アダルトショップ店長も駐車場に車が入れないと困惑。
ジョー・バイデンが歴史的得票数で当選確実となるなか、トランプ弁護団はフォーシーズンズホテルと名前が酷似している「フォーシーズンズ造園」裏口の駐車場で緊急記者会見を開き、法廷で争う考えを示しました。
フォーシーズンズホテルはフィラデルフィアで一番高いビル最上階にある高級ホテルですが、会見が行なわれたのはそこから11マイル(約18km)離れた工業地帯です。大統領もホテルと早とちりしていたようで、朝のゴルフのときに「Four Seasonsでまもなく会見を開く」とツイートし、その30分後に「Four Seasons Total Landscaping(フォーシーズンズ造園)」と訂正。けっきょく会見には姿を見せませんでした。
半信半疑で会場に詰めかけた記者団からは、「隣はアダルトショップだが、この場所で合ってるんだろうか…」という不安の声も。
近所には有刺鉄線、向かいは火葬場。
しかしホテル側からは「当ホテルが会場ではありません。会場はFour Seasons Total Landscaping。当ホテルとは関係ございません」と正式にツイートが流れているのでこの会場で間違いないようです。
不安が最高潮に達したところでトランプ弁護団が現れて会見はスタート。
危険物注意のサインを背後に弁護団長のジュリアーニ元NY市長が「絶対勝訴」と自信をにじませたところでバイデン当確の速報が続々と入り、質疑応答ではこんな風に取り乱す一幕もありました。
記者「バイデン当確のようですが」
ジュリアーニ「だれがそんなこと言ってるんだ」
記者「全放送局です」
ジュリアーニ「放送局、放送局って裁判官が言ったわけでもないのにバカ言うな。選挙結果は局が決めるんじゃない、法廷が決めることだよキミ」
天を振り仰いで去勢をはったけど、弁護団の申し立てはすでに証拠不十分で各地の法廷にことごとく却下されているので旗色は芳しくありません。これから訴えるにしても法的根拠がそもそもないというのが、トランプと一緒にコロナにかかった側近クリス・クリスティ元NJ知事(元弁護士・検事)の見解。後ろの人の表情の揺らぎがすべてを物語っているような…。事実上の敗北会見がフォーシーズンズ造園駐車場ということで、深夜お笑い番組の脚本家からは「こんなオチは800年考えても思いつかない」と言われています。
当確速報から数時間沈黙していたトランプ大統領は、息を吹き返した途端、全部大文字のツイートを流しました。
「立会人が開票所から締め出され」て「不正が行なわれた」と言っていますが、そんな証拠はどこにもありません。激戦州のネバダとペンシルバニアで「立会人の距離が遠すぎて見えない」と訴えて、ペンシルバニアだけ6mから1.8mに距離を詰めることが認められたのが唯一の勝訴で、陣営の訴状では立ち会った前提になっているんです。
「不在者投票と郵便投票は署名の照合がいい加減」と言ってるのも言いがかりで、現実には二重、三重にチェックしているので不正はほぼ行なえません。逆に「郵便投票した人はもう1回投票所で投票しよう」と呼びかけたトランプ大統領のほうが二重投票扇動の重罪に問われる案件です。
バイデン勝利宣言から一夜明けた土曜になっても「大差で勝った」と書いて虚報アラートが瞬くトランプ。家族に敗北宣言を説得されているという情報もありますが、負けを認めるまでにはまだ時間がかかりそうです。