番組紹介
初回放送:2016年7月23日(土)
午後7時30分~午後8時59分 放送
関口知宏さんがヨーロッパの美しい風景や温かい人々と出会う鉄道の旅。1か月かけてイタリア半島を一周する全3回シリーズの最終回は、南部から北部まで1500キロの旅。フィレンツェ・ベネチアをはじめ、有名な悲劇の舞台ベローナ、独立国サンマリノなど、世界遺産の町が次々に登場!一方で、地震からの復興を目指す小さな町も…。そして、イタリアの人々との出会いを通して、関口さんが感じた4つのキーワードとは?
イタリア編 第3回に寄せて
旅人 関口 知宏
イタリアをぐるっと回ってきて、この旅で人々から感じたのは常に4つでした。「受容」「調和」「回帰」「無私」です。実はこうした気質は、土地が生み出す面が大変強いため、時代を越えても大きく変わることはありません。ということはまさか古代ローマも?ということで遺跡を訪ねると、なんと皇帝の権威を示す建物がない!代わりに、ギリシャからほぼそのまま受容したのであろう建築様式、人々の娯楽や憩いの場所が多い。支配される側がローマの優れた法律に憧れていたという話も重要でしょう。その法律も恐らく他の優れた文明から受容し、熟成したものだったのでしょう。なのでどうやら、今も昔もイタリア人は、「何でも受け入れてバランスをとりながら、快適に、ゆっくり行こうぜ」だったんじゃないか。古代ローマは、野心や支配欲によって領土を広げたのではなくて、何でも受け入れているうちに広がってしまった面が実は強いんじゃないかっていう自説を、僕は今半ば固めつつあります。(笑)