伝えにくいことを相手に伝える気遣いについての俺的心得です。
主に教育目的、訓練目的で使うワザです。
どういうこと?
相手のために伝えたいけど、これは受け入れられにくいであろうと予想することは、その伝え方にかなりの工夫が必要です。自分勝手に伝えても高圧的に受け取られて拒絶されてしまい、その後の関係にさえ影響することもあります。失敗するぐらいなら最初から何も言わないほうがいいです。
伝えにくいことを相手に伝える、その工夫のひとつとして
「共通概念を用いる」「共通語を作る」
技術について、独断と偏見の俺的心得をシェアします。
共通概念法
共通概念を用いて、相手の心にスムーズに自分の言葉を投げ入れる手法です。
必要なもの(共通概念)
相手と自分の両方がよく知っているものごと(共通概念)が必要です。
著名人の言葉、諺や慣用句、ドラマやアニメの作品、趣味や嗜好についてなど、お互いが同じものを(できれば同程度のレベルで)知っているものごとを探して記憶します。
わざわざ情報収集して整理する場合もありますが、会話の中で自然に見つかるものがほとんどです。
使い方
共通概念でたとえ話をして、自分の伝えたい指摘を暗示します。
①お互いに鬼滅の刃を読んでいるのなら、相手にこんな伝え方をします。
「なぜ炭治郎は砂霧山で2年間も修業したのか?空気が薄いところで刀を振り回すのが好きだからか?」
⇒もちろん答えはNOで、「目標があるのだから達成のためには頑張らねばならない、努力の対象については好きか嫌いかで選ぶものではない」と、相手に伝えたい指摘について暗示あるいは明言します。
②お互いにSEなら、こんな話もできます。
「客先での会議中に『応答なし』になってはいけない。電源ボタン長押しされるから。」
※応答なし=負荷が高すぎてパソコンの画面が固まったり真っ白になるアレです
※電源ボタン長押し=要は会話を強制終了されてしまうということです
メリット
話が半分ギャグっぽくなるので、相手に反発心を生むきっかけを与えにくく、怒りの感情を生むに値する正当な理由も与えにくくなります。そのうえで指摘内容は割と正確に伝わるので、話の続きもスムーズに進められます。
共通語法
先に述べた共通概念法は、会話の中でアドリブで新規に生み出しやすい話法ですが、この共通語法は「共通語を作る」という過程が必要です。偶然に共通語が生まれることは少なく、自ら積極的に共通語を作り出す必要があります。
話を半分ギャグっぽくしてメリットを付加する点は共通概念法と同じです。
自分オリジナルの一発ギャグを編み出し、それを相手に押し付けて慣らせるプロセスが余分に必要となります。
必要なもの(共通語)
共通語は、空手でいう「構え!」軍隊でいう「突撃!」のような次の行動を端的に明示するものや、「人民の、人民による~」といったスローガン、企業における経営理念やビジョンにあたるものです。
作り方
自分の思想を示すための一発ギャグを新規に開発し、あらかじめ相手に記憶してもらいます。相手に共通語たる自分の一発ギャグを記憶してもらうまでの間は、自分自身のエピソードと自分自身の感想を示すことをもってその一発ギャグを披露するのがポイントです。
相手に指摘を行いたいタイミングで、一発ギャグを相手のエピソードに対して示すことで、相手の自省を促します。
相手に「根性出せよ」って言いたい場合を例として示します。
手順1.一発ギャグを開発します。『将来の自分を今助ける!!』
自分の過去語りを行い、どんなケースで自分でどう考え行動したかを語った後で、『将来の自分を今助ける!!』と一発ギャグを示して締めくくります。キメポーズがあればよりギャグ性が増して、後々のメリットを得やすいです。このプロセスを数回繰り返して、相手にこの一発ギャグを記憶してもらいます。
手順2.相手に「根性出せよ」って思ったタイミングで、同じ一発ギャグを繰り出します。
相手に、「将来の自分を今助ける、ってな!!」と言います。
ギャグっぽくするために、「ってな!!」と言うのがポイントです。
メリット
①話が半分ギャグっぽくなるので、すんなり聞いてもらいやすいです。
②自分の経験をもとにした意見を繰り出すので、机上の空論であるという反発を受けにくいです。
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以上です。
どちらも使いどころとしては、ワザを繰り出した直後にお互い笑うことができるか?と予想するのがポイントです。実際に笑うかどうかはさておき、笑ったとしてもおかしくない、という感じのときにこのワザを繰り出します。ギャグがウケそうにない空気なら勇気を出して諦めて、何も言わず、次のタイミングを探ります。
伝わりやすそうならシリアスに、伝わりにくそうならギャグ風に!
伝え方の緩急がつけられるようになったら、もっと会話が楽しいものになります!という提案でした。