相手が行う質問の誤りを素早く見抜き、自分のメンタルを適切に保つための俺的技法です。
どういうこと?
会話の中で、意味のない質問が行われることがあります。結論がどう付いても次の行動が定義できない議論や、答えがYesでもNoでも良くない展開になる感情的な質問です。そのテーマに建設的な意味がなければ素早く気付き、会話を切り上げるか質問分を変化させるなどして、わたしたちが本来行うべき問いに意識を集中するべきです。そうしないと思考が悪循環し疲れ果てて、お互いにメンタルが保ちにくくなります。本投稿では、そのための俺的技法をご紹介します。
やり方
新たな質問や議題が発生したとき、頭の中で、横2×縦2の表を描きます。コンサルの人が好んで使う、田んぼの田の漢字のような図表です。余裕があれば、手元の紙にペンで表を書くと思考整理がしやすいです。
表にまず記入する要素は、「質問に対する結果」「それでうまくいっている人がいる」「それでうまくいかない人がいる」の3つです。これは質問が何であれ同じです。
質問/結果 | それでうまくいってる人がいる | それでうまくいかない人がいる |
空欄A(ここに、質問に対するYesの回答が入る) | 空欄X1(ここに、〇か×を記入) | 空欄X2(ここに、〇か×を記入) |
空欄B(ここに、質問に対するNoの回答が入る) | 空欄X3(ここに、〇か×を記入) | 空欄X4(ここに、〇か×を記入) |
表は説明のわかりやすさのため、横3×縦3にしていますが、大事なのは右下空欄X1~4(ここに、〇か×を記入)の2×2の領域です。
次へ進みます。
表の空欄Aと空欄Bに、質問への回答をYes/No形式で記入します。例えば、提示された質問が「人は優しくあるべきか?」というものだとすると、空欄Aに優しい人、空欄Bに優しくない人、と書きます。
質問/結果 | それでうまくいってる人がいる | それでうまくいかない人がいる |
A.優しい人 | 空欄X1(ここに、〇か×を記入) | 空欄X2(ここに、〇か×を記入) |
B.優しくない人 | 空欄X3(ここに、〇か×を記入) | 空欄X4(ここに、〇か×を記入) |
次へ進みます。
空欄X1には「優しくて、うまくいってる人がいる」についての〇か×
空欄X2には「優しくて、うまくいかない人がいる」についての〇か×
空欄X3には「優しくなくて、うまくいってる人がいる」についての〇か×
空欄X3には「優しくなくて、うまくいかない人がいる」についての〇か×
というように、空欄X1、X2、X3、X4には、質問結果とうまくいくいかないの組み合わせについての〇か×を記入します。
今回の例だと、結果は以下のようになります。
質問/結果 | それでうまくいってる人がいる | それでうまくいかない人がいる |
A.優しい人 | 〇(いる、存在する) | 〇 |
B.優しくない人 | 〇 | 〇 |
4か所が全部〇になれば、その質問はマトハズレ理論に該当するという判定となります。素早く問いを変化させ、より本質的・建設的な検討を今すぐ行うべきです。
マトハズレ理論に該当しないケースもあります。
〇×
×○
こんな感じで2か所の〇になると、その質問は本質を突いたものであり、その場合は、うまくいくに該当する回答(例で言うと、「A.優しい人」になる)の達成に今すぐエネルギーを注ぐべきです。
4か所全部〇のマトハズレ理論を、いかにこの2か所〇の本質的問いに変化させるか?を次に述べます。
マトハズレ理論をかわすポイント
ケースバイケースで対処方法は分かれますが、いずれの場合も、質問に対して質問で回答を行い、テーマを分解あるいは変化させるのがポイントです。
①質問の定義を確認し、テーマを分解する➡(例でいうと)「そもそも優しいって、あなたにとってどういう意味?」
②別の要素について検討する提案を行う➡「優しいかどうかは関係なく、情熱を持つ姿勢が大事ではないか?」
③別の要素との組み合わせについて検討する提案を行う➡「優しい優しくないに、距離を取るか縮めるかという組み合わせを行い、うまくいくかどうかを考えてみないか?」という意味の質問を行う
※上記の②③について、「別の要素」がひらめきにくいときは、
表について以下の分析を行います。
質問/結果 | それでうまくいってる人がいる | それでうまくいかない人がいる |
A.優しい人 | 〇(X1) | 〇(X2) |
B.優しくない人 | 〇(X3) | 〇(X4) |
表の4か所の〇、X1~4に対して、100段階の数値評価を行います。
たとえば、X1.「優しくて、うまくいく人が存在する」 について
・優しい人100人中、何人がうまくいくか?(1~100)
・うまくいく人の中での、うまくいく度合い(0~100)の分布は?
大成功する人は何人?小規模成功で終わる人は何人?
X1、X2、X3、X4についてそれぞれ上記の分析を行うと、②③の、組み合わせるべき別の要素についてのヒラメキが得やすいです。
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以上です。
マトハズレ理論に該当する質問に真面目に返答してると、結局答えが明確にならず議論があちこち彷徨って疲れ果て、相当メンタルを持っていかれます。
世には的外れな質問を行う人がたくさんいます。
人生の成功は複合的な要素のバランスで成り立っているにもかかわらず、それを簡単に見せようとして、あるいは簡単なものであると勘違いして、単一的な二元論で成功を語り、人を誤った問いへ導く輩同然の行為が横行しています。せめて俺たちだけでも、この不毛な争いから逃げてしまいましょう。という提案でした。