きみと、ずっと。UHB|北海道文化放送

過去最多236人北海道…「限界点が近づいている」現場の疲弊と医療崩壊への危機感 "病床5割超"埋まる

社会 くらし・医療 友だち追加

 新型コロナウイルスの感染拡大が続く中、医療機関に深刻な影響が及んでいます。

 クラスターが広がっている北海道旭川市では入院患者の受け入れが増え、現場が疲弊する病院も出ています。

 旭川赤十字病院 牧野 憲一 院長:「マンパワーを確保しないと、これ以上無理な状況まで来ている。これ以上患者が増えたら限界点が近づいている気がする」

 新型コロナウイルスの患者を受け入れている旭川赤十字病院です。

 11月7日、旭川市内の「吉田病院」でクラスターが発生し、12日までに看護師と入院患者あわせて39人が感染しました。

 旭川赤十字病院ではそのうち17人を受け入れていますが、寝たきりの患者も多く介助が必要です。

 夜勤の看護師を増やすなどして対応していますが、肉体的な負担は大きいと言います。受け入れる医療機関の数が限られる地方の現実がのしかかります。

 旭川赤十字病院 牧野 憲一 院長:「大都市で起きるクラスターと地方の違いは医療の容量。医療の容量の違い。 地方は1つのクラスターでも大きければ埋まってしまう」

 旭川市では11日現在、新型コロナウイルス患者の入院病床を102床確保していました。そのうち44床が使用されています。

 クラスターが拡大すれば病床がひっ迫することも考えられます。

 旭川赤十字病院 牧野 憲一 院長:「キャパシティーを増やそうとすると通常医療ができなくなる。通常の医療が提供できないと"医療崩壊"」

 感染拡大が通常の診療に影響を及ぼす恐れも。医療現場には緊張が走っています。

11月11日現在の病床の使用状況

【病床の埋まり具合】(11月11日現在)
受け入れ可能数と使用数

北海道: 911床中 494床(54.2%)
札幌市: 366床中 161床(44%)

 北海道は受け入れ病床は随時増やしているとしていますが、すでに5割超、札幌市も4割超が埋まっている状況となっています。

 札幌を中心に感染拡大が続く中、病床確保も課題になりそうです。