長野赤十字病院が記者会見を開き、院内で新型コロナウイルスに感染した患者7人のうち5人が死亡したことを明らかにしました。また、院内で発生した集団感染の経緯や原因などをまとめた報告書の内容を発表しました。

6日午後4時から始まった長野赤十字病院の記者会見。院内で発生した集団感染の経緯や原因などをまとめた報告書の内容を発表しました。

病院では、9月25日に、入院患者と職員の2人が新型コロナに感染しているのが確認され、その後、先月9日までに、職員2人、患者7人の合わせて9人の感染が確認されました。いずれも同一の病棟の職員と患者でした。

長野赤十字病院・和田秀一院長:

「亡くなられた5人の患者さま、ご遺族の皆さまに心より哀悼の意を表します」

病院は、患者7人のうち5人が死亡したことを公表しました。いずれも高齢で、重篤な基礎疾患があったということです。

また、最初に感染が確認された患者について、感染経路は特定できなかったとしています。では、院内で集団感染が発生した原因は、何だったのでしょうか?

長野赤十字病院・和田秀一院長:

「洗面台を介した接触感染といったものがあった可能性が考えられる」

感染が拡大した原因について「病室の洗面台が汚染し職員の手指を介して生じた」「施設の老朽化により喚起が不十分だった」また、「個室率が低かった」などが考えられるとしています。

再発防止に向けては、早期発見や職員の予防策の徹底、病棟の環境衛生の整備などを進めていくとしています。

会見に同席した信州大学医学部附属病院の感染制御室・金井信一郎副室長は、「どこでも起こりうる。各病院でこの情報を共有し、日頃の感染対策につとめてほしい」と話しました。

病院は、ホームページに報告書を掲載するとしています。