平成アイドル水滸伝~宮沢りえから欅坂46まで~
第9回 華原朋美とPerfumeの巻~プロデューサーと平成女性アイドル【後編】
(前回の続き)ただし、華原朋美に対する小室哲哉のようにファン気質が強すぎて愛情過多になってもプロデューサー業はままならない面があるだろう。アイドルファンの気持ちをなくしてはならないが、一方でアイドルへの醒めた感覚、ひいては理想のアイドルを創造して世に問うてみたいという野心もプロデューサーには必要だ。
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中田ヤスタカによるPerfumeのプロデュースには、そうした面がより濃く感じられる。
地元広島を中心にローカルアイドル的な活動をしていた3人が上京したのが2003年。同時に中田ヤスタカをプロデューサーに迎え、テクノポップ路線に転換した。さらにその後2005年にメジャーデビューすると近未来色の強いテクノポップへとシフトしていく。そして一躍ブレークしたのが、ご存知の通り2007年の「ポリリズム」である。
この「ポリリズム」をはじめとしてPerfumeの楽曲には、MVによるビジュアル面なども含めてきわめて精巧に構築された作品の趣がある。複雑なリズムを盛り込んだテクノポップに乗って流れるエフェクト処理の施された3人のボーカル。またスタイリッシュな映像とフィットした一糸乱れぬ3人のダンス。
それはひとつの「世界」と言うにふさわしい。そこには、プロデューサーである中田ヤスタカの意思が隅々まで浸透し、細心の注意のもと歌やダンスなどのパーツが配置されているのが感じられる。「アイドルとはひとつの世界観を表現するためのメディアである」という中田ヤスタカの声がどこからか聞こえてくるようだ。
それは、同じく彼のプロデュースによって2011年にメジャーデビューし、「PONPONPON」「つけまつける」などヒット曲を連発したきゃりーぱみゅぱみゅにも言えることだ。彼女もまた、原宿系カルチャーを体現するメディア的存在であり、中田ヤスタカのプロデュースは、そんなアイコンとしての彼女を素材にして原宿系のコンセプトである「カワイイ」を楽曲とMVで表現して余すところがない。
ただしきゃりーぱみゅぱみゅもそうだが、Perfumeは単なる操り人形ではない。
アクターズスクール広島時代から鍛えられた3人のダンスの上手さは折り紙付きだし、生の歌唱力にも定評がある。つまり、確かな技術と表現力がある。また番組のMCもそつなくこなし、キャラクターやトークの面白さもある。
その意味では、彼女たちのアイドル力は水準を超えている。だがだからこそ、中田ヤスタカの提示しようとする世界観の表現手段になりきる彼女たちの潔さが際立つ。その一周回った感じが平成的だ。
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