初めにお断りしておきますが、電源ケーブルや電源タップへの投資を私は否定しているわけではありません。確実に音が変化する部分ですので十分なスキルをお持ちの方は、この部分をどんどん変更し、ご希望の音作りをするべきです。生半可な気持ちと財力ではゴールに到達できないというのが私の持論です。
オーディオを始めるとさまざまなケーブルが気になり始めます。ケーブル交換で音が変わることはプラシーボ効果だという意見もありますが、数万円の機器でも確実に音が変化します。
もっとも音の変化が大きいのは「電源ケーブル」と「電源タップ」です。プラシーボ効果であるかどうかは身近にある電源タップを機器と電源コンセントの間に入れてみるとわかります。
結論)
- 電源ケーブルは購入した時に付属しているものから変更してはいけない。
- 同じメーカーから高品質とうたわれているケーブルがある場合でも変更してはいけない。
- 電源タップは壁の電源コンセントの延長をイメージした良質な一般品を使う。(簡単な工作が必要となります)
電源ケーブルを変更すると概ね以下のような変化があります。変化の度合いは購入した電源ケーブルによりさまざまです。
- 低域が増える→バランスが崩れる
- 高域が増える→バランスが崩れる
- 音が広がる→音の密度が下がる。スカスカになる。
- 音が凝縮される→音の広がりがないと音楽がつまらなくなる。
- 力強くなる→よく聴くと躍動感が減っている。
電源ケーブル程ではないのですが電源タップを変更しても同様の傾向になります。
音が変化するので、音が良くなったような気がしますが、1ヶ月程すると違和感を感じるようになります。当初、「組み合わせが悪いのかな」と思い、さまざまな電源ケーブル、電源タップを購入し交換しましたが、時間と費用の無駄でした。電源ケーブルや電源タップに費やした費用は思い出したくもありません。もちろん、良い組み合わせを見つけることができるスキルをお持ちの方がいらっしゃることは否定しません。
アキュフェーズに「試聴室ではどんなコンセントを使用しているか」という質問をした時に「パナソニック製の標準的なもの」との回答があったことから電源系はいじってはいけないなと悟りました。
電源タップは一般的に購入できる電源タップでは残念ながら役不足です。
一般的な電源タップでは不十分な理由)
- 機器に近い電源ケーブルや電源タップが音質に与える影響は大きい。電源タップは壁の電源コンセントと同等の作りや品質を担保できるものでないといけない。
- 壁のコンセントをそのまま再現したものにできるだけ近い電源タップが必要。一般的な電源タップはコンセントおよびケーブルともそれを満たさないものが多い。
標準品として良いと思われる以下のものを組み立てて使っています。アメリカン電機の電源タップ部分はプラスチックのコンセントボックスと壁コンセントでも代用可能ですが、見た目や安全性からアメリカン電機のOAタップ(電源タップ)を使用することをお勧めします。電源タップとケーブルとの接続は圧着端子を使用してます。電源部分においては圧着端子の使用で音が悪くなることはありません。なお、電源タップの材質としてアルミなどの金属製は音楽の躍動感が失われることが多いためおすすめしません。
アメリカン電機 平刃形 OAタップ2ヶ口 コード無し 接地2P 15A 125V
電源ケーブルVCT3.5×2芯ケーブル(3.5SQの一般的な電源ケーブル、これ以上太いものは音域のバランスが悪くなります)
電源プラグ オヤイデ 電源プラグ P-029
壁に取り付ける電源コンセント パナソニック WN1318K
WN1318Kの電極部分に磁性体の板バネ(クリップ)が入っていることを気にされる方はWN1512Kでも良いです。両方試しましたが電源タップを経由すると音質の差は感じられなくなります。なお、壁に取り付けられている電源コンセントの交換は有資格者しかできません。
最近はオーディオケーブルについてあまり騒がれなくなりました。オーディオを趣味をされる方が減ったことや、偽物(偽ブランド)の横行により市場として成り立ちにくくなったことが原因でしょうか。特に偽ブランドの横行は、試行錯誤が必要なオーディオケーブル選びにおいて、ヤフオク等での売買が困難となることから、オーディオケーブルに手を出しにくくなります。困ったものです。
過去に試した電源ケーブルの一例)
カルダス ゴールデン・リファレンス
AET SCR AC
Acoustic Revive POWER MAX II
その他1mあたり数千円~1万円程度の切り売りケーブル多数を試しました。
過去に試した電源タップの一例)
Chikuma Eminent-4
THE J1 PROJECT PT4
もう十分です。
以上参考になればと考えています。