「永遠の0」に出演するまで、戦争を背景にした題材のものを演じたことがありませんでした。今回の出演の話がきたとき、また新しい自分が見せられるんじゃないかなと思い、手を挙げさせてもらいました。
佐伯健太郎という人
僕の演じている佐伯健太郎は、大学を卒業後、司法試験に何度も落ちている、ちょうどその頃、おばあさんが死に、おじいちゃんはあなたの本当のおじいちゃんじゃない、ということをいわれ、フリーライターのお姉さんになかばむりやり誘われて本当のおじいちゃんのことを調べ始めます。
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そうすると、どんどん自分でも興味がわいてくるんですよね。自分のこれまでとは違って司法試験の勉強だけではなく、自分のおじいちゃんのことを知りたい、家族のことを知りたいと思ってくるようになる、そういう役どころです。
健太郎が本当のおじいちゃんの生い立ちを聞き、自分のルーツをたどるところが、ドラマの始まりになるわけです。だからこの作品の出演が決まったときに、自分自身もそういうことをやってみようと思いました。
学徒兵だった祖父の気持ちを思う
僕のおじいちゃんも、戦争体験者でした。
おじいちゃんは、3、4年前に死んじゃっているので、お母さんに聞きました。実際に戦場には行かなかったのですが、学徒兵として召集がかかり、特攻隊員として適性検査を受けたそうです。視力がよくなかったので、落とされてしまったようですけど、もし目がよくてほかの人と同じように受かっていたら、もしかしたら僕はこの場所にいなかったかもしれない。そう思うと、言葉では表現できない感情がわいてきます。
おじいちゃんとしては、自分が校舎で勉強しているなか、友達はどんどん試験に受かって訓練を受けて、命を散らしていくという現実を肌で感じながら、すごくつらかっただろうな、悔しかっただろうな、と。そんな気持ちを察すると……。今では考えられない時代だったなと思います。