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平方元基のゲンキ★カンゲキ!!
「ローマの休日」~平方元基・演劇コラム~
2012/06/20
現代では起こり得ないような
ドラマチックな切ないラブストーリー。
世界中の女性に愛されている理由が分かったような気がしました。
自由を求める女性。
それはきっと女性の憧れなのでしょう。
お城から抜け出すまででは無くても、窮屈な毎日、自分の周りの環境から抜け出したいって思うことは皆さんにもありすよね?
勝手に、ママのことと重ねてしまいました。
あ、ママっていうのは、エリザベートのことですよ(笑)
自由を求める女性像は、演劇界の永遠のテーマの一つなのかもしれません。
しかし、この舞台、たった三人の出演者で物語が進んで行くんです。
出演者が多い方が、世界観が大きく豪華に見えそうに思いますが、
たったの三人だからこそ、より物語の核心に深く触れられたように感じます。
ジョーの一見華奢で優しそうな見た目とは真逆の渋さが際立つ存在と、
アンの気品だけでない無垢で無邪気なスペシャルな可愛らしい佇まい、
そして天才的なお茶らけキャラで自由な存在感、ジョーの親友アーヴィング。
僕は、このハッキリとわかりやすいキャラクター設定にもキュンキュンしてしまいました。
キャラクターがハッキリしてると物語が理解しやすいですね!
ここで「ローマの休日」をまだご存知でない方に簡単なあらすじを。
舞台は1950年、イタリアはローマ。ある日、新聞記者のジョーは、ベンチで眠りこけていた風変わりな娘と出会う。翌朝には、ヨーロッパ各地を表敬訪問中のアン王女の記者会見なのだが、意識朦朧としている彼女の面倒を仕方なくみることに。翌朝、彼女をみてジョーは気づく。そう。そこに寝ているのは、アン王女なのだ。彼女は身分を隠そうとするが、ジョーは王女だと確信する。スクープをつかみたいジョー。自由を求める彼女と一日だけローマの名所巡りをすることに。しかし、そのうち、二人の間には、予想外の感情が芽生え始めていた。そんな輝かしいローマでの時間。たった一日の出来事が、二人の人生をより深く、それぞれの道を歩き出させるのであった。
そう。この物語はたった一日の奇跡とも言える二人の時間に、
人を愛すること、信じることの簡単なようでなかなか出来ない大切なことが詰め込まれています。
たった一日の物語なのに、こんなにも人の心をぎゅっとつかむこの作品。
僕たちが何気なく過ごしている時間の中にも、いろんな奇跡が転がっているのかもしれません。
そう思うと、一日という時間も大切に生きていたいと想うものです。
柔らかな雰囲気の中、薄いレースのカーテンがそよ風でヒラヒラと揺れ、その部屋には沢山の光が差し込む。
だが、その部屋には誰もいない。
でも二人はあの日、たしかにそこに居て、その思い出だけがそれぞれの道を歩んでいく二人をつなぐものなのでしょう。
すっと心に溶け込んで、穏やかな気持ちにさせてくれる、
そんな素敵な舞台に触れ合えたことに感謝しながら。。。
平方元基でした。
撮影:岸隆子
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