平方元基のゲンキ★カンゲキ!!

韓国ミュージカル観劇レポート~「エリザベート」①~ 平方元基・演劇コラム

2012/04/07


BUTAKOME

みなさん、お待たせいたしました!!
韓国版「エリザベート」観劇コラムでございます。

普段コラムを書くときは、観劇後、すぐに書き始めるのですが、
今回はどうしてもなかなか自分の中でうまく感情が言葉にできず、
結果、自身のルドルフ役の稽古が始まってからの執筆になってしまいました。
というか、稽古をしてやっと気持ちに気づけたというか、
素晴らしい経験をさせていただいたのだと改めて確認することができました。

世界中に宝物が散らばっているとするのなら、僕は今回その一つに出逢えたと言ってもいいほどに、
沢山の輝いたものを、目に焼き付け、手に触れ、体に感じることができました。

感じたまま、素直に書きたいので、いつも以上に読みにくい文章になってしまわないか心配ですが、僕が韓国で感じた思いを、綴っていこうと思います。

韓国版「エリザベート」の上演会場は、
ブルースクエア

BUTAKOME

新しい会場で、天井が高く、音響効果もとてもよかったように感じます。

BUTAKOME 
会場に入るなり、あちらこちらに、キャストのパネルだったり、オブジェだったり、
会場全体がエリザベートモード

BUTAKOME BUTAKOME

あちこちで写真を撮っている方たち。
韓国ではミュージカルは値段が高く気軽に行けるものではないと聞いていたにもかかわらず、
ワイワイと開演を心待ちにしている皆さんの姿は、日本と何も変わらず、
むしろ、舞台に親しみがある様子は日本以上にも感じられました。
感情を隠さない文化というのでしょうか。
いいものはいい。好きなものは好き。
会場で幕が上がる寸前の高揚感もとても気持ちのいいものでした。

僕は、全部で三回観劇させていただいたのですが、どの公演を通じても言えるのは、
圧倒的な歌唱力とそこからダイレクトに伝わるパワー
これは衝撃的でした。

ひとりひとりの役の個性、表現、どれをとっても感情を剥き出しにしたかのようなストレートな韓国版の演出。
以前観たウィーン版に近いように感じました。
ひとつの作品を各国、それぞれの演出で上演することの面白さを初めて感じた瞬間でもありました。
言葉がわからないことを心配していた僕が馬鹿でした(笑)
感じるもの、感じたこと、それだけでも十分に舞台の世界に引き込まれていました。
もちろん、曲を知っていたから理解出来たことは大いにあると思いますけどね(笑)

ここで、大事にしたいと思ったことが出てきました。
韓国では韓国語、日本ではもちろん日本語で上演されるわけで、
その国独特の言葉の響きや美しさを感じ、
日本人の僕は、日本語のそれも旋律に合わせ表現できるように心がげたいと思ったんです。

日本語でミュージカルの曲を歌うのは難しいとよく言われます。
一音に一語しか乗せられない、全てに母音がついてくるなど、たしかに歌いにくいと感じるときもあります。
しかし、日本語を美しく操ることも、僕たちの使命なのかなと。
折角、表現させていただく訳ですから、今回はそんなことも考えつつ、稽古に励んでいたりするんです(笑)
若干話がそれましたが、他の国のものに触れたことで、さらに日本版が好きになったし、責任も感じました。

韓国版は、コミカルな振付や、ショウアップされた分かりやすい演出で、
初めて観た僕も、色々と細かいところまで楽しむことができたし、
何より、難しいことを考えずに、目の前で起きていることに素直に反応する韓国の観客の在り方には考えさせられることが、たくさんありました

日本もそうなればいいのに。。ということではなく、そういう在り方だからこそ、
感じることができる空気があるのだと気付けました。

日本でしか舞台を観たことなかった僕は、舞台上のことだけでなく、
劇場の空気感がすべて新鮮に感じられたんです

きっと、韓国の方が日本の劇場にこられて感じられることもあるんでしょうね。
興味あるなぁ。
 

BUTAKOME

※韓国ミュージカルレポート~エリザベート②~は、明日アップします!
 コラム②では、韓国版ルドルフ役について、平方さんの韓国のヒョン(兄貴)スンデさんとのことも。。お楽しみに☆

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