下準備と具を入れるタイミング
おでんをおいしく作るコツは煮込みすぎないこと。順番に具を入れて、約45分で完成です。
味しみのメカニズム
だし旨おでん秘伝レシピ
あっさり白だしを使ったおでん汁(つゆ)に、「焼ちくわ」からしみ出した鯛だしのダブルの旨みでおいしさ際立ちます。
おいしく作る十カ条
おいしくおでんを作るには守りたいコツがあり、「準備」「下ごしらえ」「煮るとき」「その他」の4つのポイントに分かれています。
準備のポイント
- 一.大きめの鍋で、具が浸るぐらい、おでん汁(つゆ)をたっぷりと用意します。
- 二.具はいろいろ用意して、味や食感の変化をつけます。
下ごしらえのポイント
- 三.ゆで玉子は固ゆでに。大根やこんにゃくは表面に隠し包丁を入れて下ゆですると、味がしみ込みやすくなります。
煮るときのポイント
- 四.煮えにくいもの・味のしみ込みにくいものから順番に煮ていきます。
- 五.弱火でコトコト煮るのがポイント。強火でグツグツ煮ると煮くずれや煮つまり、おでん汁(つゆ)がにごる原因になります。
- 六.鍋にフタをして煮込むときは、必ずフタをずらします。しっかりフタをすると、沸騰しやすく、失敗する原因になります。
- 七.おでん汁(つゆ)が煮つまったときは、味をみてお湯か汁(つゆ)を足します。
- 八.練りものを煮込む時間は15〜20分で十分。煮込みすぎると練りものの旨みがおでん汁(つゆ)に出てしまい、おいしさが損なわれます。
- 九.はんぺんは食べる直前に入れ、おでん汁(つゆ)をかけながらさっと温めます。
その他のポイント
- 十.揚げものは油抜きの必要がありませんが、気になるときは熱湯でさっと油抜きをします。
プロの味に近づく作法
おでんをおいしく作るために注意したいのは、「おでん汁(つゆ)」の作り方と「鍋」の選び方です。これができれば完璧。
おでん汁(つゆ)
分量は目安。好みで調整します。煮つまったときにつぎ足せるよう、多めに用意しましょう。
(1)だしをとる
【昆布とかつおぶしの『あっさりだし』の場合】
材料(10カップ分):水11カップ、昆布20cm角1枚、削りがつお50g
昆布は固く絞ったぬれぶきんで汚れを拭き取り、3〜4カ所切れ目を入れる。
鍋に水と昆布を入れて火にかけ、沸騰直前に昆布を取り出す。
削りがつおを加え火を止め、削りがつおが沈んだら、ふきんで漉す。
【鶏ガラの『コッテリだし』の場合】
材料(10カップ分):水14カップ、鶏ガラ1羽分、昆布20cm角1枚
鍋に水と、サッと水洗いした鶏ガラを入れて火にかけ、 強火でひと煮立ちさせ、アクを除く。
弱火にして、アクをすくいながら約1時間煮る。
サッと水洗いした昆布を加え、10分間くらいしたら火を止め、 ふきんで漉す。
(2)味をつける
【濃厚な『関東風』の場合】
汁(つゆ)10カップに対し、しょうゆ1/2カップ弱、みりん2/3カップ
【薄味の『関西風』の場合】
汁(つゆ)10カップに対し薄口しょうゆ1/3カップ、酒大さじ1、砂糖1/4カップ、塩小さじ2
鍋
家庭用として最適なのは土鍋。風情もあります。
(1)形
口が広く、底が平らなものが理想的。具を重ねずに入れることで味のしみ具合を均一にし、煮くずれを防ぎます。
(2)大きさ
4〜5人分の目安として、丸いもので直径30cmぐらい、四角いもので30×40cmぐらい。具が重ならないよう大きめを選びます。
(3)素材
おでん屋さんでよく見かけるのは、四角い赤銅製の鍋。銅は熱のあたりがやわらかく、火を均一にまわすので煮込みには理想的ですが、高価なうえに、手入れが大変なのが難点。長く使わないと緑青が生じます。家庭用として最適なのは土鍋。扱いやすく、火から下ろして食卓に出しても冷めにくく、何より風情があります。
(4)土鍋を上手に使うコツ
初めて使うときは水を張って30分程おき、しばらく弱火にかけ、火を止めてからもしばらくそのまま冷ましておくと、割れにくくなります。牛乳を沸かしたり、おかゆを炊くのも長持ちさせるのに効果的。洗うのは内側だけ。外側、とくに底は洗わないように。
忙しい時の「時短」技
水だし汁で、おいしく簡単に本格だし!
水だし汁は一晩おくだけで簡単にとることができます。
おでん以外にも、いろいろな料理に使える風味豊かな本格だしです!
大根、こんにゃくの下ごしらえもレンジで時短!
下ごしらえに電子レンジを活用することで調理時間を短縮!
また、こんにゃくはアクや臭みが抜けます。