平方元基のゲンキ★カンゲキ!!

ミュージカル「ハムレット」~平方元基・演劇コラム~

2012/02/16


BUTAKOME
写真提供/東宝演劇部

『なんでそう思いましたか?』
『どうしてそう感じましたか?』
『そう感じた理由は?』etc…

取材を受けると、よくそんな質問を受けます。
正直、そんなに一つ一つに理由がなかったりして、感覚的なことが思考の大部分を占める僕は、取材の返答が非常に苦手です(笑)

出来るだけ、自分の気持ちを100%伝えようと言葉のチョイスをするんですが、
90%くらいしか伝えられないときも多々あって・・・

だからそれがコラムと何の関係があるのかっという話なんですが。

これから僕はとんでもないことを言います!

えー、このコラムを読むよりもまず、劇場で体感してください。
この作品は観たら感じるパワーがあるんです。だから観て貰えたら、きっと、僕の言いたいこと、分かっていただけると思います。
と、軽くコラム執筆放棄(笑)・・・と言うわけにもいかないので、
僕なりに感じたことを書いてみます。

スタートが遅かった僕は最近勉強のために早送りのように舞台を観ているんですが、
その中でも一番の衝撃を受けたのが、この作品!

はい、ここ!!!!
『なんでそう思いましたか?』と僕に聞いてはダ~メ!ダ~メ~!
考えるより感じろですよ!

まず、シェークスピアってお堅いイメージ満載ですよね。
僕も、なんで簡単な話をまどろっこしく書くんだろう?と思ってました。
そうなんです!
内容は、実はそんなに頭を抱えるほど難しいものではないんですよ。

読んだあとの解釈は人それぞれですが、内容を把握するだけならそんなに難しい作品ではないんです。ハムレットも例外ではありません。

ある時代のデンマーク、王が急死し、その弟クローディアスが先王の王妃であったガートルードを妻とし、王位についた。悲嘆にくれる王子ハムレットは亡き父、先王の亡霊から死の真相を聞かされる。真実を知ったハムレットは、突然狂気にかかったような言動を始める。それは、恋人や親友までも傷つけ、恋人の家族らをも巻き込み、血で血を洗う陰謀と復讐が王宮に渦巻いていく…

というお話。これ以上の詳しいあらすじを知らなくても、ハムレットの世界に飛び込んでありのままを感じて欲しいので、あえてこれ以上の表記はしません。

勿論、僕もなにも調べないまま劇場へ飛び込んだ1人です。
ミュージカルなので、歌で大切な部分が綴られている場合が多いので、
歌詞をよーく聞くことで、理解度がぐっとますと思います。

このハムレット、なんと、チェコ初演のミュージカルなんだそう。
どおりで聞き慣れないロックミュージックのオンパレード。
役者泣かせの難しい曲ばかりで、出演者の方々はとんでもなく楽曲と戦ったことだと想像します。僕なら歌のことだけでもう頭の中がいっぱいになっていたと思います。

聞き馴染みはない音楽でしたが、僕は気づいたらグっと舞台に引き込まれていました。
それは、間違いなく芝居の迫力、強さがそこにあったからだです。

衣装もシンプルで物語に陶酔出来たポイントのひとつ。

栗山民也さんのストレートの作品は何作か拝見して細部まで拘った演出をするという印象を持っていたので、栗山さん演出のミュージカルというのも魅力的でした。
僕もいつか栗山さんの演出を受けてみたいです。

キャストのみなさんがひとつになって、いい作品を作りたいと必死に舞台上で生きている姿が圧巻でした。
特に、ハムレット役、井上芳雄さんにはこれでもか!と見せつけられました。
言わずとしれたミュージカル界の若きトップスター。
観ているこっちが痛いほど魂剥き出しの歌、芝居。
僕もいつかあんなふうに歌いたい、演じたい。そう思いました。

もう本当に、何が役者をそこまで駆り立てるのかと思うほど圧巻の迫力で、あっという間の2時間でした。

実は僕、ゲネプロも拝見したんですが、さらに本番にもう一度観たくて伺いました。

二度観劇しても、衝撃は変わらなかった、いや逆に増しました。

二回観劇したことで、不明確だった点が確認できたので、より舞台に引き込まれたのはもちろんですが、まるでハムレットのこころの闇に僕自身包まれてしまったかのように、
観劇後、なかなか現実の世界へ戻れずにいました。もう、ハムレット中毒です。

最後をこの言葉で締めくくる重みを是非、みなさん劇場で体感してください。

『おやすみなさい、殿下。』

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≪フォト・ギャラリー≫

BUTAKOME
初代ルフドル皇太子、井上芳雄さんとツーショ☆
井上さんハムレットに心酔した平方さん、嬉しそう!
お二人は同じ福岡出身ですね。

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ジュリエット(昆 夏美さん)とティボルト(平方さん)再会のピース!
昆さんオフィーリア、特にニ幕の見せ場で涙があふれてきました。

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クローディアス役・村井国夫さんとパシャリ!
怖い、悪役・クローディアス様ですが
楽屋ではユーモラスたっぷりで周りが笑顔いっぱいに。

BUTAKOME
レアティーズ役・伊礼彼方さんとハイ、チーズ!
伊礼さんはブタコメ演劇コラムニストの先輩であり、
ルドルフ役の先輩でもあります。
オフィーリア(妹)への愛情がハンパなかったです。

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ミュージカル
『ハムレット』

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