[11日 ロイター] - バイオ医薬大手の米モデルナMRNA.Oは11日、同社が開発する新型コロナウイルスワクチンの後期臨床試験(治験)に関し、中間解析を開始するのに十分なデータがそろったと明らかにした。有効性の判断につながる可能性がある。
同社は先に、後期治験の初期データを予定通り月内に公表する見込みだと発表。詳しい公表時期は不明だが、データ安全性を監視する独立機関に有効性に関するデータを提出する準備を進めており、同機関が結果を精査し、勧告を行う見通し。
モデルナは発表文で、米国でコロナ感染者が急増したのに伴い、プラセボ(偽薬)の被験者を含む治験参加者の間で感染者が大幅に増えたと明らかにした。この結果、データ解析の対象となる感染者の数は、当初に最低限必要としていた53人を大幅に上回る見通しだという。
バンセル最高経営責任者(CEO)は先に、クレディ・スイス主催のイベントで、米国食品医薬品局(FDA)はワクチンの有効性について少なくとも50%と基準を設けているが、同社のワクチンの効果がどの程度かはまだ分からないと述べた。
こうした中、国立アレルギー感染症研究所のファウチ所長は同日、モデルナの後期治験データが、数日から1週間余りの間に出そろう可能性もあると指摘。効果については、米ファイザーPFE.N製のワクチンと「ほぼ同一」であるため、高い効果が示されてもおかしくないとし、予防効果は「95%かもしれないし、90%か96%、あるいは89%かもしれないが、そのぐらいの効果はある」とした。
ファイザーは9日、独バイオ医薬ベンチャーのビオンテックBNTX.Oと共同開発する新型コロナワクチンの治験で90%を超える効果があったと発表した。
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