新発見が続くティラノ研究、「殺戮モンスター」と名付けられた新種も

超肉食恐竜ティラノサウルス徹底研究!
小林 快次, MOVE編集部 プロフィール

発見されたテラトフォネウスの化石は、大人になりきっていない亜成体で、全長は5メートル程度。外見的には特徴は、前後に短い頭部の形状につきます。しかし、それ以上に興味深いのは、発見された場所でした。

これまでのティラノ軍団一軍メンバーたちは、北米大陸とアジア大陸から見つかったものばかり。北米に限ると、すべての一軍がアメリカとカナダの国境付近で発見されているのです。

そのため、一軍メンバーは涼しい地域を好むと思われていたのですが、テラトフォネウスはそこから約1000キロも南のユタ州に棲んでいました。南北に1000キロも移動すると、気候も植生も大きくことなりますから、これは生物学的にも意味のある着眼点です。

つまり一軍たちは、環境の違いなどものともせずに、我が物顔で広く北米大陸を支配していたことになります。

 

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