絵空事ではない琉球独立宣言!
基地問題について考えるために知っておきたい、「沖縄」の原点

松島 泰勝

けっして他人事ではない

読者の皆さんはこの本(『琉球独立宣言』)の表紙に少し驚いて手に取るかもしれません。

日の丸を背景にして「日本から独立する」と訴えています。シーサー(琉球)が赤瓦にしっかりと足をすえており、琉球独立論が事実や理論をしっかり踏まえたものであることが暗示されています。

琉球の独立宣言はアメリカの独立宣言を参考にして考えました。日本の「同盟国」であるアメリカはイギリスから独立したのです。

琉球は日本から本当に独立できるのだろうか。何のために独立するのだろう。私たちにとって独立とは世界のどこかのことであり、自分とは関係がないと思っている人が多いのではないでしょうか。

日本ではこれまで大衆的な独立運動が発生したことがありません。戦後の日本の「独立」もアメリカによって準備されたものでした。そのような日本の中で琉球では本気で独立を目指す運動が活気づいています。

どこから独立するのでしょうか?

あなたが住んでいる日本からです。ですから琉球の独立は他人事ではないのです。琉球人は日本からの独立を宣言します。

松島 泰勝
1963年沖縄県生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業後、早稲田大学大学院博士課程単位取得。博士(経済学)。専門は島嶼経済。在ハガッニャ(グアム)日本国総領事館、在パラオ日本国大使館の専門調査員、東海大学海洋学部助教授等を経て、現在、龍谷大学経済学部教授。2007年「NPO法人ゆいまーる琉球の自治」を立ち上げ代表に。’13年「琉球民族独立総合研究学会」の設立メンバーとして共同代表に就任。現在も国内外で多くの講演や交流、活動を精力的に行っている。