※以下、敬称略 ※あくまでも私の独断と偏見に基づきます ●闇堕ち聖女は『美少女闘士』になれるのか? 宝狩 わいと 冒頭の書き方としては問題なしですし、文章力も問題ないです。ただ、一話だけだと本題に入っていないですし、どうにも評価はしにくいでしょうか。これも、本当はもう少し読んで見ないと分からないといった類の作品です。 評価 ☆☆☆ ●精霊の加護 〜Blessing of spirits〜 荒巻一 キャラクタ紹介のところで「あっ」と思いました。いえいえ、ここで評価を決定づけるわけにはいきません。冒頭の第一話、第二話……ええ、問題なく読めます。大学生時代の私より、上手いですよ。うん、うーん……ムリではありませんとも、ええ。十何年書いている人でもムリなレベルの方は、ちょっと探せばいくらでもいますから、今はこのぐらいで問題ないと思います。いつぞや他サイトで同様の感想遊びをしたとき、対象者の八割がこの作品以下のできでしたから、趣味で作品書いている人間全体から見れば十分高レベルです。 評価 ☆☆ ●異能風姿花伝 ひたちかぐし キャラクター紹介の時点で、少し、不安が……。たしか、参考にすべきサイトが提示されていたはずなのですが、それを完全無視されたのですね。い、いえ、ここだけで判断するわけにはいきませんとも。文体は、なるほど時代物で時々見られる語り調のようで、これは他との差別化ができていて非常に良いかと。その題材に着目したのもよいとは思います。が、うーん、私はそこまで歴史に詳しくないのでしったかぶって評価するのもあれですが……歴史に詳しい人に読んでいただくと、ぽろぽろと粗が出てきそうな気がするのですよ。私の気のせいだったら良いのですけれど、ええ。ただ、少なくともキャラクタ紹介の部分が応募要項に不誠実で印象が悪い以上、どうしても本文のそのあたりも不誠実な取り組み(下調べや時代考証に瑕疵がある)をされているのではないかと勘ぐってしまいますので、老婆心ながら「せめて応募要項に書かれていることぐらいは誠実に取り組んだ方が良いですよ」と申し上げておきます。 評価 ☆☆ ●【優者繚乱舞闘会】 葵・悠陽 ええと、普通です。とはいえ、何故かここまでそれほど多くなかった、オーソドックスなweb小説にありがちな文体とお話。全体から見ると文章力は下の方ですが、今まで私が同様の感想遊びをしてきた中では真ん中より少し下ぐらいの水準です。星ふたつをつけるか迷いましたが、星みっつで。 評価 ☆☆☆ ●クイーンセレクション 大場里桜 うーん、普通。ですが、応募要項で推奨されているお色気展開をちゃんと意識しているというか、クイーンズブレイドを意識しているのは悪くないのではないでしょうか。案外、そのあたりの要素をとってつけたような作品の方が多いですから、そこが強みです。 評価 ☆☆☆ ●レジェンドオブビキニアーマー bon タイトル、ややかぶっている作品がありましたね、たしか。構成力は悪くはないですが、あともう一歩足りず。文章力も酷くはないですが、あと一歩足りず。ただ、文章力があっても構成で失敗している作品も多かったので、差し引きすると真ん中ぐらいの実力。ただ、言い換えればその一歩を詰めればかなり良くなりそうな気がしますので、普通の普通な方々より将来性がありますね。長期連載をしていると、途中から急激に実力が伸びる人も時々いますから、もしもこれがそのパターンなら最後まで読めば評価は一転するかもしれません。 評価 ☆☆☆ ●これからはずっと一緒です ここにゃん・M・朝霧 可愛らしいイラストが、まずは印象的。文章は下手ではないですし、くどくもないのですが、ちょっと読みにくいかと。一文が短めになるように気を使われているようですが、多分、副詞のつながりが、ところどころ違和感があるのでしょう。あとは体言止めや倒置法が、ダメというほどではないですが、気持ち多めに使っている印象。ただ、これが独特のテンポというか文章の個性という強みになっているので、無理に直さないで、少しずつ鼻につかない程度に和らげられると強力な武器になりそうだなと。問題はありますが、それも悪い意味ではなく、他と明らかに違う世界観というか雰囲気なのは大きな強みでしょう。 評価 ☆☆☆☆ ●伝説の武具のサイズが合いません⁉ 魔王復活までに、聖女をダイエットさせろ! 椎名 富比路(しいな とみひろ) タイトルの時点で、まずは他を引き離しています。長文タイトルは他にいくつもありますが、これはとても分かりやすいです。筆力も平均以上あって、第一話の構成も悪くないです。戦闘シーンに空白というか隙間が目立つのは紙の本だと問題ありですが、web小説ならこのぐらい普通ですしね。タイトルの内容にも、ちゃんと言及されていますし、手堅いと思います。 評価 ☆☆☆☆ ●陰キャ姫様スクールビキニ八番勝負! kattern タイトルも内容も手堅いかなといったところ。難点は、この作品にしかない、これといった要素がないということ。悪くはないですし、筆力なども十分高い方で、平均よりは上ですが、やはりこれも普通かなと。というか、本当にこのコンテストで応募規約満たしている方々、レベルが高いですね。 評価 ☆☆☆ ●エンゲージウィッチーズ ~海魔の三姉妹~ 万業 破印 もったいないな……というのが、まず感想。キャラクタ紹介の一文目、せっかく他と差別化できる要素が書かれていているのに、それが第一話と第二話を見た限りだと本当にプロローグ的に書いてしまっていて活かせていないという。筆力も高いようですが、これは少しばかり構成失敗していますよ、もったいない。せっかく、それが売りになるというのに……ラノベなどの文法で書くとしたら、同じ場面を書くにしても、そこはせっかくですからヒロインの容姿描写か内面描写をして魅力を引き出した方が良かったと思います。 評価 ☆☆☆ ●魔法剣士ユーリィの冒険 阿門みつむ 直前に読んだ作品に対して、こちらは手堅くヒロインの容姿描写などをしている典型例。ただ、こちらはダメではないですが「売れないプロラノベ作家」がしがちな美少女陳列形式になってしまっている印象。描写する人数を絞るなり、もう少し個々人の趣味嗜好などの個性を引き出すエピソードがあるなりすればもっと良くなるのですが、今一歩足りないというか「売れないプロラノベ作家」ぐらいの水準です。まあ、言い換えれば底辺とはいえプロぐらいのレベルでは書けているのですが……これ、本ではなくweb小説なのですよね。そこが失敗しています。 評価 ☆☆☆ ●銀二十枚分、愛してください。 ~奴隷の少女の剣風録~ 五色ひいらぎ 上手いです。ただ、重い感じがするので、好き嫌いが分かれそうですね。あらすじに注釈がありますが、鬱展開ありでしょうか、これは。ある種のオーソドックスな物語ですが、不思議とこの手のものはここまで読み進めてきた中ではありませんでしたし、その意味では他と差別化ができていて良いのかもしれません。が、それはマイナスに働くこともあるので、良くも悪くもといったところです。 評価 ☆☆☆☆ ●乱射少女の復讐譚(服なんて、ガンベルトで十分です!) LA軍 タイトルからしても、典型的な復讐譚でしょうか。冒頭一話できっちりと動機となる展開を納めていて、その次の話で本題が……と思ったら、第二話は完成度が微妙ですね。うーん、思っていた展開と、ちょっと違います。筆力は平均程度はありますが、少々荒いかなと。第一話はしっかりツボを押えていただけに、もったいないです。 評価 ☆☆☆ ●聖欲闘技 ~セイント&バイオレンス~ 宝来石火 うーん、下手ではないです。粗はありますけど、雰囲気は出ています。が、いまひとつ内容が入ってきません。マンガの絵を見ずふき出しの部分だけ読んでいるような印象というか、情景描写が上手くないのかなぁという印象。言い換えれば、それ以外は雰囲気が出ていますから、そこは強みなのですけれどね。 評価 ☆☆☆ ●ビキニアーマーは襲われない くおんみき なんか、この人、他の人と文章体裁が違いますね。改行少ないですし文字詰まっていますし、web小説として読みにくいです。タイトルはきれいにまとまっていますが、それだけですね。作者名はどこかで見たことがある気がしますが、気のせいでしょう。第1回ノベプラ大賞2次通過者(最終落選)らしいですが、総評では話題に挙がっていなかったですし、その程度の人なのでしょう。 評価 ☆☆ ●100ビキニ100 テコキ・ハジメ キャラクター紹介の時点で、少し、不安が……パート2。えぇと、ですね。別人だと思うのですけれど、昔の知り合いに、こういう文章書く人がいたのですよ。別人だと思うのですが、以前、とある作品のとあるキャラクタのモチーフにした方なのですがね。あの人以外にも、こういうの書ける人がいたんですね。関係ない人の話なので、それ以上は掘り下げませんが……お察しください。少なくとも、私の心情的にも、客観的に見た完成度的にも、これ以外の評価はつけられません。 評価 ☆ ●《自称》美少女魔法剣士マギ・レリタス 桑白マー うーん、これは私には評価しにくいですね。下手ではないのだと思うのですけれど、私の感性からするとナシなのですよね。ただ、これは単純な好みの問題もあると思うので、とりあえずは星みっつにしておきます。 評価 ☆☆☆ ●百鬼夜行御伽草紙 キビナ姫 きばとり 紅 わざとそうしているのだとは思いますが、ちょっと、いえ、かなり文体が鬱陶しいです。題材としては目を引きますが、上手くいっているかというと……ダメではないですが上手くはないです。とはいえ、ただの「普通」ていどの作品よりは目を引く分、評価はできるとは思います。ともあれ、色々な要素をプラスマイナスして、総合評価は真ん中ぐらいといったところ。基本、悪目立ちですが……こういうのは目立たないよりは、悪くても目立った方がマシなのですよ。もちろん、悪い以上、てっぺんは絶対にとれませんが。 評価 ☆☆☆ ●剣と魔法とマシンガン! ――すり鉢の底の淑女―― 弐逸 玖 悪くはないですが、ちょっと不親切な話の構成かなと。雰囲気は出ていますが、読み始める順番を間違えたかと思って、一度ブラウザバックしました。雰囲気を伝えたいのを優先して、書くべきところを書けていないのかなと。プロ作家の、それも一定層のファンがついている場合はこういう書き方でも「これから面白くなるんだろう」と我慢はできますが、こういう場だとなかなか難しいです。それでも、まあ、主人公の容姿描写などが淡々とされているのは上手いとは思います。 評価 ☆☆☆ ●剣と魔法とマシンガン! ――すり鉢の底の淑女―― 川口大介 ちゃんと、上手い作品だと思います。ただ、他の方と比べてweb小説らしくない書き方かなと。一話あたりの文字数も多いですし、改行も少なめですし。web投稿サイトでない、新人賞公募などの紙媒体を前提とした形式ですね。その点で、少し評価を落としてしまっているのかなと。 評価 ☆☆☆☆ ●不纏流無惨帳 銀河アズマ これも改行少なめと、大部分のweb小説の文法から外れているかなという印象。ただ、一話あたりの文字数はお手頃サイズ。文章力は低くないですが、目を惹く要素は特になし。この作品の肝となる設定はちゃんとあるようですが、それを地の文による説明だけで済ませてしまっているのが凡作といったところ。描写すべきなのはそこじゃないのになぁ……といったところが、もったいないでしょうか。 評価 ☆☆☆ * ということで、見落としがなければ、これで全作品の感想を書いたはず。 応募規定違反の人については、関知しません。 そう、応募規定ということで思い出しましたが……「キャラクタ紹介」の時点だと、応募要項の「キャラクタ数」が足りていない可能性のある作品が散見されました。 要項は「主人公以外に3人以上の美闘士(バトルする主要女性キャラクター)を登場させて下さい」であって、「主人公含めて3人以上登場させてください」ではないですよ? キャラクタ紹介に全て書けとはいわれていないので、そこに書かれていないだけで足りている可能性はありますが……本当、お気をつけください。 いえ、まあ、私が指摘したところで、今の時点で修正は無理というか無意味なわけですが。 ともあれ、総評としては、後半21作品は前半と比べて実力不足が目立ちました。 これはと思う作品も、ありませんでしたし。 それでも全体的に、かつて「第1回ノベプラ大賞」の二次通過作品で同じことをしたときよりも作品レベルが高いです。 あくまでも、冒頭一話二話を見て判断した限りの話ですけれどもね。 レベルが低すぎるレースだったらと不安でしたが……大丈夫です、ちゃんと水準は保てているはずですから。 もちろん、審査する側のお眼鏡にかなわなければ、悪夢の「受賞者なし」はあり得ますけれどもね。 でも、それこそ審査する方々の胸のうち次第ですので、心配したところで仕方がありません。 * なお、最高評価をつけた、 エールさんの「ミコーズ・ウォー ~ 半裸の巫女とビキニのくノ一 ~」 咲蘭さんの「Maid´s blast〈メイドズ ブラスト〉!」 については、気が向けば全部読むかもしれません。 まあ、こう言いながら読まなかった例はごまんとありますので、あまり期待されても困りますが……。 読書は、強制されるものでもなければ、義務でもありませんからね。 本当に、あくまでも気が向いたらです(予防線)。
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