ハンガリー編

番組紹介

番組紹介

初回放送:2016年9月10日(土)
午後7時30分~午後8時59分 放送

関口知宏さんがヨーロッパの美しい風景や人々との出会いを重ねる鉄道の旅。今回の舞台はハンガリー。アジア系の民族をルーツとするこの国には、大平原で行われる独特の馬術の技や、日本の流鏑馬(やぶさめ)に似た競技が今も残る。素朴な味わいの森林鉄道、巨大プールのような温泉、海のないハンガリーの人々が愛する巨大な湖などを巡りながら多くの人々と出会っていく。ベルリンの壁崩壊のきっかけとなった国境の街なども訪ねる。

ハンガリー編に寄せて  
旅人 関口 知宏

今回、生まれて初めて訪れたハンガリー。行く前に知っていたことは、どれも日本人と似ているのかなと思わされるものが多かったのですが、行ってみたらまったく逆でした。
ハンガリー人を一言で表現すると「守る」の人たち。「守る」と言っても逃げの意味ではなく、積極型・攻撃型の「守る」。サッカーや野球のようなスポーツでの「守る」に近いかな?
僕が思うに、ハンガリーは他民族が入り込みやすい土地柄だったために、自分をしっかり「守ら」なくてはいけなかった。また例えば、味方のふりをする者を見分けなければならなかった。そういう背景から、自他の境を明確にする気風や、アイデンティティーの一つである掟をしっかり持つ気風が残ったのでしょう。 ですから、友となるこちらにもアイデンティティやルールの自覚を求めます。おそらく、自分のアイデンティティーを最も尊重してくれる友を探したら、それはハンガリー人ということになったりするかも知れません。
実際にかつて、東ドイツ人の国境越えを命がけで実行しました。それも、ドイツ人のアイデンティティーを「守って」あげるためだったのではないかと思うのです。 ハンガリー人にとっての人間関係とは、互いの自分らしさを積極的に「守り」合うこと。相手の迷惑にならないように「自分のことばかり、我がままを言いなさんな」という日本人の「消極の良さ」とは本当に逆。なので、旅の最後に、そこを詩歌にしてみました。

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