いつもご支援ありがとうございます。プロジェクトスタッフの渡邊です。

今回から数回に渡り、現在制作準備を進めておりますセカンドアルバムについて、連載コラムにてお伝えしていければと思います。連載第一回となる今回は、平山笑美応援プロジェクトの生い立ちの振り返りと、ファーストソロアルバムプロジェクトの立ち上げ秘話をご紹介しようと思います。

※クラウドファンディング版「PIRAMIRiSE」のエクストラブックレットに書いた内容と重複するところがございますが、ご容赦のほど・・。

 

▶︎ プロジェクト発起(2018年10月)

2018年10月11日の平山笑美さんの何気ない投稿から始まった、平山笑美応援プロジェクト。平山さんの発言には、たくさんの業界人の方から『いいね』とコメント(「応援するよ」「ライブ見に行くよ」などなど)がたくさん付き、とても盛り上がっていました。

私自身、それまでご一緒していた5年間のお仕事を通じ、平山さんの高い歌唱力に強く魅力を感じていた一人ということで、このポストを見たときは「おお、遂にその時が来たか!」と嬉しさが込み上げてきて、「やる時はお手伝いしますよ!」的なコメントを付けておりました。

しかし、それから1週間ほど経過し、ふと気になり平山さんの件のポストを開いてみたところ、その後も盛り上がった様子は見えるものの、特に具体的な話は出ないままの状態でした。

──ファーストソロライブ2日目アンコール前、不肖にも壇上に上がらせていただき、少しお話しさせて頂きましたが、こういうお話しは、(良い悪いということではないですが)半月もすると平静を取り戻し、何もなかったかのような日常に戻ってしまうことの方が多いと思います。この状況を見て、「ああ・・・今回もそうなってしまうのかな」と、徐々に不安が募ってきました。

「いっそのこと、自分が!」・・・そう考えたものの、とはいえ自分もクリエイターとして、そして複数プロジェクトのプロデューサーとして、当時かなり忙しい日々を送っていたため、正直なところ軽々しく「僕が!」とは言えない状況でした。

しかし、このままでは平山さんのせっかくの発信も花を咲かせることなく消えてしまうかも知れない。「このままで良いのか!?」という葛藤をぐるぐるぐるぐると何度も繰り返した末、「・・・いや、このままではいけない!」「しようと思えばできるじゃんね?」という結論に至り、覚悟を決めて平山さんに直接ご連絡をしました。

こうして2018年10月17日、この瞬間に平山笑美応援プロジェクトの発起人として歩き始めることになりました。奇しくも、この日は私の50歳の誕生日でした。

 

▶︎ 平山笑美応援プロジェクト発足(2018年11月)

さて、いざ「やるぞ!」と決めたのは良いのですが、ソロライブを実現するためには乗り越えなければならない様々なことが山積みです。会場はどこにするのか、どの位の規模にするのか。運営はどうするか。演目はどうするか・・・など。

そこで、これを一緒に進めてくれるコアメンバーを集めることにしました。ただ、あまり最初から人数が多いと話がまとまらず、かつ進行が遅くなってしまう恐れもあるので、信頼できる少数の方にお話しを持ちかけてご相談したところ、結果的にスーパースィープ代表の細江慎治さんにご協力して頂くことになりました。

細江さんは元ナムコのサウンドクリエイターとして「ドラゴンスピリット」「リッジレーサーシリーズ」などを手がけてきた業界のレジェンドで、2000年にはスーパースィープを設立し、以後ゲームやアニメ等の音楽シーンで活躍する作曲家・音楽プロデューサーです。個人的には10年来の友人で、百引一さん(15年以上前からの友人)にご紹介いただいて以降、佐宗綾子さんを含めて上野の赤提灯で飲みながら、ゲームやアニメ、音楽について熱く語り合ってきた仲間でした。今回のプロジェクトをお任せするのは、まさに適任と思います。

プロジェクトチームとしては、プロジェクト運営全般を渡邊が担当するとして、音楽制作に関するプロデュースを細江さん、そして進行ディレクターとして、同じくスーパースィープのアツシオハラさんにも加わって頂きました。アツシオハラさんと言えば、ライブに来られた方ならお分かりかと思いますが、開演前に行われたDJタイムのDJを務めて下さった方です。

この3名が平山笑美応援プロジェクトのコアメンバーで、その他私の同僚や友人の中から集まってくれたサポート有志の皆さまのご協力をいただきながら、プロジェクトを進めていくこととなりました。

 

▶︎ 急遽立ち上がったファーストソロアルバム制作プロジェクト

チーム内で最初に立ち向かった議題は、何よりも「このライブで何を歌うのか」でした。会場やライブ運営は、言ってみればまだ「何とかなる」ものですが、そもそも何のライブをするのか、どのくらい歌うのかなどをハッキリさせる必要があります。

今回のライブは、それまでの平山さんとのお話しを通じて「これまで演じてきたキャラクターから一旦離れ、平山笑美さんご自身の歌声を響かせることが目的」ということは決まっていました。だからこそ、何を歌うのかは本当に重要なことです。

まずは、細江さんにライブのざっくりとした方針についてご相談したところ、「まずは、平山さんが自分自身のために自由に歌える歌を(何曲か)作るところから始め、その後ライブをするというのが良いと思いますが、どうでしょう」とのお話しをいただき、おおまかな方針が見えてきました。これを受けて、いよいよ平山さんご本人、細江さん、何人かのサポート有志メンバーで集まり、どんなライブにするか協議することにしました。

集まったのは都内某所の会議室。それぞれ自己紹介を済ませた上で、いざ議題について話し始めました・・・が、いかにオリジナル曲を軸にするとはいえ、その他のほとんどの曲を既存のもので充足するとなると、どうしても平山さんのソロライブをひらく意味・意義が薄れてしまい、なかなか良い形にまとめることが出来ません。

そんな中、しばらく沈黙を守っていた細江さんが、いきなり「これ、もうアルバム作っちゃいましょう!」と爆弾発言!!!

平山さんはじめ、参加者全員「えっ」と固まってしまいましたが、細江さんは「だって、平山さん自身のファーストライブなんだから、借りてきた曲じゃ出来ないでしょ。ファンの皆さんも、聞きたいのは平山さん自身の歌だと思うから、作っちゃいましょう」と続けました。

それは確かに理想的ですが、とはいえアルバムを作るとなると予算も大きくなりますし、そもそもどんなアルバムにするのか、クリエイターはどうするのか、演奏は・・・などなど、やらなければいけない課題が一気に増加することになります。しかし、さらに細江さんは続けます。

「まあ、アルバム作りについては僕が責任もって進めるから、渡邊さんはアルバム作りからライブに向けた座組みとかを考えてよ」

ここまで言って頂いたなら、もはや覚悟を決めるしかありません。CDのA&R(Artists and Repertoire)を含めた音楽プロデュースを細江さんに担当していただき、私はそれらの座組みを含めたストーリーを描き、その運営全般を担当することになりました。

単に「ライブをやろう」という話から、一人の声優アーティストがファーストソロアルバムを作り、それを引っさげてファーストソロライブを行うという壮大な話に広がりましたが、せっかくならということで、「平山笑美さんのプロデュース1年計画」をまとめることにして、ガリガリと資料をまとめました。

その冒頭のページがこちら。

 

▶︎ 今回はここまで

コラム第一回目はここまで。いかがでしたでしょうか。

アルバム制作が実は細江さんの突然の爆弾発言で始まったというのは、今思い出してもドキドキする瞬間でした。他にも驚くべきことがたくさん起きましたが、それは次のコラムでご紹介してまいります。

次回をお楽しみに!