■億トレへの取材を経て、自分もFXで勝てるようになった!
調子の良い時もあるけれど、トータルで勝ち続けるのは難しい――。これは、一般的なトレーダーに共通する悩みではないだろうか。内田さん自身も、自分の勝ちパターンを確立できずに悩む投資家の1人だった。
思惑と反対方向に為替レートが動くと、「待っていれば戻るかも…」と淡い期待を抱いて、損を膨らませたこともあった。
英国のEU(欧州連合)離脱の是非を問う国民投票で、まさかの「EU離脱派」勝利となり、市場が大きく動揺した2016年6月のBrexit相場でも、「そんなことはあり得ない」と意地になって米ドルのロング(=買い)ポジションを持ち続け、大きな損失を出した苦い経験がある。
【参考記事】
●ザイFX!で2016年を振り返ろう!(1) 英国がEU離脱! 英ポンドは二度死ぬ!?
●ついに英国のEU離脱が確定的な状況に!! 英ポンド暴落、米ドル/円も100円割れ!
「勝率が低いわけではないんですけど、ときどき大負けして、それまでの儲けをフイにする、典型的な『コツコツドカン』をやらかしてばかり。
『向いてないからやめようか』と何度、思ったかわかりません。でも、この取材を通じてFXへの向き合い方が変わって、安定した利益を出せるようになってきたんです」
『コツコツドカン』の常習犯だった内田さんが、大きな負けをしなくなったというのだ。
かつては「コツコツドカン」の常習犯だった内田さんが、安定した利益を出せるようになった理由とは…?
■Brexitではやられたが、トランプ当選では結果を出した
「まず、チャートの見方が変わりました。漫然と方向感を眺めるだけでなく、次の足はどうなるだろうと考えながら、クセを読み取ろうという意欲を持って観察するようになったんです」
チャートの見方が変わったことで、むやみにエントリーして失敗することが少なくなったという。
「確度の高そうなチャンスを待って、十分に引きつけたエントリーができるようになりました。当たりハズレはともかく、先読みしながらチャートを見ることで、『予想どおりの値動きになった時にエントリーする』というルールを実行できるようになってきました。
エントリー後も、頭の中で勝つシナリオができているので、値動きがそのとおりにならなかったら、躊躇なく損切りできるんです。これで、大きな損を出すことがなくなったし、勝率も上がりました」
このおかげで、Brexitの時と同様に、市場予想を覆す結果で相場が急変した2016年11月の米大統領選では、まったく異なる結果を出すことができた。ファンダメンタルズの動揺に惑わされることなく、値動きを客観的に見つめることで、その後の米ドル高の流れに乗ることができたという。
【参考記事】
●ザイFX!で2016年を振り返ろう!(2) トランプ氏当選でまさかのリスクオン到来!
●米大統領選挙は予想外のトランプ氏勝利! リスクオフで米ドル/円急落も意外な動き…
「雰囲気に流されるのではなく、チャートの動きを見て冷静に判断して勝てたというのが、自信につながりました」
チャートの見方が変わったことでむやみにエントリーして失敗することが少なくなり、2016年11月の米大統領選ではまったく異なる結果を出すことができたと話す内田さん
■お気に入りの手法はADX + 標準偏差ボラティリティ
内田さんはこれまで、さまざまなテクニカル手法を試してきたが、現在、気に入って続けているのは、21日ボリンジャーバンドと14日ADX(Average Directional Index)、26日標準偏差ボラティリティという、3つの指標を使うトレードだ。
これは、ラジオ番組で共演した、ファンドマネージャーの石原順さんに教わった手法だという。
チャート上に、これら3つの指標を表示しておき、ADXと標準偏差ボラティリティが同時に上向いたら、そこがトレンド発生のサインだ。そのうえで、レートがボリンジャーバンドの±1σ(シグマ)を突破したら、その方向に順張りでエントリーする。ローソク足のヒゲではなく、実体部分がボリンジャーバンドの±1σの中に戻ってきたら、手仕舞いすることにしているそうだ。
(出所:FXトレード・フィナンシャル)
【編集部追記】
石原順さんが推奨する、21日ボリンジャーバンド、14日ADX、26日標準偏差ボラティリティを使ったトレード手法では、ADXと標準偏差ボラティリティが同時に上昇している期間をトレンド相場と判断する。これは、マーケットのボラティリティが高まっていることを示しているため、上昇相場でも下落相場でもトレンド相場の時は2つの指標が上昇する。反対に同時に下落している期間は、相場に方向性がないと判断される。
標準偏差ボラティリティは、「標準偏差(Standard Deviation)」と呼ばれるテクニカル指標のこと。また、ADXはDMI(方向性指数)の指数平滑移動平均線(EMA)のことで、DMIのテクニカル指標の中で同時に表示されることが多い。
MT4(メタトレーダー4)に表示するには、まず片方のインディケーターを表示させ、その部分にナビゲーター画面にあるもう一方のインディケーターをドラッグ・アンド・ドロップすると、標準偏差ボラティリティとADXを同じウィンドウに表示させることができる。下図では通常表示される、ADXの「+DI」と「-DI」は表示させず、わかりやすいようにラインの色や太さを変えてある。
(出所:FXトレード・フィナンシャル)
これらのテクニカル指標はMT4(メタトレーダー4)のインディケーターに標準で組み込まれているため、FXトレード・フィナンシャルのほか、楽天証券[楽天MT4]、YJFX![外貨ex]などのMT4(メタトレーダー4)画面でも表示できる(YJFX![外貨ex]のMT4(メタトレーダー4)はチャート表示のみが可能となっていて取引はできない)。
【参考コンテンツ】
●メタトレーダー(MT4)が使えるFX会社徹底比較!
■20万円の元手が7倍以上の145万円に!
「原稿仕事をしているときは、1時間足のチャートもモニターに表示しています。チャートが好きな形になってきたら、原稿の手を止めて観察することが多いですね。もみ合いが続いたあとで、上下どちらかにブレイクするのが私の好きなパターンです。
安易なエントリーは失敗のもとではありますが、チャンスを逃すのも嫌なので、まずはブレイクしたタイミングで、ごく小さなポジションでお試し的なエントリーをします。
そのあとで、ADXなどの信頼している指標が買いサインを出したら、本格的に追撃するんです」
この手法を始めてからは、安定した利益を出すことができるようになり、20万円の元手を7倍以上の145万円にすることができたという。
石原さんの推奨する手法で取引し始めてから、内田さんは安定した利益を出すことができるようになり、20万円の元手を7倍以上の145万円に増やすことができたという
内田さんにとっては利益の額よりも、大きく負けることなく利益を積み上げられたことが自信につながった。
「億トレの皆さんと比べると小銭のような利益ですが、これが私の身の丈で、欲を出しすぎないことも大事だと思っています。
実は、著書の発売直後に、『FXの本を出したのだから、もう少し利益を増やさないと』と、少し無理なトレードをしたら、大負けしてしまいました。やっぱり、自分に合った手法とポジション量を守ることが重要だと身にしみました」
少額の資金でも始められるのがFXのメリットではあるが、やはり…
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