オンラインで海外インターンシップ 新型コロナ禍で学習院大の試み

2020年10月27日 09時41分
 多くの大学では、新型コロナウイルス感染拡大の影響で、現在もオンライン授業が続いています。そんな中、学習院大国際社会科学部では、海外でのインターンシップ(就業体験)をオンラインで行いました。本紙読者で、同学部海外研修担当の野崎与志子教授は「デジタル時代に、海外企業でビジネスの基本を経験できたのは大きい」と、新しい海外交流の可能性を語ります。(小形佳奈)

ビデオ会議システムを使ったFPT大学のビジネス英語クラスの様子(学習院大のフェイスブックで公開されている動画の一場面)

 8月10日から5週間、2~4年生の希望者16人が、ベトナム中部のダナン市などにキャンパスがあるIT系の「FPT大学」のプログラムに参加。1週間ほど、ビジネス英語を学んだ後、マーケティング会社や人材紹介会社などの派遣先で新規ビジネス開発などに挑みました。

長谷部奨弥さん(本人提供)

茂木春佳さん(本人提供)

 3年長谷部奨弥さん(23)は、マーケティング会社で子ども向けの室内遊戯場の新たなスタイルを考えました。「学習院の授業で教わった、他の企業が参入していない分野を見つけるという考え方が役立った」と振り返ります。「経済成長著しいベトナムの人たちの前向きさに刺激を受けた」とも。
 会員制交流サイト(SNS)を使った販売戦略に興味があるという2年茂木春佳さん(19)は、リモートワークを推進する会社で研修。日本での展開を視野に、同社のインスタグラムの投稿を和訳したり、日本国内でリモートワークに利用できそうなカフェを選定したりする仕事を任されました。
 同学部は、在学中に4週間以上の海外研修を課しています。2人とも、長期の海外留学をコロナ禍で断念。茂木さんは「こういう機会がなければ、海外でインターンシップをやることはなかった。日本でもテレワークが広がる中で、今回のような働き方が体験できて良かった」と話します。
 FPT大学グローバルセンターの担当者によると、今夏、同大学のオンライン語学研修には日本の他大学からも参加がありましたが、インターンシップを行ったのは学習院大だけだったそうです。
 同学部の渋谷覚学部長は「ただ海外に行った、英語が話せる、だけでなく、英語を使い、オンラインで働いたという経験は就職活動にも生かせるはず」と期待しています。

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