野口憲太
新型コロナウイルスによる感染症になった後、約2割の人に髪の毛が抜けるなど脱毛の症状が確認され、4カ月たっても約1割の人に息苦しさや嗅覚(きゅうかく)障害が残った。こんな研究結果を国立国際医療研究センター(東京都新宿区)がまとめた。新型コロナの後遺症の種類や、症状が続く期間について、継続して調べた報告は世界でも珍しいという。
同センター病院に新型コロナウイルスで入院し、2~6月に退院した63人を対象に、医師らが電話で聞き取るなどして後遺症の有無を調べた。平均年齢は48歳。入院中に約3割の人が酸素投与、8%の人が人工呼吸器による治療を受けていた。
聞き取り調査では、発症から60日後の時点で、嗅覚障害が12人(約19%)▽息苦しさが11人(約18%)▽体のだるさが10人(約16%)▽味覚障害が3人(約5%)に確認された。120日後の時点でも、息苦しさが7人(約11%)▽嗅覚障害が6人(約10%)に残るなどしていた。
さらに約2割にあたる14人(男性9人、女性5人)は、発症から平均して2カ月ほど後に脱毛の症状が出た。5人はその後改善したものの、残りの9人は調査時点では治っていなかったという。
調査を担当した、同センターの森岡慎一郎医師は「これほど長く症状が続くことに驚いた」と話す。今後も追加の調査をして、後遺症と年齢、持病などとの関係も調べるという。
論文は海外の医学誌に掲載された。ウェブサイト(https://academic.oup.com/ofid/advance-article/doi/10.1093/ofid/ofaa507/5934695)で読める。(野口憲太)
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