リリー抗体薬はコロナ「出口戦略」に貢献、供給面で課題も-CEO
Riley Griffin-
感染急増で供給不足も-リックス氏がブルームバーグに語る
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利用者さらに増やせるよう「投与量低減を目指すのが別の戦略に」
米イーライリリーがカナダのバイオテクノロジー企業アブセレラ・バイオロジクスと共同開発したモノクローナル抗体医薬バムラニビマブが9日、新型コロナウイルス感染症(COVID19)向けで米食品医薬品局(FDA)から緊急使用許可(EUA)を取得した。リリーのデイビッド・リックス最高経営責任者(CEO)はEUA獲得後では初のインタビューに応じた。
バムラニビマブのEUAがコロナ治療に与える意味については「この日のファイザーのニュースもあり、出口戦略がある状態になった」と述べた。
今後の最大の課題は「スケールだ」と指摘。秋からの「極めて大規模な生産開始を決めた4月時点では、これら全てが必要になる可能性を予測していなかっただろう。しかし現状では(感染)急増のさなかにあり、供給不足に陥るだろう」と述べた。
最初の出荷分がどの程度速やかに患者に届くかについては、「今トラックに積んでいるところで、トラックが動けばできるだけ早くだ。8万8000回分が今夜、積載され、さらに同程度が1週間以内に積まれるはずで、全米の拠点に発送される」と語った。
別の臨床試験で予防面での有効性も確認された場合、供給へのさらなる制約要因にならないかとの質問に対しては、「大きな問題だ」と認めた。「確保できる時期に関する決定は4-5カ月のタイムラグがあり、現時点の製品は7月1日に生産開始を決めた。それ以降、海外の主要提携先の1つであるサムスンや高い供給能力を持つ米アムジェンを動員しており、冬季に供給を受けられるだろう」と述べた。
さらに「リリーが持つ複数の拠点も活用しており、最貧国でも入手できるようにデンマークにある富士フイルムの拠点使用についてゲイツ財団とも連携している」とした。その一方で、この薬剤を使用する人をさらに増やせるよう「投与量低減を目指すのが別の戦略になろう」と説明した。
原題:
Lilly CEO Sees Supply Squeeze for New Antibody Drug as Covid-19 Cases Surge(抜粋)