飯能市メガソーラー疑惑

阿須山中サッカー場問題解説 by azneko

【要約あり】謎のサッカー場計画/地方創生で自然破壊!?

【要約:阿須山中土地有効活用事業】530字 1分20秒

埼玉県飯能市阿須山中の20億円で取得した市有地を市長と懇意な一民間事業者を公募選定。ただ同然で貸し出した飯能市の市有地を利用した民間活力活用プロジェクトのことである。資金の出処を飯能市は開示しないが、設計監理施工を担う大和リース大和ハウスグループ)らが62億円を拠出したと考えられる。

希少種豊かな山林を造成して大規模太陽光発電所を建設。事業者は大和リースからリースを受け、売電収入年間2億円超(飯能市試算)。

飯能市は、事業目的を「地方創生と国際交流のためのユースクラブ専用公式サッカー場」と称して専用小冊子、広報、WEBで大量宣伝するものの、大規模太陽光発電(メガソーラー)の危険性、環境影響はひたすら矮小化。

サッカー場の実態は「上下水道、駐車場、観客席なし」で公式サッカー場としては機能せず、メガソーラーのための調整池機能である。

さらに、2020年10月14日の着工直前、イーゲート社が取付道路「阿須山中アミューズメントロード」を共用する近隣での新規ソーラー発電計画(認定番号ベース2カ所)が発覚。取付道路の建設開始時期は2018年3月で事業者アカデミーの公募採用決定の翌月で、さらに、この取付道路の建設委員長と事業者との癒着関係も明らかとなっている。公有財産を一部の利益のために利用する巨額便宜供与案件との指摘もある。(要約終了)

【資料】

サッカー場建設計画の概要

 (上記「要約」と一部重複)

 埼玉県飯能市が20億円で取得した飯能市阿須山中の山林17haの活用事業案公募で、地方創生に資するものとして選定された最優秀提案の概要は、次の通り。
(2020年10月26日現在判明している事実に基づく)

事業案テーマ:「飯能の未来を託す子どもの育成環境整備と地方創生のためのシティプロモーションの実現」(飯能市公式サイトより)

事業案主目的:サッカー強豪クラブである「ボカ・ジュニアーズ(アルゼンチン)」の育成プログラムを取り入れたトレーニング施設を設置し、世界に通用する選手を飯能から輩出。(同上)

市有地は、この目的のために一事業者に貸し出されることになる。

  • 公募名称・選定時期:飯能市・阿須山中土地有効活用事業公募 2018年2月選定
  • 最優秀提案事業者:一般社団法人飯能インターナショナル・スポーツアカデミー
  • 開発面積:17ha(事業者が公募後取得した民地合算18.8ha。うちサッカー場0.97ha、メガソーラー約10ha)
  • 年間土地賃料120万円
  • 資金計画61億7千万円(市側は出処、内訳を公表しない)
  • 設計監理施工業者:市側は非開示(大和リースであることは公然の事実)
  • 着工予定2021年、完成2022年6月(事業者ホームページ)
  • 形状:調整池を兼ねるためスリバチ状の底面に建設される。
  • サッカー場:施設設備(次項で説明)

サッカー場の主要な施設設備

  • 上水道なし(飲料水は自販機、ウオータークーラー使用)
  • 下水道なし・トイレなし(仮設予定)
  • シャワーなし
  • 観客席なし
  • 駐車場なし
  • クラブハウスなし
  • LED照明あり
  • フィールドに天然芝使用

トイレ、観客席、駐車場が無い理由

開発予定地の飯能市阿須山中は市街化調整区域のため、上下水道は敷設できない。また、観客席や駐車場、駐車場出入口あるいは通路、クラブハウスなど公式サッカー場に付設する工作物、建築物が付設された場合には、現状の開発面積0.97haが、都市計画法上の開発許可が必要な1ha以上となり、6m幅300~400mの付設道路建設の必要が生じるため、工費と工期が格段に増加する。この結果、メガソーラー区域を合わせた開発面積全体では20ha以上となり、埼玉県環境アセス条例の対象となり環境事前調査の費用と期間が加算され、採算割れ、そして、FIT運転期限2022年3月までに稼働できない恐れがある。以上が、阿須山中サッカー場が、一般的な公式サッカー場で必須の施設設備を付設しない理由である。

つまり、このサッカー場は、通常の使用を前提としない。メガソーラーのためだけに必要となった大規模造成地に必要な調整池のカモフラージュが主機能と推論できる。

都市計画法上の開発許可の許可権者は、開発計画全体を管理進行する飯能市であるため市の事業者に対する脱法指南の可能性が指摘されている。

ひとが溺れる可能性も

造成地の調整池として最大2mの降水に耐える「貯水池」を兼ねる。メガソーラー用地10haに対してこの「調整池サッカー場」は1ha弱のため、いっきに10倍の降水量が流入する可能性がある。2020年6月に埼玉県熊谷で記録した日本最大10分間降水量50mmで計算すると、10分間で50cmの降水量が想定でき、濁流により逃げ遅れた場合には、溺れる可能性さえある。多雨期には水が貯まり、天然芝は根腐れる。泥でぬかるんだグラウンドは使えない。乾けば土ほこりで肺がやられる。掃除しようにも水道がない。

地方創生で森林破壊!?漫画で読む阿須山中事業

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森林破壊して地方創生?!


阿須山中散策風景描写

www.facebook.com

 

市民による阿須山中の自然を取り戻す活動

特別天然記念物ニホンカモシカの棲む森を破壊するサッカー場&メガソーラー建設への市民の反対運動は飯能市内では、「加治丘陵の自然を考える会・飯能」が弁護士、土木、林業環境保護など専門家とのネットワークとともに展開。

協力希望者は、会ブログ記載のメールアドレス(Gmail)、投稿コメント欄から連絡なさることをおすすめする。

azuhanno.hatenablog.com

 

 

【再掲/放送予告】TBS「噂の!東京マガジン」10月25日(日)

テレビ番組&放送予定概要 

(本日、2020年10月22日、Twitter番組アカウントで告知があったので、10月16日投稿した後、削除したものを加筆修正して投稿する。)

 「噂の!東京マガジン」は放送開始1989年の長寿番組。その中で「噂の現場」は、主に地域問題にフォーカス、行政や事業者の問題点を指摘する。

取材テーマ概要

 埼玉県飯能市阿須山中の20億円で取得した市有地を市長と懇意な事業者にただ同然で貸し出し、大和リースなど大和ハウスグループらが62億円を拠出。希少種豊かな山林を造成して大規模太陽光発電所を建設。事業者は大和ハウスGからリースを受け、売電収入年間2億円超(飯能市試算)。飯能市は、事業目的を「地方創生と国際交流のためのユースクラブ専用公式サッカー場」と称して広報、WEBで市民をだまし続けて、大規模太陽光発電(メガソーラー)の危険性、環境への影響はひたすら矮小化。サッカー場の実態は「上下水道、駐車場、観客席なし」で公式サッカー場としては機能せず、調整池機能がメインである。

 さらに、2020年10月14日の着工直前、イーゲート社が取付道路「阿須山中アミューズメントロード」を共用する近隣での新規ソーラー発電計画(認定番号ベースで2カ所)が発覚。取付道路の建設開始時期は2018年3月で事業者アカデミーの公募採用決定の翌月であった。この取付道路の建設委員長と事業者との癒着関係も明らかとなっている。公有財産を一部の利益のために利用する巨額便宜供与案件。公有財産の私物化という点で明らかに善良な市職員を巻き込んでおり、「埼玉のモリカケ」とも呼ばれている。

 

 

「中立」という名の同調圧力

Facebookの、とある飯能地元グループ(会員数で最大規模)で、飯能市が推進する阿須山中土地有効活用事業に対する批判投稿の多さに心痛めたことを理由に会員2名が退会した。着工日10月14日の前日から当日に掛けてのできごとである。
グループの運営側は、政治的偏りのある投稿は削除するとして、当該事業に対する批判を牽制し、会員に対して、いわば「中立」を求めた。また、事実を事実として、そのまま投稿することは問題ないとの見解だ(批判なく、という意味に解釈できる)。
この日以来、当該事業に対する批判投稿は途絶えた。

×関連番組放送日程変更→○放送が決定しました。

「放送決定」に変更となった。

次の投稿で詳述した。

(2020年10月23日記)

https://azx.hatenadiary.com/entry/2020/10/16/102805

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番組名:TBSテレビ「噂の!東京マガジン」

放送日:無期限未定(←予定日10月25日(日)午後1時

取材テーマ:地方創生で自然破壊!?サッカー場計画に賛否真っ二つ(仮)飯能市・阿須山中土地有効活用事業

【参考】事業概要説明(文責:当ブログ)

  • 地方創生のためのユースクラブ運営法人専用サッカー場1haは上下水道駐車場観客席ナシ。調整池兼用でグラウンド水没可。20億円で飯能市が取得した公有地に大和ハウスグループが設計監理施工資金62億円を投じる。不自然過ぎる開発計画。
  • 真のメイン事業は1事業者を支えるために付設する、と称する太陽光発電10ha。月間売電2億円超2億2千万円~2億3千万円(2020年9月29日定例会滝沢修議員一般質問で企画部長答弁)。
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  • アズネコ (id:azneko)

    ご指摘ありがとうございます。2億円超から2億2千万円~2億3千万円に訂正しました。根拠は2020年9月29日市議会定例会での滝沢修議員一般質問での企画部長答弁です。市民団体、当ブログの試算1億5千万円と大きく乖離していますが、そのまま記載します。

  • beabea182003

    月間売電2億円超(飯能市試算)てどこに有りましたっけ?

疑惑は着工後さらに拡大

阿須山中問題を振り返る

 10月14日着工との情報は、飯能市、事業者(一社)飯能インターナショナル・スポーツアカデミー(以下、アカデミー)が10月11日開催、参加対象を絞りに絞った住民説明会で告知された。

 既に外見上は「林地開発許可標識」がラジコンサーキット場の唐沢川対岸に掲出されていて、いつでも着工可能のように見える。伐採目印の赤や黄色のテープが張り巡らされる数も増える一方。あらためて、阿須山中メガソーラー疑惑の構造を短くまとめる。

【主文】埼玉県飯能市が20億円で取得した市有地を年120万円で一地元民間法人に貸し出し、大和ハウスグループが61億7千万円を投じてメガソーラー(と形ばかりのサッカー場)を建設。件の民間法人はリースを受ける。市試算で売電収入は年間約2億2千万円(リース料不明)。20年契約2年ごと更新。市政・市有地の私物化により便宜を供与した案件と考えられる。飯能市がことあるごとに持ち出す「地方創生」は、ごく一部のための「利権創生」と同義であることが鮮明になってきた。

【追記】共用取付道路で阿須山中と結ぶ2つのソーラー発電計画がさらに拡張進行すれば、3事業合わせて格段に巨大な開発計画となる。

 飯能市は関与した複数の法令で脱法行為を繰り返している。メガソーラー事業の詳細や災害可能性を隠蔽したまま6月から頻繁に「阿須山中土地有効活用事業について」との小冊子全8ページ及び縮小版を全戸配布してきた。5月からは、市民団体の公開質問状に回答する形で特設サイトを開設、ほぼ同内容で展開。これで「サッカー事業ならいいのでは」と騙された市民は多数いるだろう。

3つのソーラー発電は取付道路を共用

 さらに、疑惑は、あらたに判明したイーゲート株式会社(渋谷区)による近隣2カ所山王塚・孫治山でのソーラー発電事業にも広がる。

 取付道路(事業名:AZU-YAMANAKA AMUSEMENT ROAD 和訳:阿須山中娯楽道路)は阿須山中市有地に連なるだけでなく、イーゲート社の開発予定地2カ所、合計3カ所を結んでいる。

 道路工事発注者は民間土地所有者で結成された「阿須山中活性化推進員会」で、アカデミーも一員だ。イーゲート社も取付道路の一部を所有している。市はたびたびこの道路を円滑な開発行為に必要性を認めている。着工は、公募での事業者決定の翌月となっており、サッカー場を含めた、複数の開発区域の一体性をあからさまに示しているが、都市開発法開発許可権者の飯能市が後ろ盾となって事なきを得ている。

コクラン移植では条例逸脱行為も

 埼玉県野生希少動植物種保護条例による県希少動植物指定コクランの保全措置は、届出の8月6日から2ヶ月以上経過した現在(2020年10月13日)も事業者から県環境部への連絡がなく、未実施と考えられる。しかし、着工後であっても、保全措置は可能。届出制である。しかし、飯能市の管理進行にもかかわらず(あるいは、だからこそ)、コクラン移植について条例違反行為が発覚している。

 飯能市は自ら発行した公文書で飯能市と事業者が、埼玉県野生希少動植物種保護条例12条5項の30日規定(届出後30日経過前の採取等禁止)を無視して移植実施を画策したことが分かっている。

 林地開発許可が下りた今、許可手続はすべて終了。残る他法令手続きは通過容易な届け出制だ。

 着工すれば、いずれ、フェンスが張り巡らされ、重機の音は鳴り響き、豊かな土壌は削られ、沢は埋められ、川は濁り、生き物は住処を失い、無意味に殺されることになるだろう。

 しかし、山林を破壊する造成工事をしてまで行うメガソーラー利権は今後、全国のマスコミの注目の的となる。在京某テレビ局は既に今月下旬放送に向けて取材&制作中だ。報道部も動き出した。

 また、近日中に埼玉県による希少動植物調査団による調査が予定されているとも聞く。

 大久保勝市長が2013年7月初当選時の公約「日本一のメガソーラー設置」を、翌年6月市議会一般質問で野田直人市議が絶賛し、阿須山中公有地(公社取得目的:自然公園)をメガソーラー設置場所として提起。初当選から足かけ7年と3ヶ月を掛けた市長案件は、今、謎の資金計画61億7千万円による着工という大きな節目を迎えた。