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理にかなわないが…帯津医師「ホメオパシー」のがん患者への「有効性」実感

連載「ナイス・エイジングのすすめ」

帯津良一(おびつ・りょういち)/帯津三敬病院名誉院長

帯津良一(おびつ・りょういち)/帯津三敬病院名誉院長

※写真はイメージです (GettyImages)

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 日本でも、ホメオパシーが問題になったことがあります。しかし、残念なことに日本では科学論争というより、ホメオパシーを断罪するというものでした。きっかけは、2009年に起きた乳児の死亡事件です。ビタミンK欠乏症の生後2カ月の女児がビタミンK2シロップを与えられないことで死亡しました。助産師がホメオパシーの錠剤をシロップの代わりにしていたというのです。この事件は親が助産師を訴える訴訟になりました。

 私はがんの患者さんにホメオパシーを処方しています。その有効性は20年の経験を踏まえて実感しています。ですから医師、歯科医師、薬剤師を会員とする日本ホメオパシー医学会もつくりました。現在は無理でも、将来にはホメオパシーの原理が科学的に解明されることを願っています。

 私は「理にかなわない事象」であっても、それが患者さんのためになるなら利用すべきだと考えています。ただし、それは西洋医学、東洋医学、様々な代替療法を踏まえた上でのことです。ビタミンK欠乏症などは西洋医学が最も得意とする分野です。しっかりした医学知識を持たずにホメオパシーを振り回すことは戒めなければいけません。

帯津良一(おびつ・りょういち)/1936年生まれ。東京大学医学部卒。帯津三敬病院名誉院長。人間をまるごととらえるホリスティック医学を提唱。「貝原益軒 養生訓 最後まで生きる極意」(朝日新聞出版)など著書多数。本誌連載をまとめた「ボケないヒント」(祥伝社黄金文庫)が発売中

週刊朝日  2020年10月30日号


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帯津良一

帯津良一(おびつ・りょういち)/1936年生まれ。東京大学医学部卒。帯津三敬病院名誉院長。人間をまるごととらえるホリスティック医学を提唱。「貝原益軒 養生訓 最後まで生きる極意」(朝日新聞出版)など著書多数。本誌連載をまとめた「ボケないヒント」(祥伝社黄金文庫)が発売中

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