熱烈なトランプ支持者にとって、トランプ大統領は「神から選ばれた人物」であっても、反トランプ派からみれば4年間のうちにあらゆる意味で「カオス」(混沌)しか起こさなかった。トランプ大統領を輩出してしまったことに対し、アメリカの政治制度から学ぶことはないのだろうか。
将来的にはトランプよりさらに権威主義的、しかも政治の世界を上手に泳げるような独裁者の要素を持つ人物が出てくる可能性を考えると、アメリカの民主主義は危険な綱渡りをしているようにも見える。
ともかくは今後、1月までトランプ大統領は在職中に自分の利益にかなったことをできるかぎり遂行するはずだ。気に入らない人物をさらに解雇し、忠実だった側近たちだけでなく自分自身を「恩赦」するかもしれない。さらに、次期政権の移行チームへの妨害も予想されている。
なにはともあれ、世界中で感染者数が5000万人を超え、死者は累計で126万人を超えた。欧州各国は厳しいロックダウンを再度、強いることでコロナ感染への抑制に苦心している。アメリカも今後、2ヵ月のあいだにコロナ感染への劇的な方向転換による対策を行わないかぎり、専門家がいうように、「暗黒の冬」を迎えることになりそうだ。