トランプ大統領のツイッターのフォロワーは8800万人ともいわれ、トランプ支持者たちは「デジタル世界というバブルの中のトランプ・ワールド」にいるためか、トランプを全面的に信じて疑わない。トランプの支持基盤のファンたちは、今も追随している。
一体、「トランプ現象」とは、何だったのか。トランプが出馬したとき、多くの人々の心をつかんだのは、豊かな生活から取り残されてしまったと思う人々の不満に訴えることができたためで、これはトランプが去ったあとも深い傷となって残るのだろう。1980年代から確実に開いてきた格差の是正は一筋縄ではいかない。
トランプ支持者は「コロナはたいしたことはない」という楽観的な憶測を聞きたがり、バイデン支持者はコロナ対策を重要視したことが票の増加につながったといわれる。コロナ対策では両者は対照的で、コロナ感染がなければトランプが再選されていたにちがいない。
アメリカではコロナ感染がますます広がっている。11月から毎日10万人の感染者が出ており、このまま感染者が増え続ければ、1日の感染者は20万人以上にも達するという予想だ。
ワシントン州立大学の研究所は、2ヵ月後のバイデン次期大統領の就任式までにアメリカの死者は累計で37万人になると推定している。
トランプ大統領の選挙キャンペーンや選挙後の「集計詐欺疑惑デモ」ではいずれも群衆の多くがマスクもせずに至近距離で集まっている。選挙前から常に「郵便投票詐欺」を繰り返し言い続けるトランプ大統領の支持者たちのあいだで、今後、感染者は必ずや増えるだろう。
バイデン次期大統領は政権移行チームのホームページを立ち上げ、コロナ対策緊急対処班を結成したが、以前として敗北を認めようとしないトランプ大統領はできるかぎり政権移行チームのコロナ感染対策を妨害し、自らの敗北を認めることはなさそうだ。
バイデン次期大統領は、アメリカが二分され、全国民の半分近いアメリカ人がどのようなことがあってもトランプ支持をやめない「ダイ・ハードなトランプ支持者」であることを覚悟しなければならならず、困難極まる政権のはじまりを迎えようとしている。