お客様からの信頼に100%で応えるのが工事監督。
確かな自信が得られるまで、一歩ずつ成長していきたい。
はじめて1人で工事監督を任された1件目の経験から「工事監督の責任の大きさを実感した」という常泰。「これからも一歩ずつ成長を続けたい」という彼に、工事監督としてのやりがいや仕事への思いを聞いた。
設計職を目指して就活の準備をしていた私に、建築学科の先輩方が口を揃えておっしゃっていたのは「一度は現場を経験しておくこと」。建物を実際に建てる知識や経験は必ず設計に活かせる、という言葉を聞いたことで、最初は工事監督、そして将来は設計職へ…というキャリアパスを頭に描き、就活をスタートしました。
ゼネコンか、ハウスメーカーか、就活では業界選びに悩みました。ゼネコンは大規模な建築物を手掛ける可能性はあります。でも、構造担当、意匠担当といったように、それぞれの分野で工事監督が施工を進めるのが一般的です。私は自分ですべての工程・品質を管理し、「この建物は私が建てました」と自信を持って言えるようになりたいと考えていました。その視点で言えば、お客様の家づくりを任されるハウスメーカーは、基本は一つの建物に工事監督一人。やりがいも大きいはずだと感じたのです。
ハウスメーカーの中から一条工務店を選んだのは、家づくりの姿勢に共感したため。巨大な冷蔵庫の中に家を建て、住宅の省エネ性を研究したり、実大実験を通して耐震性の実証を産学連携で行ったりと、確かなデータに裏づけされた性能を持つ住まいをお客様へ提供し続けています。私自身もそれらの性能がなぜ必要とされ、それをどうお客様へ提供しているのか、会社説明会などを通してすっと理解できました。「この家は私が建てました」と自信を持ってお客様へお伝えできる家、それは一条工務店だと確信したのです。
工事監督の役割は、大工さんや業者さんと一緒に行うお客様(お施主様)の家づくりの工程管理や品質管理、安全管理が基本。基礎工事を担う前工程と大工工事から完成、お引き渡しまでを担当する中・仕上げ工程がありますが、私は中・仕上げ工程を担当しています。入社から約3ヶ月間は先輩と同行して現場をサポートし、1年目の9月には私一人で現場を担当させていただきました。
1件目のことは今でもよく覚えています。毎日現場に顔を出し、慎重に、何度も図面と現場を確認しながら工事を進めていたのですが、工事長との検査時、ほんのわずかでしたが、図面とのズレが見つかったのです。すぐに大工さんが直してくれましたが、その時の工事長の「妥協はするなよ。工事監督の仕事は100%が大前提だ」という言葉は今の私のモットーにもなっています。というのも、お施主様は性能に大きな期待をされて一条工務店を選んでくださっています。その性能をフルで発揮するためには、当然ですが、図面通りに建築する必要があります。性能で会社を選んだのは私も同じ。一条工務店の工事監督としてそこは譲れません。また、設計は家の細かい部分に至るまで、お施主様の思いを込めて図面を作成しています。営業から設計へ、バトンのように受け継いできたお施主様の思いを最後に家というカタチに仕上げるのが工事監督の役割。きちんと図面通りにお施主様の家を建てることはもちろん、お施主様の満足度は100%以上を目指すことも常に意識して仕事に取り組んでいます。
3年目の今は常時6〜7件の工事を担当しています。お施主様に新築工事現場へお越しいただき、気密測定を行うことも。数値をご覧いただきながら、家づくりが一歩ずつ、間違いなく進んでいることをお伝えしています。家づくりも、信頼関係を築くのも、一朝一夕にはいきません。本当に一歩ずつです。家づくりはもちろん、近隣の方々への配慮や、お施主様がどこに不安をお持ちなのかを、しっかりとお聞きして対応し、当たり前のことかもしれませんが、きちんと積み重ねていくことが工事監督の仕事の本質だと思っています。大工さんや業者さんと信頼関係を築くのも同じです。質問や問い合わせに少しでも早く回答するなど、細かなやりとりの積み重ねが信頼につながり、いざという時にその豊富な経験で私をサポートしてくれることを実感しています。
新築現場の見学に来てくださったお施主様が楽しそうに寸法を測って新居の家具を考えていらっしゃる姿や、お引き渡しと同時にお子様がリビングを楽しそうに駆け回る様子など、お施主様が満足する姿を間近で見られることが、今は一番のやりがいです。将来は設計をはじめ、ジョブローテーションを活かして、社内のいろんな部署での仕事に挑戦してみたいと思っていますが、先輩方と比べても、まだまだ工事監督としてのレベルアップが必要です。建築士などの資格取得は会社がしっかりバックアップしてくれますし、経験豊富な先輩方にも囲まれています。今の仕事に確かな自信が得られるまでは、ここで一歩ずつ成長し続けたいと思います。
私の入社時の育成担当が工事長でした。いろんな先輩の現場に同行できるよう手配してくださったおかげで、現場ごとに状況が異なり、工事監督はそれぞれで臨機応変に対応する必要があることを学びました。私も今では育成担当。後輩には指導を通して、自分で考え、率先して大工さんや業者さんに指示が出せるような、現場での対応力を身につけて欲しいと思います。