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平方元基のゲンキ★カンゲキ!!
「眠れぬ雪獅子」~平方元基・演劇コラム~
2011/11/01
撮影:岩村美佳
みなさんお待たせいたしました!
平方元基の観劇コラム第一回!
え!?待ってないって!?
いえいえ、待っていなくても、待ったなしで、どんどんお届けしてまいりますよ。
→うまいこと言ったドヤ顔なんてしてませんよ(笑)
今回観劇させていただいたのは、
TSミュージカルファンデーション「眠れぬ雪獅子」。
この作品の舞台は、843年と1940年のアジアの何処かの国。同じ空間に二つの時代が交差、展開されていくのですが、先の時代の登場人物が、同じ心を共有する生まれ変わりとして後の時代に登場します。
前世では兄弟だったもの達が千年の時を越えて再び出会い、正義を貫く戦いを繰り広げていきます。
果たして、時を越えた運命で出会ったもの達の行く末は?どこへ辿り着くのか…。
答えは劇場にしっかりとありました。
会場は、世田谷パブリックシアター、通称セタパブです。
類は友を呼ぶではないですが、僕も生活している中で、全く初見の人に妙な親近感が湧いたり、何かを感じて、急に仲良くなったりすることがあります。
きっとみなさんも、そんな経験あるんじゃないかと思います。
輪廻って本当にあるんでしょうか?
作品を観て何よりも感じたことは、愛。
僕自身、ロミジュリを通して作品の大きなテーマ、愛を表現するための争いや憎しみを、役を通して経験したのですが、何もそれは、特別なことでは無いのだなと。
自分の身近にいつでも愛を取り巻く争いは起きているんです。
家族、友人、恋人、地域、国、宗教、人種…様々な争いが今、現在も地球の何処かで起こっていて、でも、それを乗り越えたあとには、様々な傷跡が残るのと同時に、愛も生まれているのではないでしょうか。
決して、争いから生まれる愛だけでは無いのですが、やはり作品として愛を描くにはその逆の世界を描くことで、愛に更なる強さを与えているのではないかと思います。
そしてそれが作品に更に大きな説得力を持たせるのだと思いました。
この舞台は、ゆっくりとした場面展開で構成されています。そこにうまく入り込んでくる二つの要素が、
まずは、ダンス。
衣装が独特でアクロバティックな民族舞踊的な舞いに絶妙にマッチしていて、妖精のような印象でした。
なにかを訴えるわけでもなく、受け取る側にありとあらゆる選択肢を与え、この作品の解釈を広げている様に思いました。
そして、照明、映像効果。
劇中に多用されているわけではありませんが、ふとした瞬間に出てくる映像に心を奪われました。
幻想的で、水中を漂っているかの様な不思議な感覚。
今回僕は二階席の一番前の列で観させてもらったんですが…
今まで一階席で観劇することが多かったので、この日二階から観たことで、その照明効果にもより感動し気づくことができたのだと思います。
二階席からは一階席を見渡せます。
今回はその一階席にも照明が当たる様に演出されている箇所があり、それは二階席で観劇していなければ味わえない感覚でしょう。
今まで、一階の真ん中辺りが舞台を観やすい当たり席なるものだと考えていましたが、それは大きな間違い。
逆にいえば、どの席も当たり席で、その席でしか味わうことの出来ない世界が広がっているんですね。
チケットに記載されている席番号は、貴方を貴方だけの世界に連れて行ってくれる、その回ただ一つの番号な訳です。
なんかちょっとロマンチックじゃないですか!?(笑)
一つの作品でも、観る場所、角度が違うだけで様々な発見が出来、楽しみが増えることを学びました。
単純に作品がいいからというわけでなく、そう言った観点でリピートする方々がいらっしゃるのだなと思いました。
さてさて、平方元基の初めての観劇コラム、いかがでしたでしょうか。
まだまだ未熟な僕ですが、この場所を通して成長させていただければなと思います。
最後に、僕がいつもブログにも載せる言葉で今回は締めさせていただきます。
LOVE&PEACE…
平方元基でした。
ドルジェ役の伊礼彼方さんと平方さんが
構成・演出・振り付けの謝 珠栄先生を囲んで
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TSミュージカルファンデーション
『眠れぬ雪獅子』
<富山公演>2011年11月1日(火) 富山県民会館 大ホール
<兵庫公演>2011年11月5日(土)・6日(日) 兵庫県立芸術文化センター 阪急中ホール
※公式HPはコチラから
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