NZXT「H510」はデザイン性だけでなく作業性も高いケース

メインスペース(アップ)電子機器・情報機器
スポンサーリンク

 ここでは、NZXTの「H510」というPCケースを紹介しています。シンプルなデザインに惹かれて購入したのですが、ケーブルの配線についてしっかりと考えられており、機能性と作業性が思った以上に良かったです。

【2020年8月版】子猫でもわかる!自作PCの組み立て方【図解】
パソコンの組み立て方を写真付きで説明しています。これからパソコンを作ってみようという方やintel旧世代CPUからAMDのRyzenシリーズのCPUを採用したパソコンに変更しようとしている方に役立つ内容になっています。
スポンサーリンク

低価格でありながらもデザイン性と機能性が高いPCケース

H510(H510B)

 NZXTの「H510」はコンパクトタイプのミドルタワーケースです。スマートデバイス搭載モデルの「H510I」と、スマートデバイス非搭載モデルの「H510B」の二種類があり、ボディカラーはそれぞれ三色ずつ用意されています。

 「H510」シリーズは、高級感のある外観と綺麗に配線を行える内部の工夫が売りのPCケースとして人気を不動のものにしています。

 「H510I」には「SmartDevice V2」が搭載されており、最大2系統のCAM対応RGB LED機器の取り付けが可能となっています。NZXTのWebサイトからCAMソフトをダウンロードすることでLEDの光らせ方や冷却ファンの設定を変更することができます。

 私はスマートデバイス非搭載モデルの「H510B」を選びました。アマゾン等の一部ウェブサイトでは「H510」と表記されているようです。

 人気のカラーはホワイトのようです。しかし、ホワイトは売り切れで入荷未定だったこともあり、悩んだ末にマットブラック×ブラックを選びました。

 ケースの内部には冷却ファンをたくさん取り付けることができ、冷却性能はきわめて高いといえます。吸気箇所がしっかりと設けられているため、エアフローに不安はありません。さらに、吸気部には防塵フィルターがセットされており、埃が入りにくくなっている点が特徴です。

ケースの概要

製品型番スマートデバイス搭載モデル
 (黒/黒) 「CA-H510I-B1」
 (白/黒) 「CA-H510I-W1」
 (赤/黒) 「CA-H510I-BR」
スマートデバイス非搭載モデル
 (黒/黒) 「CA-H510B-B1」
 (白/黒) 「CA-H510B-W1」
 (赤/黒) 「CA-H510B-BR」
前面
インターフェース
USB 3.1 Gen 1 Type-A×1
USB 3.1 Gen 2 Type-C×1
ヘッドセット用3.5mmミニジャック(4極)×1
カラーマットブラック/ブラック
マットホワイト/ブラック
マットブラック/レッド
対応ファクタATX、Micro ATX、Mini-ITX
増設2.5インチシャドウベイ:2+1
3.5インチシャドウベイ:2+1
拡張スロット
冷却ファン前面:140mm×2(または120mm×2)
天面:120mm×1装着済み(または140mm×1)
背面:120mm×1装着済み
対応冷却
ラジエーター
前面120mm×2(または140mm×2サイズ)
後部120mm×1サイズ
各種取り付け
スペース
裏配線スペース:19-23mm
GPUの長さ:381mmまで
CPUクーラーの高さ:165mmまで
前面ラジエーター:60mm
背面ラジエーター:60mm
材質スチール、ガラス
サイズ幅 210mm × 高 460mm × 奥行 428mm
重量約 7kg

(参考)
H510(NZXT公式サイトの製品ページ)

スポンサーリンク

シンプルで落ち着きのある外観と内部配線に工夫がみられるケース

H510の外箱

 「H510」は購入時点で在庫のあったアマゾンから購入しました。外箱の段ボールにはビニールのカバーがかかった状態で届きました。

 箱の角が若干凹んでいましたが中身には問題がなく一安心。

H510PCケース本体

 「H510」はスチール製のPCケースですが、重量が7kgということもあって鉄板がペラペラという印象です。

 こちらがPCケースの裏面にあたる部分です。パネルを外すとストレージと電源の取り付けを行えます。また、こちら側から裏配線を行います。

天板

 ケースの天井部分は凹凸がなく平板になっています。電源ボタンやUSBコネクタは前方に右側にあり、冷却ファンは後方にあります。

天板の12cmケースファン

 冷却ファンのサイズは、12cmまたは14cmとなっています。12cmの冷却ファンが標準で取り付けられています。

電源ボタンとUSB端子

 天板の手前には右端から電源ボタン、USB 3.1 Gen 1 Type-A、USB 3.1 Gen 2 Type-C、ヘッドセット用3.5mmミニジャック(4極)(CTIA規格)が設置されています。

 ミニジャックはものすごく固く、イヤホンの取り付け取り外しに苦労しました。その後、イヤホンを別のパソコンに戻したところノイズが混ざるようになってしまいました。端子に傷が付いてしまったと思われます。高価なヘッドホンをいきなり使用せずに、100均のイヤホン等で抜き挿しを試してみることをおすすめします。

 ミニジャックは二股の分岐ケーブルが付属しているため、ヘッドホン(またはイヤホン)とマイクを別々に取り付けられます。最初から分岐ケーブルを使う方が無難かもしれません。見栄えは悪くなります。

 電源ボタンの周囲はホワイトLEDが円状に光るようになっています。リセットボタンはありません。

リセットスイッチキット

 (追記)リセットボタンを追加しました。コネクタをマザーボードのピンに挿すだけです。

 スイッチはケース外に出さずに内部に配置しています。

ケーブルの長さは50cm

 ケーブル長は50cmあるため一般的なPCケースであれば短いということはありません。「H510」にも十分な長さです。

 リセットスイッチをお探しの方はアイネックス社の「リセットスイッチキット(PA-045A)」がおすすめです。私が購入した時は268円でした。

斜めから見たH510

 前面も側面も平板でシンプルな構造になっています。鉄板は薄く指で押すとペコペコと凹みます。とはいえ、ケースがその分軽くなっていることを考えると悪くはありません。

吸気口と防塵フィルター

 側面パネルの前方には吸気口が設置されており、裏側から取り外し可能な防塵フィルターがセットされています。

前面パネルのロゴ

 前面パネルの下部には「NZXT」のロゴが薄らと見えます。

側面のガラスパネル

 こちらはガラスパネルになっており、マザーボードが見えるようになっています。内部が見えるとRGB LEDによる発光パタンの変化を見られるだけでなく、CPUファンの回転数を大まかに確認することができます。

ガラスパネル用の手回しネジ

 ガラスパネルは手回しネジ1本で簡単に外すことができます。ガラスパネルの取り外しは最初の数回に関しては慣れが必要ですが、ちょっとしたコツが分かればとても簡単に取り付け取り外しができます。

メインスペース

 ガラスパネルを外した状態です。下部は電源とストレージを収めるスペースになっています。

メインスペース(アップ)

 内部のメンテナンスは本当に簡単に行えます。

前面パネル裏側と配線部

 右側がケース前面になります。前面には140mmの冷却ファンを2基、または120mmの冷却ファンを2基設置するすることができます。冷却ラジエーターの場合は、前面120mm×2または140mm×2サイズとなっています。

 写真中央の「NZXT」ロゴの部分から裏側に配線を回していく形になります。

マザーボード取り付け部と背面パネル

 こちらがケースの後方です。

マザーボード取り付け部

 マザーボード取り付け部には、スペーサーがATX規格の配置で予め取り付けられています。マザーボードの規格によってはスペーサーを適切な位置に変更する必要があります。

電源とストレージ取り付け部

 マザーボードを取り付ける中央の空間と電源やストレージを取り付ける下部の空間がパンチングされたパネルによって仕切られています。ケーブルが取り回せるような工夫があるため不便を感じることはまったくありません。

排気用の12cmケースファン

 ケース背面には12cmのケースファンが標準で取り付けられています。

天板裏の12cmケースファン

 こちらはケース天井部に取り付けられた12cmファンを内部から見上げた状態です。

背面パネル上部

 こちらがケースの背面です。背面パネルには12cm1個しか取り付けられません。

背面パネル下部

 拡張スロットは7本分用意されています。ATX規格のマザーボードをフル活用することができます。

 また、このケースはグラフィックボードの縦置きに対応しています。右側のパネルを着脱することができます。手回しネジが上下に二つ付いていますが、最初はドライバーを使わないと外れません。

 なお、ライザーケーブルは別途購入する必要があります。

作業性の高い裏側の配線部

 ケース側面(裏側)のパネルを取り外すとストレージの取り付け箇所や配線の固定部があります。

 裏配線はケーブルガイドが設置されているため、とてもスムーズに行うことができます。また、フラット以外の丸みを帯びた電源ケーブルでもパネルは問題なく閉まります。

2.5インチSSD取り付け部

 ちょうどマザーボードの裏側にあたる部分に2.5インチのSSDを2個取り付けることができます。

前面パネルのケーブル

 フロントパネル用のケーブルが上部から垂れ下がっています。

便利な配線ガイド

 ケーブルガイドを上手く利用することで、綺麗に配線することができます。

前面パネル用の各種ケーブル

 各種ケーブルが収められています。ケーブルは長さ的に困らない程度の長さになっています。

【注意点】
 ケース上部にあるUSB 3.2 Gen 2 Type-Cを使用する場合は、マザーボードに「内側20ピンKey-Aコネクタ」が必要になります。このコネクタは廉価グレードのマザーボードには搭載されていません。したがって、多くの場合にそのままでは使用することができません。

 USB 3.2 Gen 2 Type-Cを使用したい場合は、「内側20ピンKey-Aコネクタ」が搭載されたマザーボードを購入するか、もしくはPCI-Eスロット用の拡張カードを追加購入して装着する必要があります。

 入手が比較的容易な拡張カードは、SilverStone社から販売されている次の二つの製品です。ただし、後者の製品はコネクタの形状を変換するだけで、データ転送速度はUSB3.1 Gen1となります。

3.5インチシャドウベイ

 3.5インチシャドウベイが2個分用意されています。

電源取り付け部

 電源を設置する空間です。左側に空間がある程度あるため作業はしやすいです。

着脱可能な防塵フィルター

 下部に付いている防塵フィルターは清掃のために取り外すことができます。ただし、ケースの後から引き出すタイプになっているため、ケースを壁際に設置している場合は使いにくいかもしれません。キャスター付きのCPUスタンドの利用をおすすめします。

後方から引き出すフィルター

 取り外しと取り付けはスムーズです。

右側面のフィルター

 こちらは側面パネルの吸気口と防塵フィルターです。防塵フィルターの目は粗いので、気になる方はエアコンフィルターなどを取り付けると埃の侵入を少しは防げます。

前面パネル下部の吸気口

 ケース前方の下部にも吸気口が付いています。防塵フィルターは外せそうです。

付属品

 付属品と簡易説明書。

ケーブルとネジ類

 ネジ類など最低限のものは揃っています。

スポンサーリンク

一度使えば人気の理由が分かる機能性の高いデザイン

かわいい箱のデザイン

 「H510」は、シンプルかつ落ち着きのあるデザインで洗練された印象を受けます。内部の作りも価格を考えるとすごく良くできています。配線のことが考え尽くされています。裏配線が綺麗に行えるため、ガラスパネルから見たときにメインの空間がすっきりします。メモリやケースファンの追加を行うときの作業性は抜群に良いです。

 しかも、価格は1万円を切っています。2020年6月の購入時点の価格は約9,300円でした。

 ガラスパネル採用のPCケースは今回初めて使用しましたが、内部が見える点は本当に便利だと痛感しました。各種ファンが問題なく稼動していることが確認できる上、内部の埃のたまり具合なども確認できます。

 遮音性や静音性は、吸気口が複数あることからも分かるように、それほど高くはありません。この点は冷却性能と引き替えということでしょう。

 注意点を一つ挙げると、USB3.1Gen2 Type-C端子用の内部コネクタが特殊な(新しい)コネクタ(20ピンKey-Aコネクタ)になっているということです。このコネクタは比較的高価なマザーボードにしか付いていません。なぜ低価格帯のPCケースにこの端子を採用したのかメーカーの意図が理解できません。変換用のパーツは他社からいくつか販売されていますが、高価なためわざわざ追加する価値を見出せません。

 総合的にみると、デザイン性に優れておりとても満足感の高い製品といえます。「H510」を検討中の方は、上記の注意点を理解した上で、ケース全体のデザインが好みであり、配線のしやすさを求めるのであれば、選んでも十分に満足することができます。

ASRock「B450 STEEL LEGEND」は本当に最高のマザーボードだった!
昨年から人気が続いているB450マザーボードの代表ASRock「B450 STEEL LEGEND」を画像とともに見ていきます。コストパフォーマンスは抜群で、本当に買って良かったと思える製品でした。
【2020年8月版】子猫でもわかる!自作PCの組み立て方【図解】
パソコンの組み立て方を写真付きで説明しています。これからパソコンを作ってみようという方やintel旧世代CPUからAMDのRyzenシリーズのCPUを採用したパソコンに変更しようとしている方に役立つ内容になっています。
:)