バイデン氏、コロナ対策チーム発表 国民にマスク着用訴え
【11月10日 AFP】米大統領選で当選を確実としたジョー・バイデン(Joe Biden)前副大統領(77)は9日、新政権の新型コロナウイルス流行対策を率いる専門家チームの顔触れを発表した。同時に米国民に対し、マスクを「政治的な意思表示」として捉えることはやめ、感染拡大を防ぐために着用するよう呼び掛けた。
バイデン氏は全米で新型コロナウイルス感染症(COVID-19)患者が急増していることを踏まえ、国を二分した大統領選挙が終わった今、ウイルスを打ち負かすという米国民「共有の目標」のため団結しなければならないと訴えた。
バイデン氏の政権移行チームは、疫学者や免疫学者、生物兵器防衛専門家ら13人からなる「移行COVID-19諮問委員会(Transition Covid-19 Advisory Board)」の発足を発表。委員には、4月にドナルド・トランプ(Donald Trump)政権によって生物医学先端研究開発局(BARDA)局長を解任されたリック・ブライト(Rick Bright)氏が含まれている。
バイデン氏と次期副大統領のカマラ・ハリス(Kamala Harris)氏は、デラウェア州ウィルミントン(Wilmington)で、同委員会の委員らとビデオ会議を開催。バイデン氏はその後の演説で、「どうか、マスクを着用してほしい」と懇願。「自分のために、隣人のためにやるように」と呼び掛け、「マスクは政治的な意思表示ではなく、国を団結させる上で良いスタートだ」と述べた。
バイデン氏はこの数か月、マスクを日常的に着用してきた。一方のトランプ大統領は、マスクをほとんど着用せず、野外で支持者数千人を集めて選挙集会を開催。参加者の多くがマスクを着用していなかった。
トランプ政権の科学者チームは、国内で感染者が急増し、今後気温が低下していく中で、米国人に対してマスクの着用を受け入れるよう訴えてきた。バイデン氏は「私たちは今も、非常に暗い冬に直面している」と指摘。「私は1月20日の就任後、この流行状況を好転させる努力を惜しまない」と言明した。(c)AFP/Angela Weiss, with Michael Mathes in Washington