番組紹介
初回放送:2017年1月2日(月)
午後7時30分~午後8時59分 放送
関口知宏さんが鉄道で旅するヨーロッパ。今回の舞台は、ポルトガル。
スペインとの国境の街ヴァレンサを出発し南へ。北部の渓谷で不思議な古代壁画を見つめ、首都リスボンでは、酒場で歌い継がれる“庶民の心の歌”ファドに胸打たれます。さらに港町ナザレでは、豪快な漁師の妻たちと出会い、伝統の踊りを体験。ヨーロッパの南西の果て、サグレスを目指します。人情味溢れる人々と出会い、抜けるような青空と広大な大地のポルトガルを行く10日間。いざ出発!
ポルトガル編に寄せて
旅人 関口 知宏
ポルトガルは、日本人が言うところの“ラテン系“という印象がぴったりの国でした。“ラテン系”って、良くも悪くも楽天的でユルいイメージがありますが、ポルトガルはその裏に「オトナさ」が潜んでいる感じでした。リスボン大地震のようなとんでもない自然災害があるのに「自然のことは仕方がない」という感じでは、「自然体ゆえのユルさ」。一方、過去には知恵と技術で自然を征服し世界をリードした大航海時代があったのに、「あの力をもう一度」というのをあえて選ばない感じでは、「衰退しちゃったから、ま、いいか」というのではない「自然体ゆえのオトナの選択」。
ポルトガル独特の「サウダージ」という感情も、オトナじゃないとわからない、言葉では説明しにくい感覚ですが、日本の「わび、さび」に通じる感覚なのではないかと思いました。
だから、「自然体だね」とたびたび言われる僕は、「どうしても日本以外に住む国を選びなさい」って言われたら、今まではギリシャと言っていたのですが、もしかするとポルトガルなのかも(笑)。絵日記もサウダージが表現されるファドの歌詞のようなものになりました。