番組紹介
初回放送:2016年11月26日(土)
午後7時30分~午後8時59分 放送
関口知宏が鉄道で旅するヨーロッパ。今回の舞台は、北欧の国スウェーデン。
デンマークとの国境の街マルメを出発し北へ。バルト海に浮かぶ島でバイキングの足跡を訪ね、スウェーデン人の“心の故郷”ダーラナ地方では伝統の音楽や工芸と出会います。さらに人気の夜行寝台列車で北極圏へ。そこには先住民族の独特の暮らしがありました。広大で多様性に富む北の大地をゆったりと巡るスウェーデンの旅へ、さぁ出発!
スウェーデン編に寄せて
旅人 関口 知宏
スウェーデンといって日本人のわれわれが思いつくのが、家具がおしゃれ、福祉国家の充実、ノーベル賞のノーベル、とかそういう感じかもしれません。実際見てきたら、その3つに共通点があるんです。スウェーデン人って「何が不要か?」と考えて“要件を絞る”人たちなんですよね。ノーベルがダイナマイトを開発したことも、現地の詳しい人に聞くと、悪用の危険性を考えることは“不要”として開発したようでしたし、「福祉国家で行く」という国の方針に対して意見が分かれないのも、要件がそこにシンプルに絞られているから?家具の独特さにもそこに「何が不要か」を考えた気配がありました。必要なものを足していくのではなくて、不要なものを捨てていく人たち。それは長い冬への準備から来た性分のように感じました。それも毎年のことですから、必然的に、日常からシンプルになっていく。
思えばオランダもイギリスもドイツも、寒い国や地方にはそういう印象があったので、寒さが要因なのかもしれません。スウェーデンに関しては全土そうでした。北に行けば行くほどその感は強まりましたが。旅人の僕へのもてなしにしても、お宅に行くと、お願いしない限りお茶は出ませんでした(笑)。ケチだからではないんです。嫌いなものを出したら悪い、余計なことはしない、シンプルにいくという彼らなりの礼儀がある気がしました。国民性がわかるとその礼儀の意味が理解できるのです。