人と、適切な距離感を、保ち続けるための、俺的心得です。
人は、無意識に、自分と同じモノの考え方を、周りの人に強要してしまいがちです。
自分と異なる考え方をする人が、周りにいると、
その人が、何かしらの悪意を持って、行動している、とさえ感じてしまうことがあります。
これは、勘違いである可能性が、大いにあるので、
他人のふるまいが気に入らなかった時は、この理論を思い出して、思考を整理して、相手と自分を判断します。
1.理論の概要
会話の中などで、相手の態度や、言葉遣いが適切でない、と感じても、
その相手が、外国の方である場合、
「いやいやそんなもんか、むしろよく日本のこと勉強できてるわ」と思い直して、
相手の言葉や、行動を、そのまま受け入れることができやすい、なんて経験、ありませんか?
場合によっては、「日本ではここで靴を脱ぐんだよ」なんて、気軽に指摘を行うことも、できやすいです。
この感覚を、自分自身に応用するのが、俺以外全員外国人理論です。
自分が外国人である、と思い込み、自分だけ外国人になりきります。
たとえば、自分はアメリカ人であって、周りの人と生きてきた文化が違う、と思い込みます。
自分は火星の出身、あるいは月から来たのだ、と思ってもいいと思います。
逆に、自分は日本人で、自分以外の人間が全員外国人である、と思ってもいいかもしれません。
いずれにせよ、自分と周りの人は、それぞれ国(や星)が違うのだということを、知るところから始めます。
2.理論の実践によるメリット
相手の言葉や、行動を、そのまま受け入れることが、相当ラクにできるようになります。
俺とお前では国が違う(思い込みパート)
↓
自分は相手の行動について評価する立場ではない(国や星が違うので、判断しようがない)
↓
自分は相手の国の文化についての知識がない
相手は、その国の国民の中では、けっこう頑張ってきた方なのかもしれない
相手の、これまでしてきた努力を見つけて、その素晴らしさを知ることができるかもしれない
(相手に関心を寄せる)
↓
俺の国の国民は、こう思う習慣がある、ということを伝えると、
相手としては、それは受け入れがたいという反応になるか、あるいは、
相手のコミュニケーション技術の向上に貢献する、何かしらのヒントが与えられる可能性もある
(お互いの共通点や、相違点を見つけられる)
この思考の流れで、会話を進めると、
最初に感じた、相手の態度や、言葉遣いに対する違和感が、解消しやすいですし
お互いのことを、お互いに知ることができる、実りの多いコミュニケーションが、できやすいです。
3.思い込みを深めるために
実際、親子間、兄弟間でさえ、お互い別の国から来たのかと思うぐらい、
モノの考え方が違うことが、よくあります。
どれだけ仲の良い友人も、もとは、親と家庭が異なる他人同士の出会いです。
DNAの構造や、脳細胞の数が違うし、そこに刻み込む情報の種類と量も異なります。
考え、とは、それぞれの脳みそに蓄積した情報やイメージの集積からなる個々の判断のことなので、
こんなもの、当然人によって、違っていて当たり前です。
「人も自分の考えと全く同じでアタリマエ」
「そうでなくても常識としてある程度は寄ってるものでしょう」
なんて思うことが、どれだけ誤ったことで、自らを、幸せから遠ざけることであるか?
と、いうことを,きちんと理解しておくと、
この理論の、思い込みパートを、実践しやすくなります。
──
以上です。
最後に、注意事項を述べておきます。
俺以外全員外国人理論を用いて、誰でも彼でも受け入れる、というのは、いくらなんでも間違いです。
自分の人生において、時間には限りがあり、大切な時間は、より良い相手のために割くべきであるからです。
冒頭で述べた「人との適切な距離感」これは、
相手によって「適切な距離」は0距離かもしれませんし、無限大に近い距離かもしれません。
相手によっては、そもそもラクに受け入れる方法なんて、実践しなくてもいいです。
どんな相手を受け入れて、あるいは退けるのか、その点は自分の主観で決めるしかありません。
本理論は、
誰でも彼でも受け入れる技術論
ではなく、
まずは過剰な拒絶反応を自分自身から取り除きストレスを軽減し、冷静に相手と自分のことを判断する技術論
です。ご参考になれば幸いです。