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平方元基のゲンキ★カンゲキ!!
『RENT』平方元基観劇レポート
2012/11/08
みなさん、こんにちは!!
今回のBUTAKOME演劇コラムはこちら。
『RENT』言わずと知れた有名ミュージカル!1996年にはブロードウェイで初演、ピュリッツァー賞やトニー賞など各演劇賞を総なめにするメガヒットを記録し、日本からも沢山の人がNYまで観に行ってしまうほどの超大ヒットミュージカルだったそう。ちなみに僕のマネージャーさんもそのうちの一人(笑)2005年には映画化もされました。
なぜ、今回この作品を選んだのか?!
それはもちろん、有名な作品であるのは勿論、ボイトレでRENTの楽曲に触れていたこと、そして、最近ではCMでも流れていて、よく耳にしていたので、ますます観に行きたくなったわけです!映画版も観ていたので、さらに期待は高まります。シアタークリエでの上演ということもあり、サイズ感も舞台を近く感じられることも楽しみの一つでした。
20世紀末、NYのイーストヴィレッジ。夢、絶望、SEX、ドラッグ…様々な出逢い、衝突、葛藤、別れ…クリスマスから翌年のクリスマスまでの一年間に起きた若者たちの物語・・・
この作品のテーマだけを考えると、とても重く、心が苦しくなるようなもの。しかし、これが当時のイーストヴィレッジの真実であり、日常、何も特別なものではなかったんだと思います。そっとアメリカの若者たちの日常を覗いてしまったような、ドキドキ感、そして少しのスリル、罪悪感に似たような感情が代わる代わる僕を包んでいました。次から次へ迫ってくる熱気あふれた楽曲たち。ミュージカルの常識を変えたと言ってもいいほどのロックでソウルフルな曲たち、そしてそれを歌う役者の若さが、さらにエネルギーを吹き込んでいました。若さゆえの過ち…そんなことに気づくのはだいたい大人になってから。若さに満ち溢れた舞台からは、儚さ、脆さ、繊細な部分も感じ取られました。
若いのは、役というよりも、その役を演じている役者の方々からも感じられました。互いに信頼しているからこそ、情熱的、感情的な芝居も成立していたと思います。
余談ですが、本当に日本の稽古時間は世界的にみても短いので、その中で、役者、スタッフのコミュニケーションを深めていくのはそう簡単なことではないのです。ましてや、国、文化が違うものを表現しなければならないとなると、僕だったら「時間がなーーーーい!」と叫んでいることでしょう(笑)
国、文化が違うということは、如何にそこを理解し、表現できるかが課題だと思います。
この作品で取り扱っているテーマさえ、アメリカでは日常的なことでも、日本人からすれば、触れ難い特別なものだったりするわけで、ネイティブなものを表現するということは、それだけで大変な作業になります。作者は、真実を、現実を、提示したくてこの作品を作ったとパンフレットに記してありますが、日本人がこの作品を、日本で上演する意味を深く考えさせられました。
世界中にこの作品の熱狂的なファンがいることは有名で、彼らはレントヘッズと呼ばれています。彼らの存在が、12年以上にも及ぶロングラン上演へと導く原動力になったんですね。僕は、きっとこの目を背けたくなるような現実を突きつけられ、悩み、迷い、苦しんだとしても、最後には何か胸に希望を持って劇場をあとにすることができる、元気をもらうことができる舞台だから人々に愛されているのだと思います。
「RENT」には借りるという意味と、「REND」ズタズタに引き裂かれるの過去分詞の意味もあるそうです。ズタズタに引き裂かれても、最後には暖かな気持ちになって、人の心を暖めてくれる舞台だと思います。
この作品は、是非、自らを作品の中に投げ込んで観てください。
例えば、ロミジュリの世界の王やロッキーホラーショーのように。
観客参加型のミュージカルは、観る側の心の持ち方で印象が大きく変わります。
是非、『RENT』を観る時には、自分もアメリカ人というような気持ちで観れば、より楽しめると思いますよ!
沢山のテーマがギュッと詰まったクラッカーのような作品です。
そのクラッカーの紐を引くのも引かぬのもあなた次第。
さぁ!あなたなら、どうする!!!!!
平方元基でした!
※舞台写真提供/東宝演劇部
オリジナル演出家マイケル・グライフによる新演出版
『RENT』
12月2日(日)までシアタークリエにて絶賛上演中!!
詳しくは『RENT』公式HPへ
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