唾液を使ったPCR検査の様子
厚生労働省は11日、新型コロナウイルスとインフルエンザウイルスの感染を同時に判定できるPCR検査を保険適用すると決めた。唾液を使える同時検査は初めて。冬にかけ懸念される同時流行に向け、検査時の医療従事者の負担軽減につながりそうだ。
鹿児島大学発のスタートアップ、スディックスバイオテック(鹿児島市)が販売する検査試薬を使う。一般的なPCR装置では約1時間で検査できる。同社が販売を予定する専用のPCR装置では約20分で済む。磁力を帯びた微細な粒子で検体中のウイルスを集める技術を用い、検査にかかる時間を短縮しつつ精度を高めた。
インフルエンザと新型コロナは症状だけでは診断が難しいとされる。冬にかけ同時流行が懸念され、政府は必要な検査体制の確保を急いでいる。
新型コロナのPCR検査の検体には、鼻奥の拭い液や唾液などが使える。唾液は鼻奥の拭い液と異なり医療従事者の感染リスクが低く、防護服の消費も抑えられる。
新型コロナとインフルエンザの感染を同時に判定できるPCR検査では、ビオメリュー・ジャパン(東京・港)が販売する試薬が7月に保険適用されている。鼻奥の拭い液が検体に使えるが、唾液は使えない。