岐阜県瑞浪市で8日、4人が死傷する事故があり、トラック運転手の男が酒気帯び運転などの疑いで逮捕されました。

 運転手は当初、意識不明として病院に搬送されましたが、診察の結果ケガはなし。意識がないふりをしていた疑いが出ています。

 事故は8日午後5時50分ごろ、瑞浪市土岐町の国道19号線で起きました。

 フロント部分が大破した大型トラック…。乗用車は運転席がどこか分からないほど潰れてしまっています。

 現場は、中央分離帯が途切れ片側1車線の対面通行となるポイント。大型トラックは、分離帯に置かれた衝撃を和らげるためのクッションドラムを跳ね飛ばし、それが対向車線を走っていた軽乗用車に衝突します。

 さらに対向車線に飛び出した大型トラックは、軽乗用車の後ろを走っていた乗用車に正面衝突。それでも止まることなく、道路標識の柱に突っ込みようやく止まりました。

 この事故で、乗用車を運転していた多治見市の自営業・橋場温さん(57)が死亡しました。また助手席に乗っていた橋場さんの次女(20)と、軽乗用車を運転していた男性(29)と3歳の息子も軽いケガをしました。

 警察はトラック運転手・本田一也容疑者(55)の呼気から基準を超えるアルコールが検出されたため、酒気帯び運転などの疑いで逮捕しました。

 実はこの時、本田容疑者のある行動が現場の警察官らを混乱させたのです。

(リポート)

「事故直後、呼気検査には応じていた本田容疑者。しかし警察が現行犯逮捕をしようとしたところ、呼びかけに反応しなくなり、その後に意識不明として救急搬送されました」

 意識不明のケガ人として搬送された本田容疑者。しかし病院に着くと意識を取り戻したような様子で、医師の診断の結果、ケガはなくどこにも異常は確認されなかったのです。

<捜査関係者>

「最初は事故現場でしゃべっていたが、呼気検査をした後、反応しなくなった。仮病の疑いもある」

 事故があったのは行楽帰りの車で混雑する日曜の夕方。死亡した橋場さんも、次女と2人で中津川市の「馬籠宿」を訪れ、帰宅する途中でした。

 悲惨な事故を起こした直後にもかかわらず、「意識を失ったふり」をしていた疑いがある本田容疑者。

<本田容疑者>

「分からないです。覚えていない」

 調べに対し、容疑を否認していますが、警察は危険運転致死傷罪の適用も視野に捜査を進める方針です。