(5)園倉乘儒 己と戦うスナイパー
射撃
2017.09.17
自分の敵は自分だけ。冷静に的を射続ける園倉乘儒(農2=啓新)。入学後すぐにレギュラーに抜擢された期待の逸材だ。2年生となった今年は関東学生春季大会で自己最高の成績を記録。男子団体2位に大きく貢献した。理想の射撃を目指し、日々射を極めている。
確固たる信念
人と競わない。点数は気にしない。結果は二の次。これが園倉の考え方だ。「自分が満足できればそれでいい」。一見、ただのエゴに聞こえるこの言葉にも強い信念が隠されている。根底にあるのは射撃を楽しむ気持ち。「楽しくなかったら終わり」。初めて銃を握った時からその射撃に対するモチベーションは変わらない。
飛躍の年を迎える。今年に入ってからの公式戦では「楽しい射撃ができた」と手応えを感じている。自己新記録を更新するなど結果も上々だ。1年生の間を「大学や部に慣れる時間」と位置付けていた園倉。団体戦のレギュラーから外れても決して腐ることはなかった。1年間の努力がようやく実を結ぼうとしている。
人生の分岐点
自分の手で未来を切り開いた。中学3年から射撃を始めた園倉だが、進学先には射撃部がなかった。そこで自ら部を設立。迎えた高校3年次のインターハイ。「『あれっ?』という感じだった」と本人も予想外の優勝を果たす。この大金星が園倉の人生を大きく変える。
その大会を現在の射撃部主将の柳川由太郎(法4=明大中野)が観戦。「明治でもやっていける」とスカウトを決意する。「明治に入らないか?」。だが園倉は困惑。卒業後は自衛隊への入隊を考えていた。射撃もやめるつもりだった。その気持ちを変えたのは「自分がどのくらいやれるのか」という高い向上心。両親の後押しもあり、明大の一員になることを決めた。
選んだ道に後悔はない。明大への進学は「間違ってない」。現在は実弾を用いるSBR(スモールボアライフル)の免許を取得中。〝常勝明治〟復活へ、フル回転する覚悟はできている。最終的な目標はインカレでの男女アベック優勝。「貢献していきたい」。そう短く語った園倉の自分との戦いはこれからも続く。
[楠大輝]
◆園倉 乘儒(そのくら・じょうじゅ) 農2 啓新高 170㎝・55㎏ 実家はお寺で僧侶の資格も取得済み。
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