バヌアツ共和国

基礎データ

令和2年7月17日
バヌアツ共和国国旗

一般事情

1 面積

1万2,190平方キロメートル(新潟県とほぼ同じ大きさ)

2 人口

約29.3万人(2018年、世界銀行)

3 首都

ポートビラ

4 民族

メラネシア系(93%)、その他中国系、ベトナム系及び英仏人が居住。

5 言語

ビスラマ語(ピジン英語)、英語、仏語(いずれも公用語)

6 宗教

主にキリスト教(プレスビタリアン、ローマ・カトリック、アングリカン、セブンス・デイ・アドベンティスト等)

7 略史

年月 略史
1605年 キロス(スペイン人探検家)が発見。
1906年 英仏の共同統治下に入る。
1980年7月30日 独立(英連邦の一員)、サント島反乱鎮圧

政治体制・内政

1 政体

共和制

2 元首

オベッド・モーゼス・タリスH.E. Pastor Obed Moses TALLIS)大統領(2017年7月就任)

3 議会

一院制、議員数52名、任期4年

4 政府

  • (1)首相 ボブ・ロウマン(Hon. Bob LOUGHMAN)(2020年4月就任)
  • (2)外務・国際協力・貿易大臣 マーク・アティ(Hon. Marc ATI)(2020年4月就任)

5 内政

 バヌアツはかつて英・仏が共同統治を行ってきたことから英系と仏系の政党が政権争いを繰り返して内政は不安定な状態が続いてきた。

 2004年11月にボオール首相(仏系)が単独で台湾を訪問し、台湾との外交関係樹立のコミュニケを発表したが、ほとんど全ての閣僚は「一つの中国」政策を維持すべきとの立場を表明したため、ボオール首相は内閣で立場が孤立し、結局同年12月に内閣不信任動議が提出、可決され、新首相にハム・リニ(英系)が選出された。

 2008年9月に行われた総選挙では、エドワード・ナタペイ元首相率いるバヌアアク党(VP)が11議席、現職のリニ首相率いる国民連合党(NUP)が8議席をそれぞれ獲得。各党間の多数派工作の結果、ナタペイVP党首が首相に選出された。

 2010年12月、ナタペイ首相に対する内閣不信任動議が可決され、サトー・キルマン副首相兼貿易大臣が首相に選出されたものの、2011年4月、キルマン首相に対する不信任決議が可決され、過去に3度首相を務めた経験があるボオール氏が4度目の首相に選出された。その後5月、議会がボオール首相を選出したことは違憲との控訴審判決がなされ、キルマン氏が首相に復権したが、6月にバヌアツ最高裁が2010年12月のナタペイ首相(当時)の排除及びその直後のキルマン首相選出は違憲と判断し、ナタペイ元首相が暫定首相に任命された。その後6月に行われた選挙によりキルマン氏が再び首相に選出された。2012年10月の総選挙において、キルマン首相が再任された。

 2012年12月、キルマン首相に対して不信任決議案が提出され、2013年3月キルマン首相が辞任。バヌアツ議会は首相選挙を実施し、カロシル首相が選出された。

 2014年5月、カロシル首相に対する不信任動議が可決され、バヌアツ議会による首相選出投票でナトゥマン首相が選出された。

 2015年6月、ナトゥマン首相に対する不信任案が可決され、2010~2013年にも首相を務めていたキルマン外務・国際協力・貿易大臣が首相に選出された。

 2015年11月、国会議員の贈収賄事件をめぐる与野党の対立から、ロンズデール大統領はバヌアツ議会を解散。2016年1月に総選挙が実施され、2月にバヌアツ議会による首相選出投票でサルワイ首相が選出された。

 2017年6月、ロンズデール大統領が逝去し、サイモン議会議長が大統領代行に就任した。

 2017年7月、バヌアツ議会によりタリス大統領が選出された。

 2020年4月、同年3月に任期満了に伴い実施された総選挙後初の議会が招集され、議員による投票によりロウマン議員が首相に選出された。

外交・国防

1 外交

 外交関係の多角化、南太平洋諸国、特にPNG、ソロモン等メラネシア諸国との連帯強化、非同盟主義の推進、各地(ニューカレドニア等)の独立運動支援、反核政策推進。

2 国防

 軍隊はない。

経済

1 主要産業

農業、観光業

2 GDP

9.14億米ドル(2018年、世界銀行)

3 一人当たりGNI

3,130米ドル(2018年、世界銀行)

4 経済成長率

3.2%(2018年、世界銀行)

5 物価上昇率

2.9%(2018年、世界銀行)

6 総貿易額

  • (1)輸出 91.7百万米ドル
  • (2)輸入 331.9百万米ドル

(2018年、アジア開発銀行)

7 主要貿易品目

  • (1)輸出 コプラ、木材、カヴァ、牛肉、ココア
  • (2)輸入 機械・輸送機器、食料品、日用品

8 主要貿易相手国

  • (1)輸出 フィリピン、仏領ニューカレドニア、フィジー、パプアニューギニア
  • (2)輸入 オーストラリア、マレーシア、ニュージーランド、中国

(2018年、アジア開発銀行)

9 通貨

バツ(Vatu)
1バツ=約1円(2020年6月)

10 経済概況

 コプラの生産と自給自足農業を基盤とするが、都市部と農村部では大きな格差がある。恒常的な輸入超過で、赤字を外国援助で補填。近年は農業の多様化と観光振興に力を入れている。また、1997年半ばよりADBの協力のもと大規模な行政・経済改革である「包括的改革計画」を実施しており、2003年には中期計画として「優先課題・行動計画」を策定した。2003年、2004年は前年のマイナス成長を脱し、それ以降基本的にプラス成長を記録していたが、2015年3月、サイクロン・パムにより甚大な被害を受け、同年はマイナス成長に転じた。その後、公的インフラプロジェクトサービスセクターが経済を牽引し、2016年、2017年とプラス成長に転じた。マネーロンダリングのグレーリストから除外されたため金融セクターが成長し、観光業の成長等が経済成長にプラスの影響を与えたと考えられる。

経済協力

1 日本の援助

  2017年度 2017年度までの累計
(1)有償資金協力 なし 95.43億円
(2)無償資金協力 0.51億円 134.59億円
(3)技術協力 4.37億円 86.90億円

2 主要援助国

  • (1)豪州(46.7)、
  • (2)日本(21.5)、
  • (3)ニュージーランド(16.8)、
  • (4)フランス(4.0)

(単位:百万米ドル、2018年度、DAC)

二国間関係

1 政治関係

1980年7月
独立式典に秋田大助特派大使派遣
1981年1月
日・バヌアツ間に正式の外交関係開設
1993年11月
在京バヌアツ名誉領事館開設(2003年、閉館)
2018年1月
在バヌアツ兼勤駐在官事務所開設
2020年1月
在バヌアツ大使館開設

2 経済関係

(1)貿易額(2019年度、財務省貿易統計)
  • バヌアツへの輸出 12.7億円
  • バヌアツからの輸入 60.8億円
(2)進出日本企業数
3社(2018/2019年10月現在、外務省海外在留邦人調査統計)

3 在留邦人数

83名(2019年10月、外務省海外在留邦人調査統計)

4 在日バヌアツ人数

14名(2019年6月、法務省在留外国人統計)

5 要人往来

(1)往(1980年以降)
年月 要人名
1980年 秋田特派大使
1985年 森下元晴衆議院議員
1986年 浦野外務政務次官
1987年 倉成外務大臣
1991年 鈴木外務政務次官
2003年 矢野外務副大臣
2010年8月 西村外務大臣政務官
2011年10月 尾辻参議院副議長
2015年3月 薗浦外務大臣政務官
2019年12月 中山外務大臣政務官
(2)来(1982年以降)
年月 要人名
1982年 ソペ外務次官(中堅指導者招待)
1984年 リニ首相(外務省賓客)
1988年 レゲンバヌ文部相
1989年 ティマカタ大統領夫妻(大喪の礼)
1990年 リニ首相(国際花と緑の博覧会賓客)
1991年 リニ首相(外務省賓客)
1992年 ボール外相
1995年 コーマン首相
1997年 ボオール首相(第1回太平洋・島サミット)
2000年 ソペ首相(第2回太平洋・島サミット)
2001年 イアティカ蔵相(税制に関する東京会合)
2003年3月 ティティク土地・環境・地質鉱山・水道相(第3回世界水フォーラム)
2003年5月 ナタペイ首相(第3回太平洋・島サミット)
2004年2月 モリサ財務相
2005年6月 リニ首相
2005年7月 ブレ貿易・商業・観光相(万国博覧会賓客)
2006年5月 リニ首相(第4回太平洋・島サミット)
2009年5月 ナタペイ首相(第5回太平洋・島サミット)
2010年10月 ナタペイ首相(外務省賓客、太平洋・島サミット中間閣僚会合)
ナツマン外相(太平洋・島サミット中間閣僚会合)
2012年5月 キルマン首相(第6回太平洋・島サミット)
2013年10月 ナタペイ副首相(太平洋・島サミット第2回中間閣僚会合)
2015年3月 ロンズデール大統領(第3回国連防災世界会議)
2015年5月 ナトゥマン首相(第7回太平洋・島サミット)
2015年7月 イアティカ保健相
2017年1月 レンゴン外務・国際協力・貿易相(太平洋・島サミット第3回中間閣僚会合)
2018年5月 サルワイ首相(第8回太平洋・島サミット)

6 二国間条約・取極

  • 1987年 青年海外協力隊派遣取極
  • 2006年 技術協力協定

7 外交使節

(1)バヌアツ駐箚日本国大使
千葉 広久 特命全権大使
(2)本邦駐箚バヌアツ大使
任命されていない。
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