<第3回>ティタノマキアに流れる、自由への肯定感
ティタノマキア
プラモデル発オリジナルコンテンツ
ティタノマキアは、プラモデル発のコンテンツであり、プラモデルが好きな人のための企画です。では、そもそもプラモデルとは、そしてその楽しみとは何でしょうか?NAOKIさんの、プラモデルに対する楽しみ方から、ティタノマキアの魅力を考察します。
◆目次◆
<第1回>NAOKI氏総合プロデュース「ティタノマキア」とは?
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ちょっと雑談に近い話題になりますが、NAOKIさんはガンプラブーム直撃世代ということで、模型業界の変遷をずっと見ていらっしゃったと思います。変化を感じたり、その中でご自身がやらなければならないなと思っていることはありますか?
NAOKI:
すごく無責任な言い方かもしれませんが、自分が何かをしなければいけないとか、引っ張らなくてはいけないというのが、好きじゃないんです。だから、Howto記事も、(作るのが)あんまり好きではありません。
はっきり言ってしまえば自分は模型が好きだからこの業界にいる訳で、仮に立場が変わろうと業界の啓蒙活動をするためにこの業界にいる訳ではない。(設定どおりに作るのも自分好みにカスタマイズするのも)好きに作ったらいいじゃん、と。無責任ですねやっぱり(笑)
ただ、結果としてそうやって自分が作り続けているものを見て、ああいう風に作ってみたい、楽しそうと思ってくれる方がいるのだとしたら、それだけでも自分が業界にいる意味はあるのかなと思います。
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NAOKIさんご自身も含めて、みんなできるだけ自由度を持っていこうということですね?
NAOKI:
今の時代って、何か道が提示されるとその方向が正解みたいになって、ワーッと行ってしまうじゃないですか?Howto記事にしても簡単に「答えのようなもの」が見つかると言いますか。けれど、実はそこへ至る道を考えることが面白いんじゃないかなと思うわけで。
僕自身、当時憧れたモデラーさんってたくさんいます。でもそこに掲載されている作例に近づきたいと思った時、そこに至る道は記事や写真を穴を開くほど見返し、トライ&エラーを繰り返し、というものでした。作例には遠く及ばなかったとしてもそれが楽しかったし、結果、そういう経験が技術を積んだと思っています。まぁ時代が違うのでなんとも言えないですけどね。
それでも一直線に答えにたどり着くのは、逆に楽しみをなくしているんじゃないかなとも思います。格好いい言い方をすれば、そこに至る「道探し」みたいなところが、模型の醍醐味なのかなと思っています。
製品としての絶対的な正解はあるものの、自分で組み立てていく以上、本質的には正解がないのがプラモデルだと思いますし。
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正解がないというのは面白いですね。
NAOKI:
設定どおりに作るも自由、考証に考証を重ねて「本物だったらこうなんじゃないか」と作るのも自由。ただひたすら見た目のカッコよさを追求するのも自由だと思いますし、それが各々の「正解」なんじゃないかと思います。
出来の良い完成品フィギュアが市場に溢れていてもわざわざパーツ状態で「製品」として完成しているという手間暇のかかるプラモデルという文化が廃れないのは、ひとつそういう部分も理由としてあるのかなと思っています。
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ティタノマキアも、ベースとなる部分はあるとしても、あとはユーザーが自由にそれぞれが遊べばいいということですよね?
NAOKI:
そうですね。自由という部分ではオリジナルコンテンツというフィールドでは更にその幅が拡がるはずです。思うように自分の「カッコいい」を突き詰めていただければ良いなと思っています。
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少し気になるのは、設定面です。第1回で、ある程度のベース設定は用意されているとのお話がありましたが、オリジナルコンテンツの場合、自分の妄想で作業を進めていたら、後々設定とは違ってしまったな、とか、そういう心配があります。とはいえ設定があまりにもなさすぎだと、商品が単なるマテリアルになってしまう。難しいところだと思います。
NAOKI:
オリジナル作品で自分なりのメカを考えるときに、そのベースとなる世界観設定は必要ですから、そこは用意したいと思います。が、ユーザーさんが設定とは違ってしまった、とか、これは設定ではあり得ない、とか思ってしまうようなガチガチの設定を押し付けたいとは思いません。反面、そもそも設定はデザインの意匠にも関わってくる部分でもあるので、立ち上げのデザインをする際に例えば出力系はどんなもので、であればどういった形状をしているんだろう?とか、この世界に於いて空を飛ぶとしたらどういった理屈で飛んでいるのか?など、ある程度の法則や制限を設けて、それを設定として付与させたりもしています。そうじゃないと背中に羽根をつけていいのかどうかもわからない(笑)
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一方で、第一回でNAOKIさんがおっしゃられたように、ある程度設定を楽しみにしている方も、これまたいらっしゃいますよね? 自由にやってみよう!という人、設定が楽しみな人・・・そのあたりの按配は安心してもよいということでしょうか?
NAOKI:
そうですね。実は僕も設定作りが楽しくなってきてしまったので、必要以上に世界観設定を作ってしまった部分はあります。同じく作品をより楽しんでもらうためのストーリープロットなども準備してまして、どういった形でそれらを発表するのが良いか検討していますが、そこは気にせずに、取捨選択をしてほしいんですね。あくまで模型を楽しんでいただくのがメインの食材であり、設定やストーリーなどは模型を楽しんでもらうための隠し味やソースだと捉えてもらえればと思います。
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今回はティタノマキアに期待している方々へのメッセージをお願いしようと思っていたのですが、まさにいまお話されたようなことですよね?
NAOKI:
とにかく、自分たちが好きに遊べる新しい世界がひとつできたと思って、カッコいい自分のメカやキャラを作るための素材、場として活用いただきたいです。
ユーザー参加型のイベントや発表の場も準備しておりますので楽しみにお待ちいただければと思います。よろしくお願い致します!
CREATE THE BRAVE NEW WORLD IN YOUR HAND !!
(おわります)
取材・文:吉川大郎
取材・写真:小縣拓馬
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