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演劇・ミュージカル
涼風真世スペシャルインタビュー〈前編〉☆『エリザベート』ゾフィーのエリザベートに対する思いは…▽『貴婦人の訪問』再びクレアを演じるために必要なこと…
2016/08/20
ミュージカル『エリザベート』 9/4まで博多座で上演、その後大阪、名古屋公演あり
写真提供/東宝演劇部
ミュージカル『エリザベート』で皇太后ゾフィーを演じ、豊かな歌声と奥深い演技で観客に感動を与えた涼風真世さん。『エリザベート』全国公演の後は、待望の『貴婦人の訪問』再演が決定しています。『貴婦人の訪問』では謎めいた未亡人クレアを圧倒的な歌唱力で演じ、涼風さんの代表作の一つに。涼風さんにこの二作品についてたっぷり語っていただきました。
様々なゾフィーの心情や心の変化を
限られた場面でお客様にお届けしたい
――現在全国公演中の『エリザベート』。涼風さんは以前エリザベート役で出演され、今回から皇太后ゾフィー役で出演されています。再び出演されていかがでしたか?
私自身、この作品が大好きなんだ。と改めて感じました。宝塚で初めて『エリザベート』の楽曲を歌わせていただいてから、何年の歳月が流れたのか(筆者注・涼風さんの最後のバウホール公演である『ロスト・エンジェル』で、作・演出の小池修一郎さんが『エリザベート』の楽曲を使用。涼風さんが「闇が広がる」などを歌った)。『エリザベート』も日本初演から20年。この節目の年にゾフィーを演じ、御縁を感じています。今は毎回の公演を集中し、ゾフィーとして生き、充実した毎日です。
――ゾフィーという役は皇帝フランツの母であり「宮廷でただ一人の男」と呼ばれる強い女性です。涼風さんのゾフィーは「皇后の務めは自分を殺してすべて王家に捧げること」とエリザベートに厳しく当たる一方で、彼女の奥にある人間性や愛情が最後に垣間見えたのではないかと思います。
ゾフィーも人間であると私はとらえたんです。ゾフィーは最初から“宮廷でただ一人の「男」”と言われる女性ではなく、エリザベートのように純粋な心と自由を求めて生きたい。と願う青春があったのではないか。けれど、自分の立場を理解し、従い、皇后としての義務を果たすことが今後の生き方だと感じたのではないか。フランツを生んだことで皇帝として育てる覚悟に目覚めたのではないか。様々なゾフィーの心情や心の変化を限られた場面でお客様にお届けしたいと思いました。
写真提供/東宝演劇部
ゾフィーのエリザベートに対する思いは……
――ゾフィーはエリザベートに対してどんな思いを抱いていたんでしょうか?
決して嫌いではない。愛情の裏返しがあったのではないか、と考えました。ゾフィー自身が経験したことをエリザベートに求めただけなので、当然従うと彼女は思った。人間はひとりひとり違う人格を持っている事を感じても、認める事をしなかったのかもしれません。
――では、『皇后の務め』のナンバーでゾフィーがエリザベートに対して「親切で言うのよ」というところがありますが、あれは本心?
本心です。ゾフィーはエリザベートが羨ましかったのかもしれませんね。「乗馬の稽古を」とエリザベートに言われたときも、自分も経験したかったことをエリザベートが少女時代にのびのびと経験していたと感じて思わず「ダメよ!」と声を荒げてしまう。ゾフィーはエリザベートとは血もつながっているし、近い存在。自分と似ているところがあるからこそ、厳しく接したんだと思います。
写真提供/東宝演劇部
――ゾフィーの隠された心情が最後に明かされるのが「ゾフィーの死」のナンバーです。
まさに、ゾフィーの心情が全て現れた場面だと思います。皇太后として生き、母としてフランツを皇帝に育て上げた。今後も息子は私を理解し、常に敬い、慈しむと思っていた・・・。それなのに、フランツから烙印を押されてしまう。母としての絶対で確固たる強さは崩れ果ててしまうんです。毎回、歌の歌詞を噛みしめながら大切に歌っています。
――こうして涼風さんからお話をお聞きすると、改めて『エリザベート』という作品の奥深さを感じます。
この作品は「死」すなわちトートが物語を制覇しながら進んでいく作品だと感じています。人間より素敵なトートが迎えに来てくれたら、死は怖くないと思えるかもしれませんね・・・。
――東京公演を経て、全国公演で多くの方が『エリザベート』観劇を心待ちにしていらっしゃると思います。
そうですね。私自身、ゾフィーを大切に日々、緊張感を保ち、新鮮な気持ちでお客様にお届け出来るよう頑張りたいと思います。
9/4(日)まで福岡公演・博多座で上演中!
9/11(日)~30(金)大阪公演・梅田芸術劇場
10/8(土)~23(日)名古屋公演・中日劇場
脚本/歌詞:ミヒャエル・クンツェ
音楽/編曲:シルヴェスター・リーヴァイ
演出/訳詞:小池修一郎
出演:
エリザベート: 花總まり/蘭乃はな
トート: 城田優/井上芳雄
フランツ: 田代万里生/佐藤隆紀(LE VELVETS)
ルドルフ: 古川雄大/京本大我(ジャニーズJr.)
ゾフィー: 涼風真世/香寿たつき
ルキーニ: 山崎育三郎/成河
ほか
■□■BUTAKOME☆Information ■□■
ミュージカル『貴婦人の訪問 THE VISIT 』
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チケット購入はチケットファンへ
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演出:山田和也
出演:山口祐一郎、涼風真世、瀬奈じゅん、今井清隆、石川禅、今拓哉、中山昇ほか
日時:2016年11月16日(水)・20日(日)・30日(水)13:30、
2016年11月17日(木)・29日(火)18:30、
2016年11月19日(土)18:00
料金:〈平日〉S席12,500円 ⇒ 特別価格 11,900円
〈土・日曜〉S席12,500円 ⇒ 特別価格 12,300円
会場:シアタークリエ(日比谷)
※未就学児の入場不可
※11/3~5シアター1010、11/12~12/4シアタークリエで上演、その後全国公演あり
詳細はミュージカル『貴婦人の訪問 THE VISIT 』公演HPへ
※画像およびテキストの転載を禁止します。
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