ウイルス不活化装置 導入 加賀市医療センターUV照射30台
2020年10月8日 05時00分 (10月8日 05時03分更新)
加賀市医療センターは七日、人の皮膚や目に悪影響を及ぼさない紫外線(UV)で、ウイルスを不活化できる照射装置を全国で初めて複数導入したと発表した。受付カウンターや発熱外来の待合室と診察室などに三十台を設置した。タッチパネルや空間全体の消毒に役立てる。 (長屋文太)
装置はウシオ電機(東京)が九月に発売した「Care222(ケアツーツーツー)」。殺菌用は従来、二百五十四ナノメートルのUVが使われるが、皮膚がんや白内障の恐れがあり、有人空間で使えなかった。同社は米国のコロンビア大と二〇一五年から協力。人体に有害な波長を特殊フィルターでカットしながら、殺菌できる二百二十二ナノメートルのUVを使った技術を開発した。
市は、新型コロナウイルス感染拡大防止に役立てようと、千三百万円で照射装置を設置した。装置は箱型で、天井に据え付け、紫色のUVを床やタッチパネルに照射する。一台で、二・五メートル離れた約三畳の床なら六、七分で殺菌できる。
センターで記者会見した宮元陸市長は「どの自治体よりも先進的な対策を取って、市民が安心して来院できるようにしたい」と話した。市は今後、効果を見ながら高齢者が多く集まる施設などにも照射装置の導入を考えていく。
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