゃが
手に入りそうだったのに。
おとなしくしてれば
ケガはさせないよ。
♬~
やだ… やだ…。
ユキちゃん 助けて。
ハハ…。 ユキちゃん?
そんなもん いるわけねえだろ。
気持ち悪い。
(ユキ)早希!
えっ ユキちゃん?
(警察官)え~ では
被害届については 後日 また。
(友里恵)お世話さまでした。
(警察官)失礼します。
あ~ 派手に やってくれたわね。
ごめん。
何で 早希が謝るの。
そうだね。
(友里恵)片付けよっか。
(早希)うん。
[ユキちゃんは 初めから
二見君のこと 怪しいと
感じていたのかもしれない]
[それなのに 私は]
(早希)私とユキちゃんと…。
誰? この子。
(友里恵)何?
友希…。
(早希)えっ?
どういうこと?
どういうこと?
この子は…
友希は 早希のお姉ちゃんよ。
あなたには
ホントは お姉ちゃんが いたの。
どうして 今まで隠してたの?
友希は… 私が殺したの。
4歳のとき
友希が 夜に熱を出して。
私は
仕事で くたくたに疲れてて
あした 病院に行けば いいやって
眠ってしまった。
そしたら 友希は
朝には もう 冷たくなってた。
(友里恵)友希は この
縫いぐるみが 大好きだった。
いつも一緒だった。
(友希)《早希》
《友希だよ。 一緒に遊ぼう》
(友里恵)どうしたの?
(早希)ユキちゃん。
ユキちゃん どこ?
ユキちゃん!
(早希)いるなら出てきて。
ユキちゃん!
《あなた 誰?》
(ユキ)
《ユキだよ。 一緒に遊ぼう》
(ユキ・早希の笑い声)
(ユキ)早希。
ユキちゃん。
お姉ちゃんなの?
ユキちゃん どうなるの?
(ユキ)早希とは
もう 一緒に いられない。
(早希)どうして?
(ユキ)早希の言うとおり
早希の心が 必要じゃなければ
ユキは存在できないの。
私には ユキちゃんが必要だよ。
だから いかないで。
(ユキ)もう 早希には
友達がいるじゃない。
自分が 今 やるべきこと
分かってるよね?
分かんないよ。
そばにいてよ。
(ユキ)早希
「本当に大切なものは
目に見えないんだよ」
『星の王子さま』?
(ユキ)そう。
私たちが 一番 好きな絵本の
一番 好きな言葉。
(ユキ)早希
見えなくったって
ずっと そばにいるよ。
今までも これからも。
(早希)ユキちゃん?
いかないで!
ユキちゃん。
お姉ちゃん。
(泣き声)
(友里恵)早希!
見て。 バッグから 急に
なくなってた お金が…。
お母さんが
お酒 飲み過ぎだから
心配して
誰かが 隠してたんじゃないの?
誰が そんなことを…。
私たちのことを
世界で 一番 心配してる人でしょ。
(和泉)佳織 お願い。
今日の資料
全員分 コピーしてきて。
(佳織)うん。
(ユキ)《自分が 今 やるべきこと
分かってるよね?》
(和泉)
重いでしょ? 今日 超重いの。
何?
あのさ
たまには 自分で やったら?
はっ?
あんまり なめ過ぎると
ぎったぎたに細切れにして
東京湾に沈めるよ。
何よ 急に。
いいわ。 行こう。
早希 どうしたの? 大丈夫?
大丈夫じゃないかもね。
でも いいや。 佳織も いるし。
(佳織)うん。
(早希)フッ。
(早希)やっぱり?
≪(ユキ)早希。
またね お姉ちゃん。
(佳織)早希?
(佳織)どうしたの?
(早希)ううん。
いかがでしたか?
イマジナリーフレンドは
実は あなたにも。
最近は
便利な世の中になったものです。
アップデートすれば どんな不具合も
解決できるようになりました。
(警告音)
やれやれ。
思いもよらないアップデートも
あるので
ご注意ください。
(女性)掃除をしたり
家庭的な作業をすると
ハッピーなことがあるかも。
今日は 遊びも そこそこ。
(睦夫の せき)
(女性)ラッキーアイテムは
インポート雑貨。
そして O型のあなた。
大自然の中に身を置いて…。
(睦夫)
んっ? おい お父さんの…。
まだ 掛かって…。
(睦夫)なっ…。
おい。
ほとんど残ってんじゃないか。
おい。 「いってきます」は?
(祖母)待って なっちゃん。
(祖母)はい お小遣い。
(夏海)えっ?
(祖母)今日
お友達とカラオケ行くんでしょ?
(夏海)うん。
えっ ありがとう おばあちゃん。
(祖母)いってらっしゃ~い。
(夏海)いってきま~す。
(睦夫)なあ。
もうちょっと気の利いた 朝飯
ないのかよ。
(洋子)だったら
もっと稼いできなさいよ!
痛っ!
おい コロン。 お前も食うか?
ったく。
(夏海)ただいま~。
お母さん?
(睦夫)遅かったじゃないか
お前に 大事な話があるのに。
大事な話?
(睦夫)ああ。
実は 今日をもって わが黒崎家は
アップデートすることにした。
はっ? アップデート?
わが家は 深刻な財政難だ。
子供3人に
じいちゃん ばあちゃんも いて
お前は 来年 受験。
家のローンも残ってる。
それでいて
私の給料は ちっとも上がらん。
知らんわ。
(睦夫)そこで
家族をアップデートして
効率化を図ることにしたんだ。
この
ファミリーアップデーターでな。
何? この機械。
アップデート バージョン1.02が
完了しました。
えっ?
≪(女性)あなた~。
ご飯 できたわよ。
(睦夫)ああ。 今 行く。
(夏海)誰よ!? この人たち。
(睦夫)アップデートの結果
効率化のため
母さんは 5人になった。
いや
増えたら むしろ 効率 悪いだろ。
いや それぞれが
得意分野を受け持つことで
効率は上がる。 おまけに
私の労働意欲も 格段に上がる。
(ロシア人の母)
よろしくお願いします。
(チアガールの母)よろしく。
(母たち)よろしくお願いします。
完全に お前の趣味じゃね~か。
(祖母)洋子さん
急に 料理が上手になったね。
(祖父)人数も増えたしのう。
フフフ…。
(夏海)え~
何で すんなり受け入れてんの?
ていうか 兄貴とカズ君は?
2人も 何かと大変なんで
一緒にしました。
何なの? こいつ。
兄でありながら弟でもある存在
名付けて 「アニョート」だ。
仲良くしてやれ。
仲良くできない!
2人の要素はあるけど
兄貴が強過ぎる!
(睦夫)何か 結果的にそうなった。
あっ ちなみに お前のことは
姉であり妹でもあるから
「アネーモ」と呼ぶ。
(夏海)はっ?
(アニョート)ねえねえ アネーモ。
アネーモ。
(夏海)寄るな 寄るな…。
コロン?
コロンには
まさか 何もしてないよね?
安心しろ。
犬も 家族の一員だから
ちゃんとアップデートした。
(夏海)したのかよ。
(睦夫)コロンは
散歩が めんどいし 餌代が掛かる。
あと 散歩が めんどい。
(夏海)
そんなに 散歩が面倒だったのか?
そこで コロンは
映像にしました。
えっ?
コロンが…。
(睦夫)終わったら
巻き戻して
再生ボタン 押しといてくれ。
何で 今どき ビデオなんだよ。
私 これ 初めて触んだけど。
えっ あれ?
これ ちゃんとできてんの?
えっ!?
これ 間違って
大事なビデオに上書きして…。
くっそ~。 嘘でしょ
コロンなんかで。 爪 折っとけば…。
コロンの方が大事だろうが。
(睦夫)コロンは 散歩が めんどい。
どんだけ
散歩が面倒だったんだよ!
(電子音)
新しいアップデートがあります。
おっ 新しいアップデートだ。
今度は誰かな?
えっ まさか…。 えっ?
おばあちゃん? ねえ
おばあちゃんだけは やめて!
アップデート バージョン1.03が
完了しました。
おばあちゃん。
えっ? おばあちゃん。
おばあちゃん!
「G」と「B」って
まさか
おじいちゃんと おばあちゃん?
おっ。 こんなにコンパクトに
インテリアの一部になってる。
(夏海)おばあちゃん。
おばあちゃん。
(Bちゃん)ウィ~ン。
(夏海)えっ?
(Bちゃん)ウィ~ン。 ウィ~ン。
ありがとう…。
ありがとう。
(睦夫)よかったな 夏海。
じいちゃんも ばあちゃんも
意識はある。
ちゃんと生きてる。
無機物なら
老いや病気に苦しむことも
介護で
家族に負担をかけることもない。
もう 人類は 肉体という器に
縛られる必要は ないんだ。
時代は そういうところまで
来てるんだよ!
2人は ブロックに
トランスフォームして
最先端のトランスヒューマニズムの実践者に
なったんだよ!
それに見ろ。 Bの ここの曲線。
どことなく ばあちゃんの面影が。
おふくろ。
≪(女性)あなた。
(睦夫)うん?
(秘書の母)よしよし。
(睦夫)アハハ…。
(チアガールの母)
あなた。 はい あ~ん。
(母たち)あ~ん。
(睦夫)うん。
おいち~!
というわけで え~
今日から 黒崎家は
このメンバーでいく。 うん。
んっ?
黒崎家ってのも もはやダサいな。
こうなったら カッコ良く
アルファベットにしちゃお。
「黒崎」だから そうだな…
「CR」だな。
そうだ。 夏海 今日から お前は
「CR 夏海」だ。 ハハハ…。
(一同の笑い声)
(祖母)《はい お小遣い》
(Bちゃん)
《ウィ~ン。 ウィ~ン》
てめえ!
(睦夫)おっ!
(母たちの悲鳴)
ぶっつぶしてやる!
やめろ 夏海!
あっ!
お前 ばあちゃんに何てこと。
それは こっちの せりふだ!
あったかみのない人間なんて
死んだも同然だ!
取り消せ。 みんなを元に戻せ!
やめろ 夏海!
(夏海)放せ この野郎!
(睦夫)やめろ…。 あっ!
(夏海)お父さん?
お父さん?
(笑い声)
(電子音)
新しいアップデートがあります。
(笑い声)
ただいま~。
(母たち)おかえり~。
(イケメン外国人の父)おかえり。
(夏海)ただいま パパ。
(電子音)
(家政婦の母)なっちゃん
今日の夕飯 何 食べたい?
(夏海)う~ん そうだなあ。
(夏海)[こうして 私たちは
理想の家族の形を手に入れた]
(夏海)
とろとろのオムライスが いいな。
いかがでしたか?
4つの奇妙な物語。
やはり 幸福になるには
その代償を覚悟する必要が
あるようですね。
この ナイフのように。
えっ?
残りの4つの箱も開けてみたい?
そうですか。
♬~
箱の中にあったものは
彼らが 本心から
望んでいたものなのでしょうか?
それとも…。
は~。
奇麗な星空が広がってますね。
無数の星の中から
あなたが地球に生まれる確率は
約500兆分の1ともいわれてます。
そこにいるだけで
まさに 奇跡なのかもしれません。
それでは また
あなたと私が
こうして出会える奇跡を 夢見て。