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演劇・ミュージカル
インタビュー
山崎育三郎さんスペシャルインタビュー☆ミュージカル『モーツァルト!』
2018/01/19
今年5月、4年ぶりにミュージカル『モーツァルト!』が帝国劇場に帰ってきます! 主演(Wキャスト)を務めるのは、これが三度目の挑戦となる山崎育三郎さんと、ニューフェイスの古川雄大さん。これまで中川晃教さん、井上芳雄さんが演じてきたヴォルフガング・モーツァルトという大役を引き継ぐ山崎さんには、今回、経験者としてのリーダーシップや、その進化にも熱い期待が注がれています。今や舞台のみならず、映像の分野でも華々しい活躍を見せる山崎さんに、本作への思い、昨年末までの自身の変化やその実感などについて、たっぷりとうかがってきました。
——2010年公演、2014年公演に続く、三度目の『モーツァルト!』への挑戦ですね。
4年おきに……オリンピックですね(笑)。そうか、『モーツァルト!』ってそんなに間が空いていたんですね。もっと短いスパンでやっていたような感覚があって…。この役は本当に、自分のすべてを出し切らないとできないんです。今の自分をさらけ出す、丸裸になるような役。だから、今の自分に何ができるのかが楽しみなんです。この数年で、自分自身の環境が想像もつかなかったくらいに変わっていっているので、今、30歳を過ぎた自分が『モーツァルト!』に向き合った時に、どんな風に感じるんだろう? その感覚を大事にしたいなと思っています。最初に演じた時は僕、23歳でしたから。
——2010年に初めてヴォルフガング役を担った時と、2014年の再演の時を比べても、きっと大きな変化を感じていたのでは?
そうですね。2010年の時はもう、しんどかった記憶しかなくて(笑)。通し稽古で一幕が終わった後、もうできない!と思いましたから。無我夢中で一幕をやり過ぎたのもあるんですけど、立てなくなっちゃって、二幕なんかできないっ! と思ったくらいつらかった。そんな時、山口祐一郎さんが「大丈夫だよ〜。カッコいいよ〜今日も〜」って毎回言ってくれたんです。優しいな〜って。(一同笑! 祐一郎さんの声真似をする山崎さん、すごく似てます!)
写真提供:東宝演劇部(2014年公演より)
それこそ2010年の時は、芳雄さんとちゃんと話した記憶もないんですよ。自分自身でいっぱいいっぱいだったから。でも2014年の時は、いろんなコミュニケーションを取りながらできたように思います。演出の小池修一郎先生に、4年経ってこういうこともできるようになったというところを見せたい、そんな思いもありました。でもやっぱり、4年経ったとはいえ楽にできる役ではないので、大変でした。あらためてすごい作品だな!と思ったし。
例えるなら、飛行機に乗った気分になるんですよ。この舞台って始まってしまうと、自分でコントロールしなくても、役と作品が最後まで連れていってくれるんです。気がついたら終わってた、という感じで(笑)。集中力はものすごく使うんですよ。でも一回乗っかったら、ふわ〜んって作品が最後まで連れていってくれる感覚。役に自分をゆだねる、というか。だから「何かをしてやろう」なんて考えたりできなかったです。
——その感覚を、また今年も味わうことになるのでしょうね。今回Wキャストでヴォルフガング役を担うのは、初参加となる古川雄大さんです。
芳雄さんが「モーツァルトが亡くなった年齢で卒業する」と言っていて、ホントかな?と思っていたら本当だとなった時に、僕は直感で「次は雄大だな」と思ったんです。彼のステージを初めて観た時から、すごく華があって魅力的で、この人はスターになるだろうなと思っていたから。ずっと以前に本人にも「次のヴォルフガングは絶対、雄大だよ」って言ったことがあって。「そんな、俺なんか無理っすよ」って言ってたけど(笑)、やっぱりなと。彼も今、すごく緊張しているとは言ってましたね。
——芳雄さんがやって来られたように、次は山崎さんが先頭に立たないと、ですね。
雄大は後輩ではあるけれど、年齢は二つしか違わないですからね。雄大は「先輩」と言ってくれるけど、僕はその意識はありません。一緒に作品を作っていく仲間は先輩も後輩もないと思うし、ヴォルフガングは「どれだけ自分と向き合えるか」という役なので。俺について来い、なんて気持ちはまったくないけど(笑)、彼が作品に集中できるような存在ではいたいと思います。
——先ほどの「自分でコントロールするのではなく、役にゆだねる」というお話と矛盾するかもしれませんが、ヴォルフガングをどのような人間として表出できたら……といった思いはありますか?
純粋でいたいなと思います。自分の思いや言っていることに、嘘のない人間として…。うーん、でも言葉で説明するのは本当に難しいんです、ヴォルフガングって。稽古が始まれば、自分の中で見えてくるものがあると思うんですけど。今回、自分がどのように役を思うのか、まだわからないので。2010年と2014年でも、やってみて違うものが見えてきましたから。
■□■BUTAKOME☆Information ■□■
Photo by Leslie Kee
ミュージカル『モーツァルト!』
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リビング半館貸切公演・予定枚数販売終了
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脚本/歌詞:ミヒャエル・クンツェ
音楽/編曲:シルヴェスター・リーヴァイ
演出/訳詞:小池修一郎
出演:山崎育三郎、木下晴香、和音美桜、香寿たつき、山口祐一郎、市村正親、ほか
【リビング新聞・半館貸切公演】
日時:2018年6月17日(日)12:30
料金:S席13,500円→12,900円 SOLD OUT
A席 9,000円→8,500円 SOLD OUT
B席 4,000円→3,800円 SOLD OUT
会場:帝国劇場
※公演の詳細は公式サイトへ
※画像およびテキストの転載を禁止します。
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