放射線安全管理の専門家准教授 秋吉 優史が一研究者として考えたコロナウイルスへの工学的対抗策についての考察Last update 2020/10/14
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基礎知識
まず、ウイルスにも色々と種類があり、今回のコロナウイルスは、一本鎖+RNAウイルス
と呼ばれるタイプで、脂質のエンベロープにつつまれているタイプの物です。 コロナウイルスに対しては手指のウイルス不活化であれば、石鹸での手洗いで十分効果を発揮します。 出先では除菌用ウエットティッシュなど、適材適所が肝要かと。 塩素消毒も当然有効です。
https://medical-tribune.co.jp/mtpronews/se1412/se_1412_p2-4.pdf http://www.virusblock.jp/tech/c-004.pdf http://konamih.sakura.ne.jp/blog/2020/03/08/ 新型コロナウイルスは感染の際『ACE2』という受容体と接触する必要があり、 体外に接するところでは口腔や鼻腔、目の結膜に存在するため、 明らかな外傷による皮膚の破損がなければ、手などについても直接感染はしません。 手に付いたウイルスを、口などの粘膜に持っていくことを防ぐのが重要な対策な訳です。 花粉症だと目とかもこすってしまったりしますしね。
https://note.com/sato_agg/n/nf53d50a9a960
田口文広, 松山州徳, ウイルス, 59 (2009) 215-222. http://jsv.umin.jp/journal/v59-2pdf/virus59-2_215-222.pdf
風邪の予防で手指の消毒の他に重要なのがうがいです。 敵を知れば、自ずと対策も見えてきます。 これらの対策を行っても、絶対に感染しないという事は保証出来ませんが、 一人一人が可能な限り感染のリスクを減らしていくことが重要です。 時間をかせげれば、治療法が開発されるでしょう。 とにかくそれまで持ちこたえましょう。
http://www.kansensho.or.jp/uploads/files/topics/2019ncov/covid19_casereport_200302_02.pdf
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石けんによる手洗いの有効性
https://mainichi.jp/articles/20200303/k00/00m/040/325000c の中で、「せっけんを使うのは、泡立てて菌やウイルスを物理的に浮かせて洗い流すためです。」 とありますが、コロナウイルスはエンベロープウイルスであり、 石けんで脂質の膜を変性させることで不活化できる、と言う考えは間違っているかを、 記事中でコメントをしていた東邦大学 看護学部感染制御学研究室 小林寅喆(吉が二つ)教授に 確認してみました。返答は 「紙面の文字数に限りがあることから作用機序の詳細については記者と相談して割愛しました」 とのことで、逆に石けん手洗いが定量的にどの程度効果的かのエビデンスを聞かれたため、 調べてみました。
富田 勉、菊池 賢、感染症誌、92 (2018) 670-677. http://journal.kansensho.or.jp/Disp?pdf=0920050670.pdf Table 5 には、インフルエンザウイルスとノロウイルスの比較があります。 若干インフルエンザウイルスの方が不活化の効果が高い、と言う程度ですが・・・
森功次 他、感染症誌、80 (2006) 496-500. http://journal.kansensho.or.jp/Disp?pdf=0800050496.pdf と言う論文は、
https://medical.jiji.com/topics/1545
https://weathernews.jp/s/topics/201901/210135/ でエビデンスとして挙げられています。 (上のサイトの引用は論文名が違っていますが・・・)
なのですが、これはノロウイルス(の代換のウイルス)に対する物で、
エンベロープの変質とは関係無く効果があるようです。
(2020/05/11 追加)
ドアノブ等の室内消毒には、エタノールと並んで台所用合成洗剤も 効果的に使えることが実験的に確認された http://idsc.nih.go.jp/disease/sars/sars03w/index.html
手洗や洗濯用の洗剤等によるコロナウイルス不活化効果に関する実験的評価結果 医薬部外品および雑貨の新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)不活化効果について
新型コロナウイルスに対する消毒方法の有効性評価について、第2回検討委員会を開催しました https://www.nite.go.jp/information/osirase20200501.html
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紫外線
紫外線は可視光線よりも波長の短い(=エネルギーの高い)光の一種で、
波長の長いものから順に UV-A, UV-B, UV-C とランク分けされています。
https://www.dermatol.or.jp/qa/qa2/q03.html 紫外線による殺菌効果のピークは 260nm 程度で、 310nm 程度になるとほとんど効果が無くなります。 それに対してネイルなどで使われる UVレジンを固めるための UV-LED は 375nm 単波長、 蛍光管タイプでも 315-400nm 程度で、ウイルスの不活化には使えません。 太陽光も地表では 300nm 位でほとんど強度がなくなっています(UV-A の波長域の強度に対して UV-B の波長域の強度は、5%程度です)。 最も効果の高い 260nm 前後の UV-C が出せる滅菌灯(低圧水銀ランプ)や、UV-C LED が、 アマゾン、モノタロウなどで安価に購入可能ですが、くれぐれも取扱いに注意して下さい。 LED 式のハンディの物が売られていますが、私は怖くて使う気にはなりません。 最低でもサングラスは必須です。(後述するように、この手の商品はほとんど効果が無いことが確認されています)
(DNAの吸収特性、殺菌作用の分光特性、各種の微生物を死滅させるために必要な紫外線照射量など非常に参考になります) https://www.iwasaki.co.jp/optics/chishiki/uv/02.html
http://trick-poster.com/?mode=f16
http://denkou.cdx.jp/Opt/PVC01/PVCF1_4.html
https://www.tokushima-u.ac.jp/docs/2018121200023/ によると、UV-A でもウイルスに対しては限定的ながら効果があり、 UV-Bは100倍の効果、 UV-C はさらにその5倍というデータが出ています。
高橋先生のインフルエンザウイルスに対する紫外線影響のデータから、 太陽光線によるウイルスの不活化にどれぐらい時間がかかるか計算してみました。
まず UV-A について検討します。UV-A では 1/100 に減らすのに 50J/cm2が必要です。 こちらのデータによると、周囲に遮蔽物の無い海岸の高さ1.5m位置での、紫外線強度が一番強い場合でおおよそ 2.5mW/cm2 ですので、理想的な場合で2万秒ほど必要です。 住宅地では最大で 8月 1.5mW/cm2、12月 0.7mW/cm2 ですから、 ざっくりと5万秒、一日が86,400秒で、上の紫外線強度は正午の値ですから、 一般的には2日以上必要、と言う事になります。
資生堂のサイトの情報によると、一日あたり、と言う値で紫外線量が出ています。日照時間内の時間変動を足し合わせてあるわけです。
次に、UV-B も考慮に入れます。上でも使用した 資生堂のサイトの情報 によると、7-8月では、25kJ/m2/day となっています。 徳島大学のデータを解析すると、UV-B では 1/100 に減らすのに、0.45J/cm2 が必要です。25kJ/m2/day = 2.5J/cm2/day ですから、0.45/2.5 = 0.18day 必要です。 残念ながらピーク時の時間あたりの紫外線量のデータが無いため、 上で使用した UV-A のデータと比例するとして、 UV-A の場合で 0.18day は何時間ぐらいに相当するかを計算してみます。 800kJ/m2/day x 0.18day = 144kJ/m2で、 ピーク時は 2.5mW/cm2 = 90kJ/m2/h ですから、 144/90 = 1.6h 程度で、1/100 まで落とせることになります。 季節による変動はと言うと、UV-A は冬場でもピーク時の半分弱程度の強度ですが(800kJ/m2/day → 300kJ/m2/day)、UV-B は大気によって吸収されやすいため 25kJ/m2/day → 5kJ/m2/day と1/5 になってしまいます。このため上記の時間も5倍かかることになり、 0.9dayと、ほぼ丸一日必要、と言う事になります。
なお、細菌の滅菌やウイルスの不活化などは、全て対数的に変化します。 ピーク時 1/100 に減らすのに必要な 1.6h の半分の 0.8h では 1/50 に減るかと言うとそうでは無く、1/10 になります。 逆に 3.2h では 1/10000 になるわけです。 半分に減らす時間は、1/10 に減らす時間に -log10(1/2) = 0.3 をかけて、 0.24h = 14.4min となります。このあたりは、放射能の半減期などの考え方にとても良く似ています。
ただし、室内でガラス越しでは、ほとんど紫外線、特に UV-B が透過しませんので、 紫外線による不活化は期待できません。 また、コロナウイルスはインフルエンザウイルスと同じ一本鎖RNAですが、 修復酵素を持っているそうなので、もう少し紫外線耐性が高い可能性があります。 そもそも、物体の上でウイルスが感染力を保つ期間は数日程度と言われており、 例え海外の感染国から送られてきた物であっても、 数日かけて輸送されてきた物であれば、問題は無いと考えられます。
https://www.asahi.com/articles/ASN496K3XN47PLBJ007.html?ref=mixi
UV-C を用いた殺菌灯の場合
一方で、広く殺菌に用いられている UV-C の殺菌灯ではどれぐらい時間がかかるかも計算してみました。
パナソニックの殺菌灯のサイトによると、
8Wの殺菌灯の紫外線出力は 2.5W だそうです。
私の手元の製品は長さ 30cm の直線状なので、15cm 離れた円筒を考えると
面積は 2826cm2 となります。
若干軸方向にも広がりますが反射などもあるので無視します。 (2020/04/29) さらに、岩崎電気などのデータによると、6.6 mJ/cm2 で 99.9% = 1/1000 まで不活化、 ですから、8.8mJ/cm2 で上と同じ 1/10000 まで減らせます。 1/10 以下の量ですので、10秒程度で不活化できる計算となります。 他のデータも合わせて下の表で比較してみました。 低減率の 10-3 というのは, 1/1000 に減らす、99.9% 滅菌・不活化させる、と言う意味で、 Wintec のデータでは明示されていませんが、おそらく10-3 だと思います。 高橋先生の論文のデータは上の文章で 10-4 での値 0.1 J/cm2 を出していましたが、比較しやすくするために 10-3 での値 75mJ/cm2 としています。 また、スタンレー電気では、ある条件での照射時間で整理されていますが、 インフルエンザや大腸菌の値を見る限り、大体そのまま mJ/cm2 だとして 読んでしまって良いようです。 このサイトのみ、ヒトコロナウイルスの値が出ており、 インフルエンザウイルスの 3.6倍不活化されやすい、と言う非常に興味深い結果が示されています。 (2020/07/04) 高橋先生の論文では、UV-C の光源として、日亜化学の 280nm の LED を使用していました。 他のデータは一般的な 254nmの殺菌灯を用いているため、これにより大きな違いが生じていると考えられます。 他にも条件が異なる可能性がありますが、以後岩崎電気などのデータをリファレンスとして、 やや安全側に倒して 10mJ/cm2 で 1/10000 と言うのを 殺菌灯によるコロナウイルス不活化の一つの指標としていきます。
(2020/04/29) 放射線教育分野
でお世話になっている、教材会社のケニス様
からお借りした紫外線強度計
( SDカード式紫外線強度計 YK-37UVSD )を用いて、
紫外線強度を実測してみました。
パナソニック GL8 及び NEC GL6 滅菌灯から出力されたの紫外線強度の距離依存性
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjps1957/39/5/39_5_939/_article/-char/ja/
https://www.as-1.co.jp/academy/11/11-2.html
http://www.info-niigata.or.jp/~wintec/uv_.sterilization.htm 【注意】UV-C を直接人体に当てないで下さい!目に入ると非常に危険です。散乱線でもかなりの痛みを伴います。 皮膚にあてても紅斑が出来たりしますし最悪皮膚癌になります。 また、プラスチックなどは長時間の照射でボロボロになりますし、 衣類、家具などの色素や繊維も劣化します。 185nm の波長も出せる合成石英管を使用した UV-C 殺菌灯ではオゾンも発生するので、 使用後はしばらく換気を行う必要があります。 (溶融石英を使用した一般的な殺菌灯は220nm以下はカットされ、オゾンは発生しません。 オゾンが出るランプでも、ラップを二巻きほどすると185nmの成分はカットされ、オゾンは発生しなくなります) ほとんど、放射線の取扱いと同じだと思って下さい。 マスクの殺菌や広い面積の浄化の際など使用法は限定的かと思います。 (2020/05/19) ウシオ電機の 222nm 紫外線 Care222 について5/18 に放送された、TBS の「あさちゃん!」および「Nスタ(関西では放映されていないので内容未確認)」でコメントを取り上げて頂いた 222nm の「遠紫外線C波」ですが、以下の様に日本のウシオ電機の製品、技術です。神戸大学でも共同研究を行っています。コロンビア大とは独占ライセンス契約や、研究委託契約を行っているようですが、あくまでも「日本発の技術」です。 https://clean.ushio.com/ja/care222/ https://kyodonewsprwire.jp/release/202003037628 https://www.kobe-u.ac.jp/research_at_kobe/NEWS/collaborations/2020_03_30_01.html https://www.afpbb.com/articles/-/3283035
人体に安全でかつウイルスを不活化出来る、というのは以下の様な仕組みによる物です。
(直接ウシオ電機の担当者に確認致しました)
220nm付近でDNAへの吸収が大きくなっており、260nm の殺菌灯の 7割程度の効率になっています。殺菌作用は小さくなっていますが、ウイルスよりも大きい菌(直径1μm程度)の細胞質の中のDNAまで到達する量が少なくなる、と言う事かと思います。 https://www.iwasaki.co.jp/optics/chishiki/uv/02.html
なお、 Care222 の紹介サイトでは、「当ユニットは現在(2020年6月時点)開発中のため、販売は行っておりません。」とのことで、「日本国内向けには、当初の販売開始時期(2021年初頭を予定)を前倒しし、2020年9月からの販売開始を予定しております。 なお、販売については代理店を通して行うことを予定しており、取り扱い代理店については2020年7月頃に弊社Webサイト上でお知らせいたします(個人のお客様への販売については未定となっております)。」ということで、普及についてはまだもう少しだけ先という事になるようです。
ちなみにもっと波長が短くなり、200nm 以下になると、 酸素分子、窒素分子に吸収されてしまい、大気中では使えなくなります。 電子回路のパターンの焼き付けなどには、真空中でこの波長の短い紫外線を使用しており、 「真空紫外光」などと呼ばれています。 http://www.oceanphotonics.com/application/tec_vuv.html
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マスクのウイルス不活化 BOX マスクリーンただ単に UV-C 殺菌灯を仕込んだ箱です。殺菌灯によるマスクの不活化について検討するための、研究開発品です。 現在は提供を行っておりません。
2020/05/18 の NHK 「ニュースシブ5時」、
医療現場用の GL8 を使用したマスクリーン4 は、わずか20秒で4枚の処理が可能ですから、 感染の可能性がある度に頻繁に処理することで、感染率を下げられるのではないかと期待します。 世間ではかなりサージカルマスクの供給は余裕が出てきているようですが、これならば、医療現場においてマスクの使用数を抑える以上の効果が期待できます。 6W の殺菌灯 GL6 (器具はJP-T5-UV) を使用したマスクリーンS は、一度に一枚の処理ですが、 ランプとマスクの距離が近く、わずか5秒で1/10000まで不活化が可能な計算となっています。 こちらは個人向けですが、医療機関でも個人個人が頻繁に不活化したい場合などにニーズがあるのではないかと思います。
マスクに対する紫外線の透過率を求めてみました。
その結果、サージカルマスクを平面状にたたんだ形でも 7.3%、
プリーツを開いて重なりを無くすと 12.7% が裏面まで透過する、
と言う結果が得られました。 他にも様々な物の透過率を求めてみました。 かなりアバウトな実験ですが、同じ透明に見えるプラスチックでも、 マスクリーン4で容器として使用しているコンテナの材料、 ポリプロピレンは比較的透過率が高く、遮蔽をしないと危険な UV-C が漏洩してしまう、 と言う事が分かりました。 このため、青白い光が直接見えている場合、アルミテープなどで補修が必要です。 アルミシートを通してうっすら光が見えるのは問題有りません。 表面で実測しましたが、検出限界以下でした。
(2020/05/11 追記)
距離の逆二乗に比例して強度が下がり、
遮蔽によっても弱まる、後は時間が短ければ照射量は少ない・・・
そこで、放射線計測で用いられるラジオクロミック線量計 (薄い小さなフィルムの着色で線量を評価する)を用いて、 マスク表面での紫外線線量計測を行ってみました。 予備実験での距離依存性の評価から、線量計として評価される照射量 I (kGy) と、 紫外線の照射量 D (mJ/cm2) には相関があり、D = 1.4 I と言う簡単な式で表せます。 理論的にも、吸収線量とは、単位質量あたりの吸収エネルギーであるという基本に立ち帰り、 表面からの深さ14μmまで範囲で均等に全エネルギーが吸収されるとすると上記の式が説明できます。 (フィルムの厚さ45μm以下で全紫外線が吸収されていることが確認されています)
放射線の吸収線量として評価された値を、照射時間と換算式から、
紫外線強度として分布を示してみます。単位は mW/cm2 です。
概ね、上での測定と良い一致を示しており、 枕を設置して傾けることで全体的なムラを少なくすることが出来る事が分かります。 また、照射面の裏面にも半分から1/4程度の量が透過/反射して、 あたっているいることが分かります。 100% 絶対という事は出来ませんが、概ね全体的に不活化できていると言えます。 もちろん、より高い安全性を求める場合は、 指定の時間よりも適宜照射時間を延ばして照射量を上げて下さい。
マスクリーン4に枕を設置して、その上に置いたマスク表面での紫外線強度評価結果
紫外線によるマスクの劣化ですが、日経メディカルの記事 によると、
サージカルマスクの場合は、20分間と言うかなり極端な時間の
UV-C 滅菌灯の照射により、
0.3μm以上の粒子の透過率が 3.7% → 6.3% に、
そして空中浮遊ウイルスの透過率が 4% → 6% に悪化したと言う事です。
余り繰り返すとマスクの性能は劣化するようです。
どの程度の照射で性能が劣化していくのかは、今後研究対象としたいと思います。
また、医療用の N95 マスクですが、これは UV-C 照射により
0.3μm以上の粒子の透過率が 0.2% → 1.1% に、
そして空中浮遊ウイルスの透過率が 1% → 8% に悪化したと言う事で、
ウイルスの透過率がサージカルマスクより落ちています。
不活化に必要な短時間の照射でどの程度劣化するかが気になりますが、
データが無いうちはやめておいた方が無難かと思います。
http://www2.pe.osakafu-u.ac.jp/pe9/ SEM によるサージカルマスクの詳細な微構造観察結果と、 フィルター性能のアルコール洗浄や水洗い後の評価を、 本学工学研究科電子物理工学分野の、高橋 和先生が分かりやすくまとめています。 濡らしてしまうと極端に性能が劣化するようです。 洗濯したり、煮沸するのは、避けた方が良いようです。 まあ、サージカルマスクに何を求めるか、と言う話にはなりますが。
https://youtu.be/1curbb_aNds 慶応大学理工学部応用化学科 奥田知明教授が、 蒸気滅菌(80℃30分)とオゾン滅菌による N95/DS2 マスクの処理前後の、 粒子捕集効率をパーティクルカウンターで評価しています。 これらの処理ではほとんど粒子捕集効率が変化しないことが明らかになっています。 (再利用を推奨する物では無く、それを理解している医療従事者向け情報です)
https://www.oist.jp/ja/covid-19/community-projects/uvc-sterilization-units
「N95マスクを効果的に殺菌するために必要なUVC線量を直接測定により確立したところ、N95マスクでは、他の材料表面で以前に報告されたよりも100~1000倍高いことを発見しました。 チームはまた、殺菌後のN95マスクのフィルタリング効率を確認するためのテストも開発しました。喉の後ろにセンサーを備えたCPRダミーを使用し、ダミーが呼吸をシミュレートする時に通過するサブ300 nm粒子数をセンサーがカウントしました。このテストでは、ダミーにN95マスクがある場合とない場合の両方で行い、マスクのフィルタリング効率を決定しました。理想的にはN95マスクは、300 nm未満の粒子の95%をフィルタリングできねばなりません。チームは、適切な線量による複数回のUVC殺菌を行っても、マスクのフィルタリング能力は変わらないことを確認しました。」とのことです。「殺菌するために必要なUVC線量」の測定法、絶対量については記述がありません。
「PearlSurface 24G9は、700mJのパワーで対象物の殺菌を行い、現在問題となっているN95マスク不足の中、N95マスクを3枚同時に紫外線殺菌し、マスクの再利用が可能です。」 「15分でN95マスク3枚同時殺菌可能」とのことですが、やはりマスクに照射する紫外線量については記述がありません。
【注意】 N95 マスクは製品によって全く形状、構造が異なりますウイルスを捕集する高性能フィルターは表面には出ておらず、撥水加工された表面のフィルターの中に入っています。そのため、内部まで透過して不活化するのに必要な紫外線量は製品によって異なります。フィルター繊維の紫外線に対する耐性も調査が不十分です。 安易に N95 マスクを紫外線で再利用するのは控えて下さい。均一に加熱する、マスクのホイル焼きが、不活化には最も適していると思われます。 蒸気滅菌(80℃30分)では捕集効率は下がらないことが確認されています。 今後、高橋先生と協力してオーブンで 100℃ 15分加熱後の捕集効率測定なども実施してみようと思います。
(2020/06/23 追加) https://www.bmbio.com/Portals/0/product/upload/849-95-0615_application.pdf 「FDA報告書によると、N95マスク表面のUVGI処理に必要十分線量は 1J/cm2となっています」* として、UV-C による N95 マスク処理装置が販売されているようです。 表面での不活化に必要な量の 100倍ですから、透過率によっては妥当な数字と言えるかも知れません。
* Heimbuch, B. & Harnish, D. Research to mitigate a shortage of respiratory protection devices during public health
emergencies. (2019). 上記の FDA 報告、の原典です。275ページもある膨大なデータの報告書になっています。 さすがにまだ全然読めていません。誰か読んで内容を取りまとめて教えて下さい・・・・
http://j.people.com.cn/n3/2020/0203/c95952-9653703.html
マスクの再利用について、問題点を提唱している情報もあります。
ソースが中国ですので、何らかの意図が入っている可能性もありますが、
(紫外線照射についてもこちらの記事はどの程度の時間照射したかの情報もありません)
完璧に復活させられる訳では無い、と言う点は覚えておいても良いでしょう。
N95 はそう簡単に再処理できない、と言う点は一致しています。
いかに限られた資材でリスクを下げるか、を考える必要があります。
一方で過酸化水素蒸気を用いた再利用システムがアメリカでは開発されているようです。
https://news.biglobe.ne.jp/trend/0424/kpa_200424_0516825781.html
これを受けて、厚労省から「N95 マスクの例外的取扱いについて」との事務連絡が出ています。
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光触媒光触媒は、可視光線、紫外線が当たると、表面にラジカルを形成して有機物を分解するため、 建物の外壁や自動車などで汚れが付きにくい塗料としてや、 消臭作用を示すスプレーなどとして販売されています。 特に TiO2 は光触媒として長い歴史があり、 内装用の壁紙に光触媒を組み込んだ物も販売されています。
試しに、雑菌が湧いて、洗っても繊維の奥にしみこんだ雑菌臭が取れない、
もはや捨てるしか無いレベルのタオルに、
下で挙げているタングステン系の光触媒をスプレーして室内光に一日曝してみました。
その結果、1m先からでも分かるような臭いだったタオルが、
顔を埋めて臭いをかいでもほとんど分からないレベルになっていました。
物凄い分解力です。
なお、洗うと光触媒のほとんどが取れてしまうと思いますので、
タオルなどでは持続的な効果は望めませんが、
逆に洗わなければ表面に残っている限り半永久的に効果を発揮します。
クロス張りのソファーやカーテン、枕などがお勧めです。
某中年男性の枕に使用したところ、加齢臭が無くなったとの報告があります。
光触媒の機能発現の概念図
光触媒の原理については以下を参照。
元のリンクの http://polar.imr.tohoku.ac.jp/_userdata/photocat2010.pdf が切れているため暫定的にこちらを。 TiO2 は化粧品や日焼け止めにも使われていたりして、非常に安全な物質です。 私が東工大で博士課程の1年目は良いテーマが与えられず、 依頼されたネタで書いた化粧品微粉末に関する論文で、 二酸化チタンの透過型電子顕微鏡観察をしていました。 ルチル型(バンドギャップが3.0eVで可視光でも応答するが全体的な光活性が低い) とアナターゼ型( バンドギャップ 3.2eV で、387.5nm 以下の紫外線でないと活性を示さないが高い活性を示す) の違いにも言及しており、23年ぶりに自分で読んでビックリしました。
なお、化粧品などにはルチル型が使われていますが、 表面にはシリカがコーティングされており、光活性により肌にダメージを与えないようにしているようです。 (反射、吸収で紫外線を防いでいます)
https://www.jstage.jst.go.jp/article/sccj/48/1/48_2/_pdf UV-C 紫外線ランプでの直接の不活化は、UV-C は人体に有害で取扱いが困難ですが、 UV-A or B + 酸化チタン光触媒を使った空気清浄機であれば、 遮光がキチンとされていれば外に紫外線は出てきませんので安心です。 メッシュ状の光触媒担体に紫外線照射して、風を送り触媒表面で有機物を分解します。 これなら什器や書類などが放射線劣化のようなダメージを受けませんしオゾンも出ません。 汚染が疑われるエリアの表面の除菌や、マスクなどを殺菌するのには使えませんが、 居室などの生活環境を防衛するには良いでしょう。 ポイントは、機能をウイルス除去に割り切って下手にフィルターの付いていない物を選ぶことです。 ウイルス相手にフィルターはほとんど意味がありません。 その分安価になりますし風量を増やして光触媒にさらす、というのが効果的です。 小型のUSB 給電で、新幹線内など出先でも使うことが出来る商品もあります。 私はスリム缶サイズの非常に小さい製品を使っていたことがありますが、それでも部屋の臭いがなくなり、 朝起きたときに花粉症の症状が出なくなりました。 (部屋から出ると症状が出ます) これだけでも元が取れたと思っています。 スプレー式の光触媒を衣類、マスクや室内の表面に塗布するのも有効だと思われます。 これで完全にウイルスを防げるというわけではありませんが、 少しでも対策を取って確率を下げていく努力が必要かと思います。
https://www.asahi.com/articles/ASN4P3195N4NUOHB01H.html
http://www.amazon.co.jp/dp/B002A5KKZS
二酸化チタンと異なり、三酸化タングステンベースの光触媒を使用するルネキャットは、バンドギャップが 2.5eV であり、495nm 以下の可視光(緑→青の領域)から活性を示します。太陽光はともかく、蛍光灯では紫外線量は微弱ですし、LED 照明ではほぼ全く紫外線が含まれていません。屋内での光活性を求めるのであれば、これらの製品が効果的です。 (二酸化チタンも銅などを添加することで可視光領域でも若干活性を示しますが、効率は低いです) なお、ルネキャットは、「吸着能力のある金属酸化物と触媒として利用出来る金属を WO3光触媒に添加することにより、ニオイ成分や細菌を光触媒に適正な吸着力で引きつけて、分解を促進させ、分解速度をさらに上げることができた」とのことで、単なる三酸化タングステンとは一線を画した製品のようです。
https://www.jstage.jst.go.jp/article/isj/55/4/55_449/_pdf
https://www.komatsumatere.co.jp/wp-content/themes/komatsu/pdf/news/20200228.pdf ルネキャットを塗布したフィルム(2.5cm角に5mg)を用いた密着法で、蛍光灯の光(紫外線はカットした、可視光のみ)を当てると、A型インフルエンザウイルスは、4時間で 1000分の1、8時間で 100万分の1以下に減っています。 https://www.toshiba-tmat.co.jp/res/renecat/about/data/virus_j.htm
http://www.jfe-21st-cf.or.jp/furtherance/pdf_hokoku/2011/20.pdf
NEDOプロジェクト実用化ドキュメント https://www.nedo.go.jp/hyoukabu/articles/201318sdk/index.html 銅添加すると、三酸化タングステンは可視光線下で高い活性を示すのに加えて、 暗いところでもある程度の不活化・殺菌力を示します。 光触媒と合わせることで二価の酸化銅が一価の銅に還元されることが重要らしいです。
参考資料
https://www.kistec.jp/r_and_d/project_res/photocatalyst_index/ 光触媒開発者の藤嶋 昭先生が館長を務められている 光触媒ミュージアム が併設されており、光触媒利用の聖地と言って良いでしょう。 各種 JIS 対応試験など、非常に広範囲の試験が実施可能です。 https://www.kistec.jp/sup_prod_devp/test_and_mes/koudo/0103_hikarisyokubai/0103_hikarisyokubai_index/
https://www.nedo.go.jp/news/press/AA5_100154.html
https://www.meti.go.jp/press/2018/04/20180402002/20180402002.html
http://www.chemical-tech.net/photocatalyst.html
https://www.sunstarqais.com/products/air01.html
https://jp.sharp/business/photocatalyst/
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可視光光触媒空気清浄機 ひかりクリーナー
感染リスク低減のための研究対象として開発を行っている内容を公開しています。
□ 咳やくしゃみはもちろん、
しゃべるだけでも飛沫が飛びます。 □ 普段はマスクを着けていても、食事の時や病院、歯医者などでは着けることが出来ません。 □ レジ、窓口などでは全てのお客様が正しくマスクを着用しているとは限りません。
□ マスクをしていても、2割の飛沫と、半分のエアロゾルは漏れている、と言う試算もあります。
ひかりクリーナーは、人と人の間に飛び交う飛沫を吸い込み、光触媒の力で徐々に有害な有機物を酸化分解していく、 そんな空気清浄機を目指しています。 *現在のところ直接新型コロナウイルスを用いた実証試験は試験機関が一杯で実施することが出来ません。
これが分かっている全てです。
この事実から、感染リスクを下げることが出来る可能性を検討したのが本製品です。 しかしながら現時点では直接的に新型コロナウイルスに対する検証は行えておらず、 新型コロナウイルスに対して効果がある、と謳うことは出来ないため、製品提供は行えない事をご理解頂ければと思います。また、同様の製品を使用していてもこの製品があるから大丈夫、と言う過信だけは絶対にしないで下さい。まず、普段の対策ありきで、それにさらに+αの対策としてのひかりクリーナーです。
フィルターに光触媒を塗布して強い光を当て、 そこにファンの力で空気を流し込むことで空気清浄機を作ることが出来ます。 活性酸素は寿命がマイクロ秒(百万分の1秒)オーダーで一瞬で反応して消滅するため、 活性酸素がまき散らされることはありません。 (吸い込まれた有機物の全量が、一瞬で分解されるという意味ではありません) 放射線教育用教材である
ペルチェ冷却式霧箱 の開発で培った技術を流用して、
極限まで構造を簡素化した光触媒式空気清浄機が
極めて簡単な構造にしており、特殊な工具を必要とせずに、 ルネキャットなどの可視光応答の三酸化タングステンベースの光触媒さえ入手できれば、 中学生程度でも製作が可能です。 新型コロナウイルスに対する直接的な効果が確認された後に、 教育機関へ詳しい製法、部材の仕入れ先なども情報提供したいと考えています。 実際に、無償提供目的の方に製法提供を行っています。 http://yamada-casting.jp/wp-content/themes/omega/yamada-06.php USB アップコンバーターケーブルを使用して PC やモバイルバッテリーに接続して、 新幹線での移動中や会議中個人個人で防衛する、など可能ですし、 レジや窓口など不特定多数と接客するブース毎に配置する、と言うのも、 小型でコストパフォーマンスの良い当製品であれば現実的かと思います。 USB 接続先は、5V 2A を供給できるポートを使用して下さい。 1A の供給力では駆動しません。
定量的な実証試験はホルムアルデヒドガスなどの分解について測定を行っており、
確かな分解挙動が確認されています。 ファンは大型で信頼性が高く、普通のデスクトップパソコンより静かです。 現在のモデルでは、1200rpm, 14dB のファンを使用しています。 風量がやや小さいため、現在風量の大きい物も検討しています。
現在生産中の 30mm ネジを足に使ったモデルでは、LED から 2.5cm の距離にフィルターがあり、この位置での光の照度は 68,500 lux にも達するという計算になりました。
(以前は40mmのネジを足に使っており、LED から 2.5cm の距離にフィルターがあり、この位置での光の照度は、58,000 luxでした) 本当にこんな簡単な構造の装置で効果があるのか、 検証を行った結果がこちらです。 煙を吸い込む挙動も、動画で紹介していますので、 どの程度の範囲の飛沫を吸い込むかの参考になるのでは無いかと思います。
45L 密封コンテナ中でのホルムアルデヒド分解挙動。
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加熱
ウイルスの不活化を最も簡単に行う方法として、
https://www.kewpie.com/newsrelease/archive/2006/2006_047.html 60℃ 1時間という「ウイルスを不活性化させるための標準的な方法」 では新型コロナウイルスは完全には不活化されず、 92℃ 15分間で完全に不活化した、と言うデータもありますが、 何分で不活化されるのかなどは良く分かりません。 abstract を読む限りは 10-6 まで下げる話なので、 やや長めになっているかも知れません。 安全をとって100℃ 15分程度を目安にすると良いかと思います。
https://jp.sputniknews.com/covid-19/202004177372961/
身近な物で、100℃程度で数分間加熱できる物、と言う事で検討しましたが、
有りました。
(写真にマウスカーソルを当てると、説明文が出ます)
高校までの同級生からの報告では、「鍋で煮る」と言うダイナミックな方法も報告されています。
乾かせば普通に使えたそうです。
色々と情報を提供して頂いた読者の椿様から、 「ジップロックのような袋、できればジッパーが二重のものにマスクをいれて空気を抜いて 普通に熱湯で煮るのはどうなんでしょう?」 と言う提案を頂きました。 夏場は汗による水分が飛ぶ分、ホイル焼きの方が快適かと思いますが、 不活化という意味では十分実用的だと思います。 温度を測らなくても良いですし、何かの間違いで温度が上がりすぎることもないですし。
(2020/05/19 追記) http://www2.pe.osakafu-u.ac.jp/pe9/ いずれにしても、加熱のしすぎにはくれぐれも注意して下さい。 ドライヤーなどで加熱する場合に 油断すると一瞬で使い捨てマスクの生地が融けます。
本業の、核融合炉材料の熱拡散率測定でお世話になっている NETZSCH Japan さんが、 本気の装置を使って温度変化による挙動を測定した例がこちら。
https://www.netzsch.co.jp/application/20200413/ https://www.netzsch.co.jp/application/20200417/ https://www.netzsch.co.jp/application/20200422/ https://www.netzsch.co.jp/application/20200512/?mt=niGhABwMAA4 加瀬 哲男ほか、日環感, 7 (1992) 39-42. https://www.jstage.jst.go.jp/article/jsei1986/7/2/7_2_39/_pdf/-char/ja によると、エンベロープ無しのアデノウイルスは 200℃5分の処理でも細胞毒性を示したのに対し、 エンベロープを持つヘルペスウイルスは、100℃5分の処理で感染価は検出限界以下になった、とのことです。 なお、くれぐれも、ドライヤーにマスクを乗っけたまま放置して加熱などしないで下さい。 火事になります。 |
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その他(突然変異、二酸化塩素、消炎鎮痛剤)
突然変異基本的な放射線生物学の知識が必要です。
インフルエンザウイルスなどの 1本鎖RNA ウイルスは、一般的に突然変異しやすいと言われています。
通常の細胞は二本鎖の DNA を持ち、様々な化学的損傷に対して修復する酵素を持っています。
放射線などによって切断されてしまった場合でも、
二本鎖であることから片方を鋳型として修復が出来ますし、
二本鎖切断の場合ですらほとんどの場合で修復が可能です。
天然痘など二重鎖DNAを持つウイルスも存在しますが、こちらは損傷の修復が可能であるため 遺伝的に安定で、変異しにくいためワクチンが有効です。 突然変異は化学物質、活性酸素、放射線など様々な要因で起こりますが、 これによって様々なタイプが生まれて環境に対応していき、 ワクチンなども効きにくくなります。 ここまで読めば分かると思いますが、インフルエンザも一本鎖RNAウイルスです。 様々なタイプがあり、異なるタイプだと予防接種が効かないのはご存じの通りです。 今回のコロナも同様で、様々なタイプが存在しており、 ごく普通の風邪の原因だったりします。
一本鎖RNAウイルスにも2種類あり、自分が直接タンパク生成の鋳型となるか、
一旦転写してから鋳型として複製するかの違いがあります。
前者が一本鎖+RNA, 後者が一本鎖-RNAで、コロナは前者、インフルエンザは後者です。 インフルエンザに効く薬がどのような過程を阻害するかによって、 今回のコロナウイルスにも効くかどうかが変わってくるだろうと思います。 (抗ウイルス薬なら何でも効くわけではないということです)
(2020/03/25修正)
「コロナウイルスはRNAウイルスでは例外的に変異を起こしにくい。コロナウイルスは校正機能を有する酵素を持つので,変異が起きても,それを除去して正しく遺伝子を複製する」とのことです。
おそらく、上で挙げているメチル化など簡単な化学的修飾を除去する酵素だとは思いますが・・・
下記のサイトは、湿度に関する考察も興味深いです。
二酸化塩素
インフルエンザウイルスに効果ある物なら使えると思って良いのですが、
二酸化塩素は消毒薬としては我が国に於いては未認可であり、
二酸化塩素ガス自体の毒性(塩素系の呼吸器への刺激)があるため、使用には注意が必要です。
次亜塩素酸ナトリウムの2.5倍の酸化作用があり、効果自体はあるようですが、
製品によっては二酸化塩素の放出が少ない物があるようです。
https://www.seirogan.co.jp/medical/data/ http://www.kokusen.go.jp/pdf/n-20101111_1.pdf https://www.gakkohoken.jp/column/archives/74
二酸化塩素自体の有効性は、以下のソースで確認する事が出来ます。
とりあえず私が買ったこの商品は、全く塩素の臭いがしないので、効果は無いと思われます。
認可されていないため雑貨として売られており、濃度なども規制が無く、
このような粗悪商品も野放しのようです。
メーカーに二酸化塩素の放出濃度について照会をしていますが、返答有りません。
消炎鎮痛剤コロナウイルス感染時に、イブプロフェンなどの消炎鎮痛剤を用いることにより重症化する、 と言う話が出ています。
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)してはいけない 5 つのポイント
そもそも発熱は菌やウイルスを殺すための防衛反応で、
押さえるべきでは無いというのは割と良く知られていますが、
イブプロフェンなどは炎症を抑える作用の過程で免疫力を下げてしまい、
重症化するとのことです。
フランスでは厚生大臣が発表している、
というのは既に見た方も多いと思いますが一応張っておきます。
参考
http://jsv.umin.jp/news/news200210.html
https://h-crisis.niph.go.jp/?p=132576
https://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou15/02-02-01.html
http://www.med.akita-u.ac.jp/~doubutu/kansensho/virus17/kouzou.html
https://pro.saraya.com/kansen-yobo/bacteria-virus/influenza.html アルコール手指消毒剤のインフルエンザウイルスに対する不活化効果が示されている
http://www.yoshida-pharm.com/2012/text04_05_02/
http://sp.nichigi.or.jp/kensyu_saiji/new-influ.html
https://www.fcg-r.co.jp/micro/micro16.html
https://www.sankei.com/economy/news/200509/ecn2005090008-n1.html
https://www.nite.go.jp/information/osirasefaq20200430.html
https://xtech.nikkei.com/atcl/nxt/column/18/00138/051800547/?n_cid=nbpnxt_mled_dm
https://news.livedoor.com/article/detail/18362508/ |
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問い合わせ:e-mail: akiyoshi [at] riast.osakafu-u.ac.jp
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