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ファイザーのワクチン、発展途上国への供給体制が課題=ファウチ氏

11月11日、米国立アレルギー感染症研究所のファウチ所長は、米製薬大手ファイザーとドイツ製薬ベンチャーのビオンテックが共同開発する新型コロナウイルスの予防ワクチンについて、保管に超低温の温度管理が必要なため、発展途上国への供給体制が大きな課題になるとの認識を示した。写真はファイザーのロゴ。英ウォルトンオークスで撮影(2020年 ロイター/Peter Cziborra)

[11日 ロイター] - 米国立アレルギー感染症研究所のファウチ所長は11日、米製薬大手ファイザーPFE.Nとドイツ製薬ベンチャーのビオンテックBNTX.Oが共同開発する新型コロナウイルスの予防ワクチンについて、保管に超低温の温度管理が必要なため、発展途上国への供給体制が大きな課題になるとの認識を示した。

ファイザーとビオンテックは9日、開発中の新型コロナワクチンの臨床試験(治験)で有効性が9割に達したと公表した。

ただ、このワクチン候補は「メッセンジャーRNA(mRNA)」という免疫システムに働きかける物質を使っており、セ氏マイナス70度程度での保管が必要。

ファウチ氏は、フィナンシャル・タイムズ紙が主催した医薬品・バイオ技術関連の会合で、超低温での輸送や保管という点で課題があると指摘し、「この問題への対応は英国や米国では簡単ではないが可能だ。ただ、発展途上国では恐らくずっと難しくなる」と述べ、発展途上国への供給体制への懸念を示した。

米バイオ医薬大手のモデルナMRNA.Oが開発中のワクチンもmRNAを使っており、セ氏マイナス20度で保管する必要がある。

ファウチ氏は「こうした理由から、われわれは計画をまとめる際に、ワクチンプラットフォームと呼ばれるものを多様化したいと考えている。mRNAだけではない。米国では3つの個別のプラットフォームが検討されている」と説明した。

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