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有識者が見た県知事選 期待や今後への懸念も
2020年10月27日
半世紀ぶりとなる民間からの新知事誕生。新人の新田八朗さんが現職を破り初当選を果たした今回の県知事選の結果を、有識者はどうみたのでしょうか。新知事にかける期待や今後への懸念について聞きました。
先月、知事選の公開討論会でコーディネーターを務めた社会学者の埼玉大学基盤教育研究センター石阪督規教授。富山の知事選について経緯や構図をよく知る石阪教授に、今回の結果についてどう感じたか、聞きました。
*埼玉大学基盤教育研究センター 石阪督規教授「民間出身は本当に珍しい。特に北陸ではもともと官僚がなる傾向が続いていたので正直、期待半分不安半分。ただ県民は期待の方を取ったということから、問題は山積しているが、民の発想、経営者の発想を県政にいかしてほしい」
半世紀ぶりの保守分裂となった今回の知事選。今後の懸念は3つあるといいます。
*石阪督規教授「ひとつは国との関係をどう維持していくか。石井さんは国との強力なパイプを維持して、県にとって様々な利益便益を富山のほうに持ってきた。果たして新田さんは維持や再構築ができるのか。霞ヶ関や永田町とどういう関係が築けるかが課題。それから2点目は、今後の議会対策や対応。県知事が自らの政策を実行していくためには議会の協力が不可欠なので、分裂した県議会をどう収束を図っていくのか。3点目は、新田カラーをこの4年間でどう出すか。次々と新田さんらしい取り組みを県民に見える形で表に出せるかが課題」
県民は今後、新田新知事の出す政策のどの点に注目するべきなのでしょうか。
*石阪督規教授「この1年は新型コロナ感染症対策を優先せざるを得ない。その反面、地域経済が疲弊していくなか、再生に向かうための4年間の工程表を出してもらいたい。その中で経済のどの部分に力を当てるのか。効率化なのか国からたくさんの財源を引っ張ってくるのか、それとも新たな企業を誘致するのか、若者の就職状況を良くしたり、地域経済を活性化させるために中小企業を支援したり、いろんなメニューがあるが、整理をして一つ一積み上げていく。4年後また選挙があるとするとその経済対策をうまく行ったかというのは一つの選挙の大きな争点になりますので、工程表がどのようなものになるのか県民の皆さん、ぜひチェックしていただきたい」
一方、若い世代は今回の知事選をどうみたのでしょうか。政治家のプロモーションや主権者教育を行う「POTETO Media」を東京で立ち上げた富山市出身の古井康介さん(25)は、故郷の知事選を取材し県民の関心の高まりが投票率にあらわれたと言います。
*POTETO Media 古井康介さん「今まで(投票率)30%台だった知事選挙に対して、自分の意思を表明した6割の人で選ばれた知事は歓迎してもいい。多くの人たちが出した答えが新田さんで、新田さんがこれからいろんな富山県の道を決めていく。こうした流れは民主主義としてより健全な形だと思う」
古井さんは、県民の期待が高まっている今だからこそ、新田新知事は「年内までに政治家としての特色を出すことが大事」だと話します。
*古井康介さん「僕がイメージしたのが、民主党の2009年の政権交代と今回長く続いた安倍政権から菅政権への、ある意味政権交代。どちらも当時支持率がすごく高くて期待値が高かった。このあと1カ月の仕事ぶりは一番報道される。最初に県民の期待や有権者の意志に応えられないと、その後どんなによいことをやっても届きにくくなる。たくさんの期待が新田さんの肩にかかっていると思う。本当に新田さんだったら変えてくれるんじゃないかというそういう期待を背負っているからこそ1回投票率が上がって失望してしまう流れは一番もったいないと思う。年内や最初の議会までにスピード感を持って一つ結果を出してほしいと期待する」
※当HPは、報道目的のニュースサイトとして作成されたもので、その内容は当該放送時点のものが掲載されています。
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