美しいキモノとき和で取り扱っている紬
大島紬
奄美大島では、奈良朝(西暦 710~793 年)以前から、
山野に自生 するテーチ木(シャリンバイ)やフク木などの草木で染色がなされていました。江戸時代初期には、真綿からつむいだ手紬糸を植物染料で染め、
イザリ機で織った無地又は縞布であった物と思われます。
明治40年頃から締めばたによる織締絣の方法を採用するにようになり
世界に類をみない本場大島紬独特の精緻な絣模様ができるようになり、
大正時代には大島紬の生産量はピークに達し、まさに黄金期となりました。
その後第二次世界大戦により、統制と減産で壊滅的な状況に陷りましたが、
戦後関係者の努力によって急速に復興。
従来の泥染大島紬に加え、泥藍大島紬、色大島紬、草木染大島紬等の新商品が続々開発され飛躍的な発展を遂げ、今日に至っています。
美しい着物.pdf
琉球紬
日本の紬絣技法は久米島を起点に発達し、沖縄本島、奄美大島を経て本土に伝えられ、大島紬、久留米絣、結城紬などのもととなり、日本全国に伝播されていきました。久米島紬が紬の発祥の地とも言われる所以です。いわば久米島は日本の紬の里です。
久米島紬は、蚕から取った真綿でつむいだ糸を原料糸として、天然の草木、泥染めによって染色します。織りは、手投杼を用いて丹念に手織りで織り上げます。これらのすべては伝統を踏襲し、一貫した手作業を一人の織子が行うところにあります。
牛首紬
白山の麓で、牛首紬と呼ばれる独特の紬が織られている。
糸に空気を含ませる独特な糸処理で
綸子のような柔らかな着心地でありながら
釘抜き紬の別名が残るほどに強い織物である。
直木賞作家 高橋治著「紺青の鈴」より
結城紬
本場結城紬の一番の特徴は、真綿から手でつむぎだす糸にあります。
真綿は、蚕の繭を煮て柔らかくして広げたもので、やわらかく、空気をたくさん含むために温かく、とても心地良く優しい素材です。この真綿から人の手で糸をつむぎ出すことで、素材の良さを損なわない、最上質の糸ができあがります。
日本全国に数ある紬の中でも、縦糸・横糸の両方に手つむぎ糸を使うのは本場結城紬だけです。これが、本場結城紬が最高峰の絹織物とされる由縁です。そしてその本質的な上質さは、古来より多くの人々を魅了してきました。