日本学術会議の新会員候補6人を政府が任命しなかった問題の受け止めなどを語る湊新総長(2日午前、京都市左京区・京都大)

日本学術会議の新会員候補6人を政府が任命しなかった問題の受け止めなどを語る湊新総長(2日午前、京都市左京区・京都大)

 日本学術会議が推薦した新会員候補6人を菅義偉首相が任命しなかった問題で、10月から京都大の新たな総長に就いた湊長博氏(69)は京都市左京区の京大であった就任後初の記者会見で2日、「情報を全て、国民ならびに科学者に開示してもらいたい」と同会議と政府の双方に説明を求めた。

 湊氏は現状では断片的な情報しか持っていないとした上で「具体的に何が起こっているのか国民として知る権利がある」と語った。また一般論としつつ「学問の自由は保障されるべきだ」と話した。

 「日本学術会議」は学術の立場から政府に提言する首相所轄の政府機関。1日からの会員105人を首相に推薦したが、関係者などによると、このうち立命館大の松宮孝明教授(刑事法学)や京都大の芦名定道教授(キリスト教学)ら6人が任命されなかった。

 加藤勝信官房長官は1日の会見で候補者の選考過程や理由について「人事に関すること」として言及を避けている。