１６年ほど前のことですから。


当時にはまだとてもめずらしく、


「ハロウィンしよう！」と誘ってもらったことがあって。











ずっとお友達ではありながら
まだ一度もお邪魔したことのないお友達の
おしゃれな邸宅が会場で。



とっても楽しみで、
張り切ってトリック＆トリート用のおやつを用意し、

仮装の準備もして（特捜戦隊デカレンジャー）

持ち寄りの「スイーツ担当」となったわたしは、
かぼちゃのプリンとかぼちゃのパウンドケーキを
前日にうれしく作って用意して。


いざ！


と思った当日の朝、お子が発熱しました。



わたしとお子は、参加できなかったのでした。












精鋭部隊が、
用意したおやつとスイーツを受け取りにきてくれて、
会場まで、無事に運び込んでくれました。


楽しみにしていたのに、
ああ、こんなことって・・・と


わたしはなんて運が悪いんだろうって、思ったの。


ちょっと立ち直れないくらいに。




　＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊




ところが、後日。


そのパーティーに参加していたと思われる、
まだ一度もお話をしたことのなかったメンバーの方々から。




「あのプリン美味しかったよ！」とか

「今まで食べたパウンドケーキの中で一番美味しかった！」とか、

「お熱はもう大丈夫？」とか、



もちろん優しいお気遣いを込めて、のことでしょうけれど、

会う人会う人から、

あたたかなお声をかけてもらえることが、


そのあと、ずっとずっと続いてね。


参加することはできなかったのだけれど、

わたしはちゃんと

みんなと「お友だち」になることができていた。














ああ、最悪なことが起こってしまった。と。


そのときには思っても。


振り返れば　それは最高で。　実は「最善」で。



もしもギリギリ発熱する前日に

明日我が子が発熱することを知らずに参加していたら、


発熱前の感染力で、
みんなやみんなのお子さんに
風邪をうつしまくってしまっていたのかもしれない。


ぐったりと疲れて、

わたしも参ってしまっていたかもしれない。



そこにいなかったのに、
わたしのお菓子が気持ちを繋いでくれて、
ちゃんとみんなとお友だちになれた。


そのときには、まだわからなくても。


いちばん良いことが起こっていた。













振り返ると。

人生って、そういうことばかりですね。


そのときには「最悪」と思えたことが、

神のみぞ知る「最高」だったのだ、という真実。




そのハロウインの思い出は。


あんなに準備したのに参加できなかった運の悪い思い出、としてではなく。



なんだかわからないけれど、
起こってしまったことには必ず意味がある、という
そこに気づくことができた、という、

わたしにとって、そういう思い出。


起こってしまったばかりときは、
ただただ「がーん」とショックで。

「なんでこんな目に遭うんだ！」と感じても。

いつかきっとこのことの意味がわかるから、


わかるときが来るから。と。


そういうわたしになれた思い出。



それは　とても「幸運な」思い出。














今も繰り返し思い出すのは。


遠くからわたしの姿を見つけて、
お子さんの手を引いて駆け寄ってきてくれて、

「あのプリン美味しかったよ！」とか

「今まで食べたパウンドケーキの中で一番美味しかった！」とか、

「お熱はもう大丈夫？」とか


そう声をかけてくれた、

みんなの表情と、優しい言葉の思い出ばかり。



心が温まった、あの気持ち。


「ハッピー」だった、という思い出。　


あの時のわたしは、

全然「アンハッピー」なんかじゃなかった。



ずっと忘れないでいられるのは、


「悲しかった思い出」よりも、


「優しい言葉」の方、なんだな。













ハロウィンでわいわい盛り上がったような思い出は


その後もひとつもないのだけれど。


どんな思い出よりも、それは素敵な思い出で。


「優しい言葉の持つ威力」を知った、


大切な、大切な、できごと。




　＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊




自分が投げかけた言葉は、

きっと、すべて自分のところに還ってくる。





あたたかい言葉の持つ威力。

　　そうでない言葉の持つ威力。



わかっていても、毎日ふつうに生きていると、

これに気を配り続けるのって、

とてもとてもむずかしいことですね。




けれど、ハロウィンのたびに、思い出す。


「言葉」を。　


文章を発信させていただく人間として、ちゃんと心に刻もう、と。


「放った言葉」で、

そして「受け取った言葉」で、

その人の人生は創られる。



放つ言葉で、未来は、かわる。




今日もまた、だから気持ちを新たにするのです。




みなさま、ハッピー・ハッピー・ハロウィン！　



わたしのブログを、いつも読んでくださって、ありがとう。




どうぞ、素敵な秋の１日を！








　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　おわり











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